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ダイエット中に食べたい!内臓脂肪を落とす食事とコツ
内臓脂肪を減らすには?減量に効果的な食べ物・飲み物
LIGHT CLINIC 副院長
吹田 春佳
公開日:2022.08.03
更新日:2023.01.15
内臓脂肪を減らすには、単に食事を抜いたり量を減らすなどの食事制限より、食べ物・飲み物を工夫するのがおすすめです。ダイエット中に食べたい減量に効果的な食材、食事のコツや食習慣について解説します。最速で、でも健康的に痩せたい人は必見。
内臓脂肪とは
内臓脂肪とは、内臓周りの腸間膜に蓄積される脂肪です。摂取したエネルギーが消費しきれずに余ってしまうと、余分なエネルギーが肝臓で中性脂肪に合成されます。中性脂肪が消費されずに余ると、脂肪として体に蓄積されるのです。
内臓脂肪が多い内臓脂肪型肥満になると、ウエストまわりに脂肪が蓄積されるためお腹が大きく出て、りんご型に太ることが特徴です。
人間の体につく脂肪のことを「体脂肪」といい、体脂肪には「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2種類があります。皮下脂肪は一度つくと落とすのが難しい脂肪です。
一方、内臓脂肪は付きやすいものの落としやすい脂肪といわれています。
皮下脂肪は女性につきやすく、内臓脂肪は男性につきやすいといわれていますが、更年期になって女性ホルモンの分泌量が低下すると、女性も内臓脂肪が蓄積しやすくなるため注意が必要です。
内臓脂肪の蓄積の状態は、家庭用の体組成計や体脂肪計、体重計などで測定できます。この数値は「内臓脂肪レベル」と呼ばれ、内臓脂肪レベルが10を超えると内臓脂肪が過剰な状態となり、生活習慣病リスクが高まります。
内臓脂肪が増える原因
内臓脂肪は、摂取カロリーが消費カロリーを上回り、余分なエネルギーが体内に余ってしまうことで増えていきます。
内臓脂肪が増える原因は大きく分けると「摂取カロリーが多い」と「消費カロリーが少ない」の2つです。ここから詳しく見ていきましょう。
摂取カロリーが多い
習慣的に運動をしていたり、仕事や家事で頻繁に動き回っていたりするのに内臓脂肪が気になるという人の場合、摂取カロリーが多過ぎて、消費カロリーを上回ってしまっている可能性があります。
以下のような習慣は、摂取カロリーの取り過ぎにつながります。
- アルコールの飲み過ぎ
- ストレスがたまっている
- 睡眠不足
- 甘い飲み物(清涼飲料水、ジュース、甘いコーヒーなど)
- 暴飲暴食
お酒を飲むと、肝臓はアルコールを優先して分解しようとするため、血糖値をコントロールする機能が疎かになります。すると、脳は糖分が不足していると勘違いし、過剰に食べ過ぎてしまうことになるのです。
ストレスがたまっているとコルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌され、甘い物やジャンクフード、脂っこいものが食べたくなります。また、筋肉が分解され、代謝も落ち、エネルギーを脂肪として溜め込みやすくなります。
寝不足にも注意が必要です。寝不足になると食欲を抑制するホルモン「レプチン」が少なくなり、食欲を増進するホルモン「グレリン」が多くなるため、暴飲暴食につながります。
ついつい手が伸びてしまう甘い飲み物は、固形物とは異なり、吸収スピードが早いため血糖値の上がる速さも急激に。その後、ホルモンの働きによって血糖値が急降下することで、さらに甘い物がほしくなるという悪循環に陥ってしまいます。
消費カロリーが少ない
消費カロリーが少ないと、摂取したカロリーが余ってしまい、脂肪として蓄積されます。消費カロリーが少なくなる原因には、以下のようなものがあります。
- 筋肉量の減少による基礎代謝の低下
- 1日のうちに動く時間が少ない、じっとしていることが多い
- 更年期や閉経、加齢の影響
動かずじっとしているときでも、呼吸や臓器を動かすために消費されるエネルギーを基礎代謝といい、1日の総カロリー消費量のうち、約60%は基礎代謝が占めています。
基礎代謝の中でも最も多くのエネルギーを必要とするのが、筋肉です。加齢や運動不足の影響によって筋肉量が少なくなると、基礎代謝が低下して太りやすくなります。
そして、1日の総カロリー消費量の中で基礎代謝に次いで多いのが、日常の動作による消費カロリーです。家事や通勤などの動作による消費カロリーは約25〜30%と、大きな割合を占めています。
そのため、日常生活での動きが少ないと、消費カロリーが少なくなりがちになり、脂肪が蓄積されやすくなります。
内臓脂肪を減らす食事におすすめの食べ物・飲み物
内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて落としやすい脂肪といわれています。
摂取カロリーの制限に加えて、食事内容を変えたり工夫したりすると、内臓脂肪を減らすことにつながるでしょう。「最速で内臓脂肪を落としたい」「食事の内容を見直したい」という人はぜひ食事に工夫してみましょう。
ここからは、内臓脂肪を減らす食事におすすめの食べ物・飲み物をご紹介します。
お酢(酢酸)
米酢、穀物酢、黒酢、りんご酢など、お酢にはいろいろな種類があります。これらお酢の主成分が、酢酸です。酢酸を継続的に摂取することで、内臓脂肪が減ることが報告されています。
中でもおすすめは、黒酢です。黒酢にはアミノ酸が豊富に含まれており、運動中の脂肪燃焼、持久力を高めるなどの効果が期待できるので、運動を取り入れて減量をする人は運動前に黒酢を飲むといいでしょう。
りんご
りんごにはプロシアニジンと呼ばれるポリフェノールの一種が含まれています。
プロシアニジンを継続的に摂取することで内臓脂肪が減少することが報告されており、りんごはその他にもビタミンCやカリウム、食物繊維が豊富で、美容にも健康にもうれしい食べ物です。
緑茶
緑茶に含まれるカテキンには、抗酸化作用や抗ウイルス作用、虫歯や口臭予防などさまざまな健康効果が注目されています。
中でも「ガレート型カテキン」と呼ばれるカテキンには、脂肪吸収を穏やかにする効果があることが知られており、伊藤園の中央研究所の行った継続調査では内臓脂肪面積を減少させることが確認されています。
青魚(オメガ3脂肪酸)
青魚(さば、さんま、いわしなど)には、体にいい脂として知られるオメガ3脂肪酸(DHA・EPAなど)が豊富に含まれています。
オメガ3脂肪酸には、取り過ぎたエネルギーが内臓脂肪に変わってしまうのを防ぐ作用や、血行促進、体温を高くする効果があります。
脂質はダイエット中には減らしたいものですが、体にとって欠かせない栄養素でもあります。肉や乳製品に多く含まれる飽和脂肪酸を減らし、その代わり、内臓脂肪になりにくいオメガ3脂肪酸を摂取するといいでしょう。
野菜・海藻
食物繊維が豊富に含まれる野菜や海藻も、内臓脂肪を減らす食事を意識したときに積極的に取りたい食べ物です。
食物繊維には糖質・脂質を吸収して体の外へ排出する働きがあります。食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があるため、どちらも摂取するようにしましょう。
大豆製品
減量中は栄養が不足しがちです。タンパク質が不足すると筋肉量の低下につながるため、積極的にタンパク質を摂取しましょう。
しかし、肉類のみでタンパク質を摂取しようとすると脂質の取り過ぎにつながります。納豆や豆腐、豆乳などの大豆製品も食事に取り入れましょう。
大豆製品は女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをするといわれており、更年期症状・更年期障害を防ぐためにも積極的に取りたい、大人女性におすすめの食品です。
雑穀
糖質制限をする場合、主食である白米を完全に抜くと栄養が不足してしまうため、ご飯も適度に摂取しながらダイエットをするといいでしょう。
白米だけではなく、雑穀をブレンドして炊くのもおすすめです。雑穀にはビタミンB群やビタミンE、カリウム、カルシウムなどミネラル分が豊富で、ダイエット中に不足しがちな栄養を補うことができます。
食物繊維も増え、白米だけで食べるより雑穀が入った方が食べごたえや噛みごたえがあるので、よく噛むことで満足度もアップします。
雑穀とは日本人の主食以外の穀物の総称のことで、以下のように種類が豊富です。
- 玄米
- 黒米
- 赤米
- きび
- あわ
- ひえ
- もち麦
- ハト麦
- はだか麦
- 押麦
- 小豆
- 黄大豆 など
自分好みの雑穀を自分の食べやすい比率で白米とブレンドしてみてください。
卵
卵は完全栄養食品ともいわれ、ビタミンCと食物繊維以外の必須栄養素が取れる食材です。タンパク質の必須アミノ酸のバランスがとてもよく、卵黄に含まれる脂溶性のビタミンAやビタミンEには抗酸化作用があり、老化や動脈硬化を予防する効果もあります。
また、卵に多く含まれている脂質は食欲を抑える効果のあるホルモン「インクレチン」の材料にもなります。
昔は「卵はコレステロール値が上がるから1日1個まで」といわれていましたが、これは1970年代に行われた研究を根拠としたもの。
近年の研究では、コレステロールを多く含む食品を摂取しても血中コレステロール値には影響しないことが判明しており、2015年に改定された厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」からはコレステロールの上限の記載が消えています。
卵はタンパク質が豊富で、筋肉量の維持や向上にも役立ち、調理も簡単なのでおすすめの食材です。
内臓脂肪を減らす食事のコツ&食習慣
ここからは、内臓脂肪を減らす食事のコツと食習慣をご紹介します。
早食いせず、ゆっくりよく噛んで食べる
早食いは血糖値を急上昇させ、食べ過ぎにもつながります。
内臓脂肪を減らすためには腹八分目を心掛けることが大切ですが、よく噛んでゆっくり時間をかけて食べると満腹感が得られ、食べる量を自然に減らすことができます。
夜食を避ける
脂肪の合成を促すタンパク質「BMAL1(ビーマルワン)」が多い時間に食事をすると脂肪になりやすく、減っているときは脂肪になりにくいことがわかっています。
BMAL1は毎日12時間周期で増減を繰り返し、最も多くなるのが深夜2時です。せっかく内臓脂肪の減少をサポートする食材を選んで食べても、夜食を食べると脂肪として蓄積されやすくなってしまうため、夜食は避けるようにしましょう。
食事を抜く・食事制限だけのダイエットはNG
食事を抜けば簡単に摂取カロリーを減らすことができますが、栄養が足りなくなると脳や体が危機感を感じ、食欲が増したり脂肪を蓄えやすい体質になってしまいます。
また、食事制限だけのダイエットは筋肉量や骨量の低下につながるため、リバウンドや骨粗鬆症のリスクが高まるなど、健康的な減量ができません。
食事制限だけではなく運動も適度に取り入れて、健康的に減量することが大切です。
アルコールは量をほどほどにする
アルコールは適度であれば血行促進効果がありますが、飲み過ぎると睡眠の質を下げてしまいます。また、お酒はカロリーが高いため量が増えると摂取カロリーの増加につながります。
アルコールは、ビール500mL、ワイン2杯、日本酒1合ほどが適量の目安です。
内臓脂肪を減らす食べ物・飲み物を積極的に取り入れよう
内臓脂肪が増えてしまうのは、摂取カロリーの取り過ぎと消費カロリーが少ないことが大きな原因です。食事の取り方や内容を工夫することで、無理なく内臓脂肪を減らしていくことができるでしょう。
ただし、食事制限のみでは栄養不足につながるため、無理のない程度に運動も行うことが大切です。内臓脂肪を減らす効果が期待できる食べ物や飲み物を取り入れた食事と、適度な運動で、お腹まわりをすっきりさせましょう。
監修者プロフィール:吹田 春佳さん
LIGHT CLINIC 副院長。30年、50年先の健康を見据えた肥満治療普及を目指してダイエット専門クリニックLIGHT CLINIC(ライトクリニック)を立ち上げ。健康的にダイエットができるよう、内服治療の相談、ダイエット施術から食事・運動指導まで、ダイエットのトータルサポートを提供している。
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