【医師が解説】50代女性のうつの症状と認知症リスク
2024.01.222020年04月06日
「50代うつ」を防ぐ&治す・3
うつは5段階でしっかり治す!回復へのロードマップ
50代女性にとって身近なうつ病。この特集では、うつの原因・予防・治療法を医師が解説します。うつを治すには、しっかり治療を受けることが必要。治療の柱は薬の服用・運動・心理療法です。「回復へのロードマップ」を手掛かりにクリアしていきましょう。
うつの症状&診断基準をチェック!
治療の話をする前にまず、うつの診断基準をおさらいしておきましょう。うつには大きく9つの症状があります。
▼うつ症状の9項目
1.気分が落ち込む、悲しい
2.興味がわかず、楽しめない
3.疲れやすく、気力がわかない
4.食欲不振、または食欲過多
5.眠れない、または寝過ぎる
6.自分に価値がないと思う
7.頭が回らない、集中できない
8.そわそわする、または動作が遅い
9.死にたいと思ってしまう
最初の2項目のどちらか1つでも該当し、残りの項目も合わせて、全部で5項目以上に当てはまる状態が2週間以上続いた場合、うつと診断されます。
うつ病は、薬を飲んだからといってすぐに治るという病気ではありません。人によっては治療に何年もかかる場合もあります。
そのため「本当に治るのか」と不安になったり、薬をいつまで続けるべきか悩んだりする人も多いもの。治療に前向きに取り組むためにも、今がゴールまでどのくらいの位置なのかを、しっかり把握することが大切です。
うつの治療は、季節&田んぼに例えて考える!
うつの治療に詳しい、川村総合診療院院長の川村則行さんは、発症から治るまでの期間を、“冬”から“実りの秋”までの5段階に分けて、田んぼに例える「田んぼ理論」を提唱しています。
「田んぼに置き換えて考えると、複雑な脳の中の状態が理解しやすいのです」と川村さん。
例えば“冬”は最もつらい時期。上記のうつ症状の9項目のう...