ラクに動ける体に!今日から始めるきくち体操#3

菊池和子さん「コロナ禍で弱った体を戻すためには」

菊池和子さん「コロナ禍で弱った体を戻すためには」

更新日:2023年09月29日

公開日:2023年08月30日

歩く姿が美しい、きくち体操創設者・菊池和子さんもコロナ禍では、気持ちも体も弱っていたと話します。体に意識を向け続けてきた菊池さんが、弱った体を戻そうと一歩を踏み出したときに悟ったことがあるそう。それは何だったのでしょうか。

菊池和子さんのプロフィール

きくち体操創始者・菊池和子さん

 

きくち・かずこ
1934(昭和9)年生まれ。体育教師を経て「きくち体操」を創始し、以来50年以上、毎日の授業、ラジオ、テレビ、講演などを通して指導にあたる。

きくち体操とは?

きくち体操は、形、回数を目標にして動かすのではなく、脳で自分の体を感じ取って動かします。「体は、あなたの命そのもの。今日から一緒に動かしましょう」(菊池和子さん)

コロナ禍で悟った“歩くことの大切さ”

靴

足については今までもいろいろお話ししてきました。

でも86歳(※取材当時)にして気が付くこともあるのです。この頃私は、腰に違和感を感じており、きちんとした姿勢がなかなか取れませんでした。家の中で「足首回し」や「腹筋」といった動きは、様子を見ながら行って、弱らせない努力は日々続けていたのです。

折しも、新型コロナの影響で電車に乗ることを控えていたおかげで、外を歩く機会がめっきり減ってしまいました。ある日、 このままではダメだ!本当に歩けなくなってしまう、と意を決して、外に出てみました。そうはいっても、自分の体と相談しながら毎日動かしていましたので、歩こうと思ったときにはスッと歩けると思っていたのです。

ところが、3歩も歩かないうちに、足の裏が、全身の重みを受け止めているのがよくわかりました。脳がジーンとして、足の指先までじんじん血が流れて、パーンと張ったようになりました。きっと血管も弱っていたのですね。足の裏がハッキリとしたのが忘れられません。家の中を歩いていたのと全然違っていました。そして悟ったのです。

「いくら足首を回したり、足の指を引っ張ったりしても、十分じゃない。足の裏に自分の体重をかけて、足の裏を感じ取りながら歩かないことには、足に本当の力はつかないんだ」と。

歩ける体に戻すんだ!という強い思いで歩く

歩ける体に戻すんだ!という強い思いで歩く

普通に歩いたら30分かかる神社を目標に歩き始めたのですが、10メートルも行かないうちに腰の違和感が強くなり、もう無理かもしれない、と弱気になりました。それくらい足に力が入らなかったのです。座りたい、休みたい、帰りたい。途中で何度も思いましたが、私を支えたのは、歩きたい!歩ける体に戻すんだ!という強い思いでした。

幸い?喫茶店も開いておらず、休むわけにもいかず、ゆっくりと倍以上の時間をかけてたどり着きました。本当にうれしかった。がんばってくれた体への感謝の気持ちが止まりませんでした。

帰り道は、「小指が疲れてきたわね、少し休もうか?」「おなかを引いてみたら、もうちょっとがんばれそうね」と体のあちこちと話し合いながら、家にたどり着くことができました。

1万歩を目指すよりも大事なのは体との会話

1万歩を目指すよりも大事なのは体との会話

私はいつも生徒さんたちに「脳と体をつないでね」と言いますが、それはこんなふうに体と会話ができるようになるためです。1万歩を目指すことよりも、自分の体がどんな状態なのかを感じ取れることの方がよほど大事です。足首回しや足の指を伸ばすことなどは、足の裏の感覚を脳がハッキリ感じるための準備なのです。

次回は、歩く上でとても大切な足の小指を確認してみましょう。


取材・文=岡島文乃、井口桂介(ともに編集部)撮影=鍋島徳恭 ヘアメイク=小島けさき

※この記事は雑誌「ハルメク」2021年2月号を再編集しています
 

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