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- 心臓病患者を救う!再生医療による画期的治療法
心臓病の中でも特に治療が難しい重症の「心不全」。この治療法として注目を集めているのが、再生医療を用いた「心筋シート治療」です。世界で初めて実用化された画期的な治療法の開発の経緯や仕組みについて、さらに詳しく医師の澤芳樹さんにお聞きしました。
教えてくれた人:澤芳樹(さわ・よしき)さん
1955(昭和30)年、大阪府生まれ。大阪大学大学院医学系研究科特任教授、大阪警察病院院長。心臓外科医。80年、大阪大学医学部卒業。同大学医学部心臓血管外科主任教授などを経て、2021年から現職。心不全の新たな治療法として世界で初めて心筋再生医療を実用化。日本胸部外科学会理事長なども務める。
iPS細胞に着目して課題を克服
心臓外科医の澤芳樹さんらが1990年代後半から研究を始め、2007年には世界初の人への応用に成功した「心筋シート治療」。この画期的な治療法は大いに注目を集めました。
ただし課題もありました。筋芽細胞の採取と心筋シートの貼り付けで2回の手術が必要なこと、人によって効果にばらつきがあることなどです。
そこで澤さんらが次にトライしたのが、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って心筋細胞そのものを作ることでした。
iPS細胞は体のさまざまな組織に成長できる万能細胞。京都大学の山中伸弥(やまなか・しんや)さんが作製に成功し、2012年にノーベル賞を受賞しました。澤さんらは山中さんと共同研究を開始。iPS細胞から安全性の高い心筋細胞をシート状に大量培養することに成功しました。
iPS細胞を利用した心筋シートで弱った心臓を回復
それにしてもシートを貼り付けるだけで、なぜ心臓の機能が改善するのでしょうか。
「一人の患者さんに...
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