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- 帯状疱疹を予防する!かかりやすいのはどんな人?
更年期以降の女性は特に注意したい「帯状疱疹」。過労やストレスなどで免疫が低下していると発症しますが、予防できる病気です。まずは「帯状疱疹危険度」を今すぐチェック! ワクチンを受けたり、毎日の生活で免疫力を高めたり、予防と対策をしましょう。
水疱瘡ウイルスが活性化して「帯状疱疹」に
最近、帯状疱疹を発症する人が増えています。50歳以上では、コロナ禍前に比べ15%も発症する人が増えたとか。帯状疱疹……よく聞く病名ですが、いったいどんな病気なのでしょうか。
「子どもの頃に水疱瘡にかかると、たいがいは1週間くらいで症状がおさまります。でもウイルスは体からいなくなるわけではなく、長年体内に潜んでいます。その水疱瘡ウイルスが何かのきっかけで再び活性化して、皮膚に水疱を作る病気が帯状疱疹です」と話すのは、大阪なんばクリニック院長の森本昌宏さん。
水疱瘡ウイルスが再び活性化してしまうのは、加齢、不規則な生活、過度の疲労などが原因と考えられています。
そして実は、新型コロナウイルスも大きく影響しています。
「新型コロナに感染すると、免疫細胞が大きなダメージを受け免疫力が低下します。また、長いコロナ禍で外に出られない、人と会えない、働き方や家族との生活が大きく変わった……などによるストレスでも、免疫力は低下してしまっているのです」
帯状疱疹危険度チェック
ここで、あなたの帯状疱疹危険度をチェックしてみましょう。いくつ当てはまりますか?
▢50歳を超えている
▢子どもの頃、水疱瘡にかかったことがある
▢ケガや病気をした後である
▢新型コロナに感染したことがある
▢糖尿病である
▢疲れが取れない
▢運動不足である
▢食事のバランスはあまり考えず好きなものを食べている
▢十分に睡眠が取れていない
上にあげた項目に5つ以上当てはまるなら、今後、帯状疱疹にかかる危険度は大! 今回の記事を参考に、早めの予防と対策を心掛けましょう。
帯状疱疹ってどんな症状?かかり始めのサインと怖い慢性痛
皮膚のかぶれと勘違いする人も
「まず、ピリピリとした痛みを感じます。皮膚は赤くもなんともありません。痛みを感じた2〜3日後、遅い人で1週間後くらいに赤いブツブツが出てきます。痛くてたまらないので、最初の数日の間に鎮痛用の湿布薬を貼って、剥がしたときにブツブツに気付き、『湿布にかぶれたのか?』と勘違いしてしまう人も結構います」(森本さん)
さらに怖い!激痛をともなう「帯状疱疹後神経痛」
赤いブツブツが出やすいのは目の上やおでこ、脇の下から乳首のあたりにかけて。お腹や太ももなどに出ることもあります。「帯状」と呼ばれているように、帯のようにぐるりとカラダの半周に広がります。
「ブツブツは一つの兆候ですが、病気の本体ではありません。赤い水泡は治りますが、問題はダメージを受けた神経に障害が残って、1〜3か月後くらいに『帯状疱疹後神経痛』(PHN)という慢性痛(神経障害性疼痛)を引き起こすことです」
これは「焼け火箸をカラダに突っ込まれた」くらいの激痛というから恐ろしい! そうなる前に神経痛によく効く痛み止めの薬を飲んだり、神経ブロック治療を行ったりすることが有効と、森本さんは言います。
帯状疱疹にならないために!今日からできること
帯状疱疹を発症した人が、PHNに移行する確率は、年齢とともに高くなります。50代以降で発症したら、早い時期にペインクリニックを受診しましょう。ペインクリニックでは、痛みのある神経付近に局所麻酔薬を注射して痛みを抑える、神経ブロック治療が受けられます。森本さんのクリニックには、帯状疱疹のブツブツが治って1年以上たってもまだ痛みが収まらない、と訪れる患者さんもいるそうです。
50代以降は受けたい!帯状疱疹ワクチン
「帯状疱疹にならないためにはまず、『帯状疱疹ワクチン』を打って、予防することが大切です」と森本さん。現在、ワクチンは生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。接種はいずれも自費で、生ワクチンは7000円程度で1回接種、不活化ワクチンは2回の接種が必要で計4万円程度です。クリニックにより取り扱いのワクチンに違いがあるため、予め確認しておきましょう。
「確かに高価ではありますが、長く痛みに苦しまないために早めのワクチン接種をおすすめします」(森本さん)
冷え対策も大切!毎日の生活で免疫力を高める
次に大切なのが、免疫力を高める生活をすること。バランスの良い食事を心掛けて、睡眠をしっかり取りましょう。ウォーキングなど軽い運動習慣をつけて、腸内環境を整えることも大切です。
「シャワーで済ませずにぬるめのお湯によく浸かって体を芯から温めましょう」(森本さん)
長引くと、やっかいな痛みをともなう帯状疱疹。できることならこれから先もかからずに過ごしたいもの。今からできる対策を実践して、しっかり予防しましょう。
教えてくれたのは、森本昌宏(もりもと・まさひろ)さん
大阪なんばクリニック院長。クリニック内の「痛みの治療センター」センター長。大阪医科大学大学院修了、医学博士。日本麻酔学会専門医、日本ペインクリニック学会専門医、日本東洋医学会漢方指導医。
■大阪なんばクリニック
2018年開院。消化器内科・循環器内科・内科・婦人科・脳神経外科・整形外科・陽子線外来に加えて「痛みの治療センター」を併設。さまざまな痛みを専門医が診断して、その痛みに応じた適切な治療法を提案している。
「痛み治療センター」では東洋医学的治療とレーザー治療も併せて行う。長年にわたって痛みを訴える患者が全国から訪れている。
大阪市中央区難波5−1−60 なんばスカイオ9階 電話06-6648-8930
https://osakanamba-cl.com/
※この記事は2023年5月の記事を再編集して掲載しています。
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