コロナ禍の運動不足に効果的

夏のウォーキングはここに注意!熱中症・夏バテ対策も

公開日:2021/06/04

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手軽に始められるウォーキングは継続こそが大事。特に新陳代謝の落ちる夏は、ウォーキング効果で夏バテ予防も期待でき、ぜひとも続けたいものです。でも、これからの季節、熱中症などが心配ですよね。そこで、夏のウォーキングの注意点などを紹介します。

夏のウォーキングはここに注意!
夏のウォーキングの注意点

心も体も健康に!ウォーキングの効果

心も体も健康に!ウォーキングの効果

有酸素運動であるウォーキング。ランニングよりも膝を始めとした体への負担が少なく、継続しやすい運動の一つです。ウォーキングの効果は数多くありますが、そのうちの代表的なものを紹介します。

体の健康維持に効果あり

ウォーキングはそれほど激しい動きではなく、比較的、長時間の継続的な運動ができるため、脂肪をエネルギーとして燃焼しやすくなります。

そのため、体脂肪や血中の中性脂肪の減少、血流アップによる血圧や血糖値の改善、心肺機能の改善なども見込まれます。

また、日光に当たり、適度な運動をすることは、ビタミンDを作り出すことにつながります。ビタミンDはカルシウムの生成を促し、骨を強くする効果があるため、ウォーキングをすることで骨粗鬆症の予防にもなります。

こうしたさまざまな効果から、ウォーキングは健康維持に最適と言えます。

ダイエットに最適 

また、ウォーキングはダイエットにもおすすめの運動です。

脂肪の燃焼には有酸素運動をする必要があります。動きの激しい運動はカロリーの燃焼も多くなりますが、その分、膝などに負担がかかりますし、体力が落ちがちな夏場から始めるのには適していません。

そこで、ウォーキングで緩やかに燃焼しやすい体を作っていきます。緩やかと言っても、脚や背中、お腹、腕などをしっかりと意識して動かすことによる筋力アップはかなりのもの。

例えば、太ももをすり合わせるようにして歩くことでヒップアップ効果が、腕を後ろに振ることで二の腕から背中にかけて引き締め効果があるなど、下半身だけでなくシェイプアップが期待できます。

認知症の予防に

脳が正しく活動するためには十分な血流が欠かせません。それは、高齢者やアルツハイマー型認知症の人の大脳皮質や記憶を司る海馬では、そうでない人に比べて血流の低下が見られるという指摘からもわかります。

東京都健康長寿医療センターの研究によると、歩くことで海馬の血圧と血流は増加するため、認知症の予防に効果的である可能性があるそう。

なお、認知症予防の観点から言うと、血圧があまり上がらない程度の運動のほうが効果があります。そのためには早めの速度ではなく、ゆっくり歩く必要があります。健康やダイエット目的とは異なり、認知症予防としてのウォーキングは、のんびり歩くようにしましょう。

心の健康にも期待

身体面だけではなく、精神面でもウォーキングは効果が期待されています。

うつ病など心の病の原因の一つがセロトニン不足ですが、太陽の光を浴び、「リズム運動」をすることで、セロトニンの分泌を促せます。この「リズム運動」の一つが「歩行」=ウォーキングです。

歩くことに集中し、リズミカルなテンポで歩くことでセロトニンが活性化します。ただし、疲労はセロトニンの分泌を抑制してしまうので、5分から30分ほどの時間にとどめておきましょう。

週末だけでも大丈夫

ウォーキングは毎日継続的に行うことが理想とされていますが、週末にまとめて運動しても死亡リスクが減るというデータもあります。

シドニー大学などの研究チームによる調査では、1週間のうちに合計で150分間の中強度の運動、または75分間の高強度の運動を1~2回行っている人は、全く運動をしていない人に比べて、総死亡リスクが30%も低くなりました。

毎日継続的に運動している人の総死亡リスクは、運動していない人に比べて35%低くなっているとのこと。週末だけ実施している人との差は5%程度と、それほど大きな開きがあるとは言えません。毎日できないからと諦めるのではなく、「週末だけでもやったほうが良い」と言えそうです。

特に梅雨時や暑さが本番を迎える夏場は、無理して毎日続けるよりも、天候の良い日や涼しい時間帯を狙ってまとめて運動する方法に切り替えるのも良さそうです。

こんなにある!夏場のウォーキングのメリット

こんなにある!夏場のウォーキングのメリット

これからウォーキングを始めるにあたって、「無理して今から始めずに、涼しくなる秋からにしようかな」と思う人もいるかもしれません。確かに無理は禁物ですが、一方で夏前から始めるメリットもあるので、紹介します。

暑い日々を乗り越える「夏バテ予防」

夏バテには、冷たい物の飲み過ぎや熱帯夜続きでの寝不足など、さまざまな原因があります。そのうちの一つが、暑い外と冷房の効いた室内を行き来したり、ずっと冷房の中にいることで体温調節機能が低下して起こる、自律神経の乱れによるもの。

自律神経は、適度な運動をして汗をかくことで活発化されるため、中強度の運動となるウォーキングがおすすめです。

早めのスタートが吉「暑熱順化」

人の体は、夏に向けて徐々に暑さに慣れていこうとします。具体的には、汗をかきやすい状態になり、皮膚血管を拡張させて体の表面から熱を逃がしやすくします。これを「暑熱順化(しょねつ・じゅんか)」と言います。

でも、いきなりこの体温調節機能が働き出すわけではなく、徐々に暑くなっていく中で体の準備が進んでいきます。「暑熱順化」がうまく機能しないと熱中症にかかるリスクが高まるため、とても大切な準備なのです。

この「暑熱順化」をスムーズに進めていくのに最適なのが、意識的に汗をかくことです。ウォーキングは、環境省も推奨する「暑熱順化」の方法の一つ。夏前からウォーキングを習慣にすると、体力維持とともに自然と暑さに強い体作りができるので、おすすめです。

太らない体づくり「基礎代謝アップ」

「夏痩せ」ならぬ、「夏太り」なんて言葉がありますが、これは、1年のうちで夏が最も基礎代謝が低いことに由来しています。

基礎代謝は、人が生きていくために最低限消費されるエネルギーのことで、性別や年齢によって消費されるエネルギー量は異なります。さらに外気温によっても左右され、冬は体を温めるためにエネルギー消費が増えますが、夏は減ってしまいます。

基礎代謝量が低いままでは、エネルギー消費が進まず、太りやすくなってしまうのです。夏前に継続的な有酸素運動を始めることで、基礎代謝量をアップできます。

効果をアップさせる、夏場のウォーキング方法

効果をアップさせる、夏場のウォーキング方法

「1日1万歩も歩かなくていい」。これは夏場に限らず、近年のウォーキングの定説です。

この説を唱えるのは、『やってはいけないウォーキング』(SB新書)の著者である青栁幸利さん(東京都健康長寿医療センター研究所)。群馬県中之条町に住む65歳以上の全住民5000人がモニターとなり、15年に渡って続けた研究結果から、1日1万歩も歩かなくても健康維持が可能であることを導き出しました。

それでは、ウォーキングのコツとはどんなものでしょうか。四季を問わないコツと、夏ならではのコツを紹介します。

効果的な歩き方とは

青栁さんの著書によると、健康面を考えるなら歩数は8000歩でOKだとか。ただし、ウォーキング中20分は中強度の運動を取り入れます。具体的には、「なんとか会話ができる程度の早歩き」です。この中強度の運動を挟むことでウォーキングの効果が高まります。

早歩きするときのポイントは、以下の3点です。

  1. 背すじを伸ばして腕を大きく振る
  2. なんとか会話できる程度の速さで歩く
  3. 膝が伸びるくらい大股で歩く

なお、脂肪が燃焼を始めるのは運動開始から20分経ってからなので、ダイエット的にもよさそうです。

持ち物&ウェアをチェック

夏のウォーキングに必須なのは、暑さ対策と紫外線対策のグッズです。

吸汗速乾性に優れたポリエステル素材などのウェアに、帽子は必須です。シャツやパンツは、半袖とハーフパンツが一般的ですが、直射日光を避けるために長袖を着ることも選択肢に入れてみてください。直接、太陽が当たらないだけで、意外なほど涼しく感じます。

ウォーキング時は、なるべく体を締め付けない服装にしましょう。体をきつく締め付ける下着や動きにくいウェアは、呼吸やスムーズな歩行の妨げになります。

また、水分補給用の塩分も含んだスポーツ飲料や、汗を拭くタオル、休憩中に風を送れるように扇子などもあると快適です。これらの小物を入れておけるスポーツバッグがあると、両手が空いて便利です。

ウォーキングに最適な時間帯って?

ウォーキングに適した時間帯は、早朝が良いという説もあれば、代謝が上がる夕方のほうがダイエット効果が高いといった説など、諸説あります。しかし、熱中症などのリスクが高い夏場は、暑さ対策を優先して考えたほうが良さそうです。

真夏は朝も早くから気温が上がり、夕方になっても熱気が残ることがあります。日によって運動しやすい涼しい時間帯を選びましょう。日が暮れている場合は、反射バンドやライトを身に着けると事故防止につながります。

真夏のマスクに注意して、安全なウォーキング

夏にマスクを着けての運動は、ときに危険です。周囲に人がいないようなら、マスクを外して歩きたいものです。人が少ない時間帯、ルート・休憩場所などを割り出し、自分なりのウォーキングのコースを作りましょう。

でも、遅い時間帯や人気のない場所を選ぶのは、セキュリティ的な意味であまりおすすめできません。どうしても通り過ぎる人が多いルートを使う場合は、誰もいないときはマスクを顎にかけておき、人とすれ違うときだけかけられるようにするなどの工夫も必要です。

休憩時も、呼吸が荒い状態ですぐにマスクをかけてしまうと苦しくなる可能性があるので、呼吸が落ち着くまでマスク無しでいられるスペースを確保して休憩しましょう。

そして、家族やウォーキング仲間と歩くときも、おしゃべりはできるだけ避け、歩くことに集中するようにします。

知っておきたい、夏のウォーキングの注意点

知っておきたい、夏のウォーキングの注意点

これまで紹介してきたウォーキングの効果を考えると、気温が上がる真夏もウォーキングは続けていきたいものです。でも、夏のウォーキングには注意したいことがいくつかあります。次の注意点を意識して、安全なウォーキングをしてください。

熱中症

夏のウォーキングで一番気を付けたいのが熱中症です。気温はもちろんですが、湿度もしっかりとチェックします。湿度が高いと汗をかきにくくなり、体温調節がしにくくなるためです。

環境省が発表する「暑さ指数」や「熱中症警戒アラート」などを確認し、無理のない範囲で運動しましょう。

なお、これらの指数やアラートは、「熱中症予防情報サイト」で確認できます。メール配信サービスもあるので活用してください。

紫外線

春先から真夏にかけての紫外線は強力です。日焼け止めはもちろんのこと、できるだけ日陰の多いルートを選んで、UVカット加工の施されたマスクやウエアなどで紫外線対策をしましょう。

なお、日焼け止めは塗った直後より、少し時間が経ったほうが効果が高いため、ウォーキングの30分前には塗っておくようにします。

体調管理

ウォーキングをしている最中に、頭痛や吐き気、めまいなど、熱中症が疑われるような症状や少しでも体調不良を感じたら無理せず、お休みしましょう。

また、いつもより汗をかく、反対に汗が全然出ない、疲れやすいといった普段と違う体の変化を感じたら、すぐにウォーキングを中断して、涼しい場所で休憩します。状況によっては、バスやタクシーで帰ることも選択肢に入れておきましょう。

ウォーキングは健康維持や体力アップ、病気の予防などに効果的な運動ですが、体調不良を起こしては本末転倒です。夏の間は無理せず、涼しい時間を選んで「できる範囲で続ける」心構えがちょうど良いかもしれません。

体調に気を付けて、楽しいウォーキングライフを送りましょう。

監修者プロフィール:長坂靖子さん(日本ウォーキングセラピスト協会代表理事)

長坂靖子さん

ながさか・やすこ 日本ウォーキングセラピスト協会代表理事として全国80か所以上の教室で活動。1990年、準ミスワールド日本代表。 美と健康をテーマに幅広く活動し、日常で簡単に取り入れる姿勢維持法・ウォーキング法を、書籍をはじめ各種メディアで発信中。社団法人セカンドキャリアプロジェクト理事として、女性のセカンドキャリア就職の支援にも力を入れている。http://imprex.jp/

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