今こそ知りたい50代からのデリケートゾーンの話#4

フェムケアQ&A|下着に擦れてかゆ痛い!対処法は?

公開日:2023.11.19

50代からのデリケートゾーンケア連載第4回からは、読者のよくあるお悩みにお答えしていきます。今回は、下着があたって擦れてかゆい、痛いというお悩みに、医師の石山尚子さんとメノポーズカウンセラーの吉川千明さんがお答えします。

教えてくれた人のプロフィール

産婦人科医・石山尚子さんのプロフィール

 

石山尚子(いしやま・なおこ)さん。日本産婦人科学会専門医。富山大学附属病院および関連病院勤務を経て2007年より女性医師・スタッフによる女性のためのクリニック、対馬ルリ子 女性ライフクリニック 銀座に勤務。21年より院長に。

吉川千明(よしかわ・ちあき)さん  
美容家・オーガニックスペシャリスト・認定メノポーズ(更年期)カウンセラー。コスメのみならず、食や植物療法などナチュラルでヘルシーな女性のライフスタイルを提案。近年は更年期ケアの専門家として、女性の健康啓発を行う。

石山尚子さんの回答「更年期以降、不快な症状が生じやすくなります」

石山尚子さんの回答「更年期以降、不快な症状が生じやすくなります」

更年期以降、女性ホルモンの分泌が減ることで、膣の粘膜やデリケートゾーンの皮膚が薄く なり、柔軟性が失われ、乾燥や萎縮、たるみなどの変化が起こります。そのため下着や尿、 おりもの、汗やナプキンなどの刺激でかゆみや痛みなど、不快な症状が生じやすくなります。

かゆみや痛みの治療法は

まずは下着やナプキンの素材や洗濯用洗剤を見直してみましょう。またデリケートゾー ンを洗浄する際は、専用の洗浄剤を使った優しく洗い、保湿を行ってください。

そして症状が良くならない場合や、繰り返す場合は細菌性胞症やカンジダ外陰炎、性感 染症などの可能性もありますので、婦人科を受診してください。

尚、女性ホルモンの分泌低下が原因と考えられる場合は、ホルモン補充療法(HRT) が有 効です。HRT で投与するには内服薬や経皮薬 (貼り薬やジェル)、膣錠や注射など多くの 種類があり、保険が適応されます。

また、デリケートゾーンの皮膚や粘膜の再生を促し、不快な症状を緩和するレーザー治 療を受ける方も最近増えています。
人に話しづらいことかもしれませんが、多くの方が同じような悩みで受診されています。 それぞれの方に合った対処法を提案できると思いますので、気軽に婦人科専門医にご相談 ください。

吉川千明さんの回答:保湿をしっかり。下着も検討してみて

吉川千明さんの回答:保湿をしっかり。下着も検討してみて


かゆみや痛みはそれぞれクリニックに相談すれば、今や対処法はいろいろとあります。まずは、自分で正しい洗浄と保湿を毎日心掛けましょう。それだけでも続けていればかなり改善されるはずです。

この連載の第2回第3回で、デリケートゾーンの洗い方・保湿方法をお伝えしているのでそちらをチェックしてみてくださいね。

他にも、ショーツを変えることを検討してみてはいかがでしょうか。閉経後はどんどん肌が繊細になるので、シルクやコットンなどの自然素材のものがおすすめです。化学繊維だとかゆくなってしまう人もいると思います。

意外とかゆくなる原因になるのが、レースです。肌に当たる部分はコットンでも、使われていることがあると思います。

また、ショーツの形も食い込まないものを選ぶといいでしょう。私は、ふんどし型のショーツを10年近く愛用しています。巻き込みが嫌な私にぴったりの一1枚です。

閉経後は体の肉付きも変わってきます。なかなか出合えないかもしれませんが、自分に合ったショーツを探してみてくださいね。

若い頃は何でも受け入れられるほど体も肌も丈夫。でも、50代からは物選びがとても大事で、こだわっていきたいところです。

■もっと知りたい■

中尾 慧里さん

なかお・えり 1966(昭和41)年生まれ。美容ライター。長年の業界経験と50代の実感を生かして、女性誌やWEBで美容に関する記事を執筆。時に体当たりルポも。また、コスメ開発のコンサルティングなども手掛ける。

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