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- みんなの九州きっぷで観光列車と門司港レトロ街ぶら旅
マンガ家・文筆家のYASCORN(やすこーん)さんが、気軽に行ける女性一人旅を紹介。今回は、Go Toトラベルキャンペーンを利用して、九州旅へ。人気の観光列車を乗り倒し、博多~門司港~小倉のレトロな街並みをぶらぶら。ご当地グルメも必見です!
「みんなの九州きっぷ」北部九州版を使ってお得に移動
GoToトラベルキャンペーンで行った2泊3日の九州旅。
今日明日は「みんなの九州きっぷ」北部九州版(5000円)で博多〜門司港(もじこう)を移動します。これはJR九州の九州新幹線、特急列車、快速・普通列車に連続する2日間乗り降り自由なきっぷ。
予約はWEBのみで、JR九州・JR西日本エリアの駅で受け取れます。土・日・祝日限定ですが、女性で50歳以上なら「ハロー!自由時間クラブ」に登録すれば、平日でも使えます。
博多・天神のホテルに泊まった翌朝は、迷わず朝ラー、博多ラーメンです。博多に来るたびに行く「元祖長浜屋」は、通い続けて30年。その味は昔と変わらず、安心します。
熊本の復興応援に!観光列車「かわせみ やませみ」を福岡で乗ろう
これから福岡で、通常熊本を走る列車に乗車します。熊本駅と人吉駅の間を運行している観光列車「かわせみ やませみ」ですが、2020年7月に肥薩線沿線が豪雨で被災し、線路が通行不能となりました。そこで応援企画として「かわせみ やませみ」2両と同区間を走る「いさぶろう・しんぺい」号2両を連結した臨時列車が、博多〜門司港間で土・日・祝日に運行されています。こちらの車内で、人吉や球磨地区の商品や沿線の特産物が売られているのです。
![(4-1写真・かわせみマーク)(4-2写真・かわせみ側車内)(4-3写真・やませみ側車内)(4-4写真・いさぶろう・しんぺい車内)](https://halmek.co.jp/media/uploads/b31a469f3c051d0f93120f5094c968cb1605870792.543.jpg)
大人気の列車なので「みんなの九州きっぷ」を受け取ったらすぐ指定券を押さえておいた方が安心です。ちなみに「みんなの九州きっぷ」は、普通⾞指定席を6回まで利⽤できます。もし、かわせみ やませみ側が満席で、いさぶろう・しんぺい号側の席になったとしても、車両は自由に行き来できますので全く問題ありません。
車内販売では何種類かの球磨焼酎が売られていました。鬼倒の水割りと、おつまみに辛子蓮根チップスを購入。このチップスがかなり辛かったので、お酒が進んでしまいました。
私が乗車した10月初旬ではまだ車内でGoToトラベルキャンペーンの地域共通クーポンは使用できませんでしたが、11月19日から九州を走るD&S列車全車内で使用できるようになったようです(紙クーポンのみ)。また、「かわせみ やませみ」臨時列車も、11月末までの運行予定だったのが、2月末まで延長決定! ぜひ乗りに行ってみてください。
福岡県・門司港駅に到着しました。国の重要文化財に指定されている門司港駅は、約6年間の改修工事が終わり、2019年3月に全面開業したばかり。大正3(1914)年の創業時の姿を、久しぶりに見ることができました。門司港の街自体も大正時代の歴史ある建物が多く、駅を出てすぐ右には、「バナナの叩き売り発祥の地」の記念碑があります。
![みかど食堂の焼きカレー](https://halmek.co.jp/media/uploads/03899042385f7c7a7789724e87d073e61605870885.3003.jpg)
門司港駅の2階、建築当時の食堂を再現した「みかど食堂」でランチの「焼きカレーと季節のスイーツセット」をいただきました。門司港は何度か訪れていますが、門司港名物の焼きカレーを食べるのは初めて。お店によって素材や味が違っていて、こちらはシーフードを使っていました。いろいろ食べ歩いてみたいです。
九州鉄道記念館で、昔懐かしい車両に思いをはせる
![九州鉄道記念館入り口](https://halmek.co.jp/media/uploads/d9d126b89c43d7e59280df5b22ff2e0d1605870899.5736.jpg)
門司港は鉄道とも深い関わりがある街。「九州鉄道記念館」では、かつて九州で活躍した車両や実際に使われていた道具、歴史などを見ることができます。
展示されている車両は私が乗れなかったものばかり。もう少し早く鉄道に興味を持っていれば……と思うことも多々あります。特に寝台列車はもっといろいろ乗ってみたかったです。
初の寝台電車特急としてデビューした581系車内。夜間は寝台特急「月光」として、昼間は座席特急「みどり」として活躍しました。座席は引き出すとベッドになる仕様。こういうギミックは、普段の生活に取り入れたら楽しそうですよね。
![・明治時代の客車内](https://halmek.co.jp/media/uploads/5f26d416acebd324625d5136fca60edb1605870972.9032.jpg)
記念館本館に入るとまず目に入るのが明治の客車。明治42年製造の四輪の三等車を復元したもので、なんと客車内の座席は畳でした。
![ヘッドマーク)(13-2写真・佐藤秀一郎さんにお話を聞く](https://halmek.co.jp/media/uploads/b29ff8e7ff85ca56081e9260cf8810791605870993.6282.jpg)
「ここにあるヘッドマーク、本州のものとは少し違うんですよ」
と教えてくださったのは、九州鉄道記念館広報担当の佐藤秀一郎さん。どれもなじみのあるヘッドマークですが、何か違いがあるのでしょうか?
「実は九州のヘッドマークは表面が平らでなく、丸く湾曲しているんです」
言われてみれば、なるほど!確かに丸くカーブしています。「お椀型ヘッドマーク」と呼ばれているそうです。
![鉄道記念館でみられるかつて使われていた駅の備品](https://halmek.co.jp/media/uploads/9b95e7d9934bbccfde09bc3120af09111605871024.9401.jpg)
![鉄道記念館でみられる昔のきっぷ](https://halmek.co.jp/media/uploads/f2b36320f667a4024a91f8bd214eed181605871039.9405.jpg)
展示棚の引き出しを開けると、昔の記念きっぷなどがたくさん並んでいました。きれいだなあ、と熱心に見ていたら「そこに食いつく人は初めてです」と言われてしまいました。昔のきっぷは、デザインも印刷の色もかわいくて、大好きです。さすがに集め始めるとキリがなさそうなので集めてはいませんが……。
![ミニ鉄道公園](https://halmek.co.jp/media/uploads/d0415a98191fcde8f0458c8ca8d9f0111605871099.3386.jpg)
外のミニ鉄道公園では、九州を走るミニ鉄道車両に乗れます。私はいそいそとソニックに乗車。子どもだけでなく、大人が乗っても大丈夫なのです。ただ狭いので、かなり体をかがめないとなりません。小さいけれど、どの車両もよくできています。
門司港レトロを堪能!関門海峡は海の下を歩いて渡れる!
![門司港レトロ観光列車 トロッコ潮風号](https://halmek.co.jp/media/uploads/209e8e921be9a2a02c873c09167d84361605871132.6391.jpg)
さて今度は九州鉄道記念館駅から、門司港レトロ観光列車「トロッコ潮風号」に乗車します。終点の関門海峡めかり駅まではわずか4駅、乗車時間は10分ほど。車内ではアテンダントさんが門司港の歴史や景色をアナウンスしてくれます。
![関門海峡が左手に見えてくる](https://halmek.co.jp/media/uploads/0e8e264b2b8a30dce9bbb051ec816a111605871146.8289.jpg)
終点に近くなり、関門海峡が見えてきました。これから渡ってみたいと思います。
![関門トンネル人道入口](https://halmek.co.jp/media/uploads/a7de27de3bcf97b736cffddf0fda26401605871164.7431.jpg)
関門海峡は本州・下関市と九州・北九州市門司区を隔てる海峡。ここを渡ると言っても、海を船で渡るわけでも、車道を車で渡るわけでもありません。自分の足で歩いて渡るのです。まずは関門トンネル人道入口からエレベーターで地下に降ります。
実は海の下に歩行者専用の道路があるのです。この道路、なんと国道。全長780メートル、門司区側は地下60メートル、下関市側は地下55メートルにあります。以前はレンタサイクルを借りて渡りましたが、自転車も押して行けばOKです。
10分ほど歩いたトンネルの真ん中に、はっきりと福岡県と山口県の県境があります。県境を越えるって、テンション上がりますよね。海の底ならなおさら。門司港に来る度に、つい来てしまいます。この日もヒョイヒョイと、しばし反復横とびをして、何度も県境を越えてみました。
レトロな酒屋「魚住酒店」で角打ちを楽しむ
![門司港にある魚住酒店](https://halmek.co.jp/media/uploads/7a1439949b6677fd74156d646e56573f1605871215.0067.jpg)
運動した後は、お疲れの一杯……ということで、門司港レトロを堪能するため魚住酒店に来ました。「門司港にも角打ちがあるんですよ」と教えてくださったのは、さきほど九州記念館を案内していただいた佐藤さん。角打ちとは、酒屋さんで立ち呑みすること。よく見ると看板には「国鉄九州総局指定店」とあります。かつて国鉄の職員たちが通っていたのでしょうか。
戦後まもなく移転して、現在の場所で営業を始めたという魚住酒店。ビールは後ろの冷蔵庫からセルフサービス。お通しで枝豆を出してくれました。店内は昭和のポスターなどがいっぱい。
ビールで喉をうるおした後は、魚住酒店のオリジナルだという銘柄の日本酒をいただきました。「昔、この辺は花街で、芸者さんもよくお店に来てたのよ」とお話しながら日本酒をついでくださったお母さん。当時は料亭も多く、大変賑わっていたそうです。
入るのにちょっと躊躇(ちゅうちょ)しますが、時が止まったような不思議と居心地がよい空間でした。
門司港のレトロ展望台でイルミネーションを楽しもう
酔い覚ましがてら、門司港の街をお散歩。実は夜の門司港が好きなのです。門司港で一番高い地上103mの門司港レトロ展望台に上ってみました。街のライトアップされた夜景が一望できます。特に11月下旬からは、イルミネーションでさらに彩られるそうです。
![夜の門司港駅](https://halmek.co.jp/media/uploads/44c030a611826fa98a36b4eeb8336ed21605871272.6896.jpg)
門司港駅も夜に見ると雰囲気がまるで違います。みんなの九州きっぷで駅も自由に出入りできるので、ホームにも入ってみました。誰もいないホームで列車が静かに待っています。辺りに聞こえるのは列車のかすかなエンジン音のみ。しばし私も風景の一部になりました。
宿泊は、Go To でお得だったプレミアムホテル門司港に
今日泊まるのは、プレミアムホテル門司港。建築界の巨匠アルド・ ロッシが手掛けたデザイナーズホテルです。窓からの夜景に、思わずコンビニで買ってきたスパークリングワインで乾杯してしまいました。言い訳すると、私が行った10月初旬の門司港では、地域共通クーポンが、まだコンビニ1店でしか使えなかったのです。現在は、ランチをいただいたみかど食堂の他、飲食店でも使えるところが増えました。
![プレミアムホテル門司港の朝食に乾杯](https://halmek.co.jp/media/uploads/fabef5ac1e02fdbdf8af03db6d869c881605871317.7545.jpg)
プレミアムホテル門司港の朝食。本来ならビュッフェですが、現在は、それぞれのアクリルパーテーションの向こうから手渡してくださるスタイル。オムレツは目の前で作ってくれます。なんと、スパークリングワインも置かれていました。はい、迎え酒です……。
ちなみにホテルの朝食は、クーポンでの支払いができました。
小倉駅で観光するなら!松本清張の記念館がおすすめ
今日はまず小倉駅に向かいます。駅前には北九州ゆかりの漫画家・松本零士先生のキャラクター、メーテルや鉄郎、キャプテンハーロックの銅像などがあります。これから松本零士先生……ではなく、松本清張先生の記念館に行こうと思います。
松本清張先生といえば「点と線」「砂の器」など鉄道をモチーフにしたミステリーを数多く書かれています。私は鉄道ファンである前にミステリーファンだったので、それらを読んではいましたが、時刻表が読めるようになってから、より深く理解できるようになりました。松本清張記念館は、松本作品をある程度読んだ方なら楽しめる内容。
写真撮影は禁止でしたが、手書きのメモや当時を知る資料など数多く展示されていました。
そして記念館から小倉城はほぼ隣。せっかくなので天守閣まで行ってみました。
駅から記念館までを歩いて往復してしまったので、すっかりお腹がすきました。小倉といえばうどん。駅の立ち食いうどん「ぷらっとぴっと」でかしわうどんを食べました。甘いつゆに甘いかしわ肉、やわらかめのうどんは、北九州に来ないと食べられない味です。
特急ソニックに乗って移動!内装にも注目を
さて、小倉から鳥栖駅への移動は特急ソニックで。昨日ミニ鉄道公園で乗ったミニ特急ソニックの本物です。特急ソニックには青いソニックと白いソニックがあり、外見も内装も違います。個人的に外見は丸型の白いソニック、内装は青いソニックが好きです。
青いソニックの座席のヘッドレストは動物の耳のような形をしています。ロールカーテンもかわいいですよね。号車によって座席の色が違うんですよ。
駅弁大会でも人気!折尾駅の東筑軒「かしわめし」
到着したのは折尾(おりお)駅。こちらで駅弁の立売をしている小南英之(こなみ・ひでゆき)さんにお会いしました!
東筑軒のかしわめしは小倉駅や駅弁大会で何度も買っていますが、小南さんから直接買うのは初めて。列車が到着するたびに通る声で「弁当〜お弁当〜♪」と歌い舞うように駅弁を売る小南さん。見ていると常連の方や、地元の高校生が挨拶していきます。列車の窓が開かなくなり、直接のコミュニケーションが減っていく中、今では希少となった駅弁の立売は、地元に根ざした重要な役割なのだと認識しました。
![東筑軒のかしわめし](https://halmek.co.jp/media/uploads/4dbaf78a99e6f38bbc0774bb2e6a3b3f1605870447.7513.jpg)
ところで「かしわ」とは鶏肉のことです。西日本の一部ではそう呼ばれています。東筑軒の「かしわめし」は、甘く煮付けられたかしわ肉と鶏出汁で炊き込まれたご飯が、もうたまらなくおしいのです。いくらでも食べられそうな味に後ろ髪ひかれながら、また小南さんに会いに来ることを約束し、折尾駅を後にしました。
おいしい食べ物や素晴らしい風景はもちろんですが、人を軸にすると旅はより豊かになる気がします。
2日めのルートはこちら!
みんなの九州きっぷの発売期間は〜2020年12月23日まで!(利用期間は〜27日まで)
☆本記事に記載されている写真や本文の無断使用・ 無断転載を禁じます。また掲載情報は取材時点のものであり、最新の情報は施設等へお問い合わせください。
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