運動嫌いな人にもおすすめ!ショーツで骨盤底筋ケア
2023.12.062024年09月03日
はくだけで骨盤底を意識できる仕組みと効果とは
50代ちょい漏れ対策・医師も推薦するショーツって?
さまざまな骨盤底ケアグッズの中でも特に手軽に始めやすいのがショーツでのケア。「“ちょい漏れ”が気になるけれど、何からやればよいかわからない」そんな方にぴったりの方法です。骨盤底をケアするショーツの仕組みや効果を、泌尿器科医が解説します!
教えてくれた人:関口由紀(せきぐち・ゆき)さん
女性医療クリニックLUNAグループ理事長
1989年、山形大学医学部卒業。横浜市立大学医学部泌尿器科等を経て、2005年に横浜元町女性医療クリニック・LUNAを開設。現在、女性医療クリニックLUNAグループ総帥として、横浜に女性医療専門クリニックを展開。女性がいくつになっても元気できれいであることをサポートすることに尽力。
「骨盤底」が衰えるとどうなるの?
骨盤底とは内臓を支える、一番底にある分厚い層のこと。恥骨から尾骨の間にあり、ひし形のプレート状になっています。骨盤底筋群・靭帯・筋膜・皮下組織などで構成されています。
この骨盤底が衰える原因は妊娠・出産のほか、加齢による筋力の低下と女性ホルモンの減少が大きいと関口さんは言います。
「筋肉は、40歳を過ぎて運動習慣がないと全身レベルで落ちてきます。それだけでは自覚症状は出ませんが、50歳を過ぎて女性ホルモンが減少してくると筋肉に加えて粘膜や皮下組織の萎縮が進むことで自覚症状がはっきり出てきます。
具体的には尿漏れ、頻尿、再発性膀胱炎、フェムゾーン(デリケートゾーン)のかゆみ・痛み、性交痛などの症状が激増してしまうのです。
骨盤底の衰えは放っておくとどんどん進行してしまいますが、骨盤底ケアは何歳からでも遅くはありません! ぜひ早めに対策しましょう」
「ショーツで骨盤底ケア」その仕組みとは
大切な骨盤底を守るために、専用のサポートショーツでケアをするという方法があります。これらのショーツによく見られる一番の特徴は、引き上げ機能のある生地が股部分に付いていることです。
「骨盤底は、普段なかなか意識することのない部位。まず骨盤底がどこなのかを知り、『ここが骨盤底だな』と自覚することがケアの第一歩です。
専用のサポートショーツは股部分がハンモックのような構造になっていて、サポート部分がちょうど骨盤底にフィットします。常に骨盤底の部分が引き上げられる感覚でいられ、『ここが骨盤底だな』と自覚しやすくなるのです」と関口さんは話します。
ショーツによっては骨盤を引き締めるサポートが付いたものも。
「骨盤まわりを左右からやさしく引き締めてあげるサポート付きのショーツなら、下半身が自然にシャキッとして骨盤底に負荷をかけないよう助けてくれますよ。正しい姿勢と骨盤底を意識して、肛門をキュッと締めて立って腹式呼吸をするだけで、骨盤底は刺激され排泄のトラブルの予防になります」
「骨盤底を意識できるようになったら、少しずつ骨盤底筋トレーニングも取り入れていきましょう」と関口さん。まずはショーツで骨盤底を意識することから始めて、併せて運動も行うことで効果が表れてくるそうです。
「実際に試してみました!」その結果は……?
「50代に入ってから、くしゃみをしたときに少しもれることがあったんです」と振り返るのは、サポートショーツ愛用歴2年半の後藤美保さん(58歳・取材当時)。
「以前は骨盤底がどこなのかすらわからなかったのですが、ショーツをはき始めてからは骨盤底を意識することがクセになりました。股部分にサポートがあるから、ふとしたときに骨盤底に意識が向くんです」と後藤さん。
「骨盤底を鍛えるのにいいと言われる『キュッ』と引き締めたり緩めたりする運動も、サポートショーツをはきながら日常生活のちょっとした合間で行っています。ショーツのサポートがあるおかげで、こういった運動も自然と習慣になっていきました」
ショーツでのケアを始めて、運動も習慣にしていったという後藤さん。今ではくしゃみでもれてしまうことも減ってきたそうです。
骨盤底を守ることは、将来のQOL(クオリティ・オブ・ライフ。生活の質)を守ること。骨盤底ケアの第一歩として、まずはショーツでのケアを始めてみませんか?
取材=田中里芳、文=日和佐希志乃(ともにハルメク インナー編集部) 撮影=大嶋千尋、宮村次郎、福井和宏 イラスト=CHINATSU、徳丸ゆう