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- “年齢汗”が引き起こす、夏の「汗あれ」に要注意!
若いときよりも汗をかくようになったと感じたら、それは“年齢汗”かもしれません。汗をたくさんかいてそのまま放っておくと、「汗あれ」を引き起こしてしまいます。皮膚科医の吉木伸子さんに、簡単にできる年齢汗の対処法を教えてもらいました。
教えてくれたのは、吉木伸子(よしき・のぶこ)さん
よしき皮膚科クリニック銀座院長。1993(平成5)年、横浜市立大学医学部を卒業後、慶応義塾大学病院・皮膚科学教室に入局。浦和市立病院、レーザークリニックなどを経て、1998(平成10)年、よしき皮膚科クリニック銀座を開業。美容皮膚科学と漢方を取り入れた皮膚科治療を行なうかたわら、テレビ、雑誌などで、正しいスキンケア法を解説している。その確かなケア法に著名人のファンも多い。
上半身が汗びっしょり。40代から増える“年齢汗”とは?
毎日30℃以上の真夏日が続いています。ベランダで洗濯物を干したり、掃除機をかけたり、あるいは近所に自転車で買い物に行ったり……家事を一つこなしただけで汗が止まらない、ということはありませんか?
よしき皮膚科クリニック銀座院長の吉木伸子さんによると、このところ40代以上の女性の多汗症に関する相談が増えているそうです。
「40代を迎えると、頭、首の後ろ、ワキの下、背中など上半身の急な発汗に悩まされる人が増えます。また、びっしょりと寝汗をかいてしまい、夜中に着替えることがあるとか、座っていて足は冷えているのに、上半身は汗が出て困るとか……こういう場合の汗も、“年齢汗”といえます」
“年齢汗”⁉ あなたは聞いたことがあるでしょうか。実は汗は年齢とともに質や量が変化しています。
女性ホルモンの減少が“年齢汗”を引き起こす
「赤ちゃんや子どもはたくさん汗をかきますよね。でも思春期になって女性ホルモンが分泌されるようになると、女性ホルモンが自律神経を安定させ、発汗がコントロールされるので汗の量は落ち着きます。
しかし更年期になり、閉経が近くなって女性ホルモンが減少すると、自律神経が不安定となり、発汗が増えてしまいます。これが“年齢汗”です。暑さだけでなく、ちょっとした緊張で汗が止まらなくなるのも、年齢汗の特徴です」と吉木さん。
汗には、臭う、汗じみになって恥ずかしい……といったマイナスのイメージがありますが、汗の成分には乳酸や尿素など保湿因子が含まれていて、実は天然の美容液のようなもの。
「だからじわ〜っと程度の汗なら良いワケです。でも年齢汗のように大量の汗は、かいた後にきちんとケアをしないと、肌のトラブル“汗あれ”を引き起こしますので注意が必要です」
年齢汗を放っておくと「汗あれ」が起きてしまう
大量の汗による肌のトラブル、それは「汗あれ」と呼ばれています。子どもがよくなる「あせも」とは違う種類のものです。
「あせもは汗を出す管(汗腺)が詰まった状態になり、肌にブツブツが出る症状で、かゆみはほとんどありません。一方、大人の汗あれは、汗に含まれる塩分などの成分が、肌を刺激してかゆみを伴います」
アナタは大丈夫? 汗あれ危険度をチェック!
◻他の人より汗をかきやすい
◻敏感肌だと思う
◻日中は外回りが多い
◻激しいスポーツをする
◻冬でもよく汗をかく
◻暑いところで作業する
◻サウナなど、汗をわざと出すようなことを頻繁にしている
◻肌がかぶれることがよくある
◻汗をかいてもそのままにしてしまう
一つでも当てはまったら汗あれに注意が必要です。
マスクのおかげで肌は潤っている……は間違い!?
そしてもう一つ注意したいのが、「マスク汗あれ」です。マスクをしていると、肌は潤っていると勘違いしている人も多いと思いますが、実はそうではないのです。
「マスクの下の肌はいわば蒸れた状態で、皮膚の角質層はふやけています。マスクを外すと角質層の水分が蒸発して乾燥します。これを日常的に繰り返すことは、肌のバリア機能の低下につながってしまうのです」と吉木さん。
さらにマスクの繊維や、汗の成分が刺激となって、ムズムズしたり、赤くなったり「マスク汗あれ」を引き起こす可能性も高くなります。
今日からできる、汗あれを防ぐ3つの方法
では、40代以降の女性が汗あれを防ぐにはどういったケアをすれば良いのでしょうか。今日から簡単にできる方法を吉木さんに教えてもらいました。
対策1:汗をかいたら、やわらかい布で丁寧に拭きましょう
「汗をかいたら放置せずに、ガーゼやタオルハンカチなど、吸水性が高いやわらかな布でこまめに拭き取りましょう。汗をかいたところを軽く押さえるようにして汗を吸い込みます。ゴシゴシこすると、皮膚のバリア機能が壊れて汗あれが起こりやすくなりますから注意してください」
対策2:顔も体も手でなでるようにやさしく洗いましょう
「汗は水溶性なので、お湯だけでも落ちます。皮脂腺の多い頭皮やワキの下などは石けんを使いますが、毎日使わなくてもかまいません。石けんを使う場合はよく泡立てて、手でなでるようにやさしく洗いましょう。
顔は2度洗いがおすすめです。まず少なめの洗顔料をよく泡立てて顔全体をやさしく洗い、2度目はテカリが気になる部分のみを洗います」
対策3:夏も保湿を重視。お肌のバリア機能を高めましょう
「顔も体も洗い終わったら、必ず保湿をしてください。きちんと潤いを与えることで、お肌のバリア機能が高まります。ベタつかず、さらりとした使い心地のジェルやローションでしっかり保湿して汗あれを起こさない肌を目指しましょう」
汗あれを防ぐ、編集部おすすめケア
入浴と制汗剤のWケアで1日を快適に過ごす
外出先などで、汗を気にせず、快適に過ごすためには、ボディソープと制汗剤を使ったWケアがポイントです。
まずは、シャワーで夜にかいた寝汗をすっきりと落としましょう。ミョウバンなどの含まれたボディソープなら、肌に必要な潤いを残しながら、余分な皮脂を浮かして落とせます。
洗い終わって体を拭いたら、パウダータイプの制汗剤で、汗が気になる部分をカバー。ベタつく年齢汗をさらさら快適に保つだけでなく、こもりがちな年齢汗のニオイも防いでくれます。ワキだけでなく、首元や胸の間、肘の内側など広範囲に使用できます。
このようなWケアによって、年齢汗をかいてもベタつきを抑えて一日中気持ちよく過ごせます。
「マスク汗あれ」は、しっかり保湿で予防する
マスクの下の肌は潤っているワケではなく、角質層がふやけて肌のバリア機能が下がっている状態です。赤みやかゆみ、ムズムズなど「マスク汗あれ」を起こさないために、しっかり肌を保湿しましょう。
肌をしっかり保湿、皮膚のバリア機能をサポートして「マスク汗あれ」を予防する保湿剤を選ぶのがマスト。
ベタつかないジェルタイプの保湿剤だと、肌をさらりと潤し、摩擦による刺激から守ってくれます。予防するだけでなく、すでに肌が荒れている場合も保湿しながらやさしくケアしましょう。
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