50代の大人肌は皮脂・水分量ともに控えめだから

デコルテや肩、手の甲、体のシミ・そばかすの適切ケア

松宮 詩依さん(東京皮膚科・形成外科)
監修者
東京皮膚科・形成外科品川院 院長
松宮詩依

公開日:2018.08.08

リゾート地に行ったら、せっかくだから、少しは肌見せファッションを楽しみたいものです。とはいえ、もともとボディの皮膚は厚いうえ、50代のボディは皮脂・水分量も少ないので、うっかり日焼けをしたら大変。予防と事後処理をしっかり覚えておきましょう。

日焼け対策は、装備から。サングラス選びには注意が必要です

今どきの若い女子のようにワンショルダーには挑戦しないまでも、露出度の高くなる夏場、ボディのケアにも最新の注意が必要です。

というのも、顔と違ってボディの皮膚は厚みがあるので、美白化粧品が浸透しにくいからです。まずは紫外線を通さないようなUVカットできる服が大事です。

気温・湿度が高い夏場に、長袖はさすがにつらいですが、外出時は二の腕までカバーするタイプのUVカット率の高いアームカバーをつけましょう。

もちろん、日傘、帽子、サングラスも忘れずに。

 

特にサングラスは紫外線カット率が高い表示のものでも、弦の部分が細いと脇から太陽光が入り込んで、紫外線が目を傷めてしまいます。弦の部分は太く全方位的に紫外線から眼をしっかりカバーするタイプのサングラスを選んで、目からの日焼けも防ぎましょう。
 

 

日焼け止め、UVガードでうっかり日焼けを防ぎましょう

もちろん、朝のスキンケアの際にシティタイプの日焼け止めを塗りましょう。

顔はもちろん、耳の上部、デコルテ、首の後ろ、二の腕、手全体、足の甲などに塗っておきます。これだけで洗濯物を干すときや庭の水まき、近所の買い物程度なら、肌をガードできます。

ただ、紫外線UVA波は波長が長く通過率が高いのが特徴で、UVガードをしていなければ、住宅の窓ガラスでも通過します。また曇りの日でも紫外線は降り注いでいます。

そのため家の中でも窓辺の近くにいたり、自動車の窓にUV対策をしていなければ、うっかり日焼けをしてしまう可能性が大。若い頃と違って、顔はもちろん、ボディのシミは落ちにくいことを忘れずに、万全の対策を立てましょう。また、光老化という言葉があるように日焼けによってシミだけでなくしわ・たるみも加速的に進行させてしまいます。

そのうえで、やはりリゾート地や海、山へ行く際はUVケア値が最も高い指数のものを指定されたように、塗りましょう。ここで注意したいのがUVケア値が高いのと日焼け止め効果の持続時間は関係ないため、どの日焼け止めクリームも数時間ごと・または汗や水に濡れたらこまめに塗りなおすように気を付けましょう。

もちろん、ウォータープルーフの場合も同様です。それでも日焼けしてしまったら、まずは炎症を抑え日焼けによるダメージを最小限に抑えることが大事です。
 

日焼けをしてしまったときの対処法

日焼けは火傷の状態なので、日焼けをしてしまった当日は大至急、熱を帯びている個所をクールダウンさせてください。この場合、顔なら、ひんやりするタイプのフェイスマスク、できれば首まで覆うタイプを用いるといいでしょう。ボディは柔らかいタイプの保冷剤で冷やしましょう。

ただし、そのままでは紫外線でダメージを受けた患部の組織は回復しないので、日焼け止めをきちんと落とした後に必ずローションやオイルなどでたっぷり保湿も図ってください。この時の注意は、絶対擦らないこと。

ただでさえ肌は日焼けのダメージを受けているので、ごしごしこすったり強くマッサージして塗り込んだりすると、日焼けによるシミに加えて炎症性色素沈着の原因となります。まさに、腫れ物に触るようにそっとケアしましょう。

ボディケアと同時に始めたいのが、経口による炎症ダウンです。

すぐにビタミンC系のサプリや美容飲料などをたっぷり摂取しましょう。ビタミンCは必要以上の量を飲んでも体から排出されてしまうといいますが、身体が弱っている時や日焼けによる酸化ダメージを受けたときは普段よりも必要量が多くなるので、お腹がゆるくならなければ吸収されていると思ってOK。日焼け前後には沢山摂りましょう。

今どきの美容ドリンクにはコラーゲンやローヤルゼリーなど、ダメージに効く成分もたくさん配合されています。ビタミンCによる美白還元効果だけではなく、炎症で疲れた肌細胞への栄養チャージと考えて下さい。

デイリーケアも、刺激の少ない敏感肌用のボディシャンプーに切り替えて、皮脂腺が少ないボディのために毎日欠かさずローションで保護しましょう。ただし、入浴時もケア時もゴシゴシ、こするのは厳禁です。タオルなどは使わず、手のケアで十分です。

刺激の少ないマスクケア、ローションパックの面ケアのお手入れを正しく続ければ、本来肌は2週間ほどで、回復してくるはず。

それでも紫外線によるくすみやシミなどが目立つ場合の美白ケアは、炎症が落ち着いて肌の調子が回復するのを、ある程度待ってからの方が、水分量が減っている50代からの肌は安心です。
 

beauty editor

美容編集者、石山照実が主宰する美容編集者とライターの美容専門の編集プロダクション。美容に特化し、雑誌を中心に活躍する編集者とライターというプロ集団。企画から撮影、記事の構成、さらには動画までを担当。雑誌だけでなく、化粧品メーカーのパンフレットからwebサイトのコラムまで、幅広く活動中。

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