菅沼薫さんに聞く、今の自分に合う美容法

誰でもできる!簡単爪の甘皮ケアで指先美人

公開日:2019.10.23

更新日:2023.07.17

爪の美しさの鍵を握る「甘皮」。爪は磨いても、甘皮の処理まではちょっと大変そう……と敬遠している方も多いのでは? 実は難しいネイルケアテクニックも、専門の道具も必要なし! 甘皮やささくれの処理方法を、菅沼薫さんに教えてもらいました。

爪の甘皮ケア
誰でもできる!簡単爪の甘皮ケアで指先美人

【爪の基礎知識】爪が作られる仕組み

これまで2回にわたり、ネイルケアについてお話ししてきましたが、今回はそもそも爪がどこで作られ、どのように伸びるのか、お話ししたいと思います。

爪は根元の皮膚の下にある爪母(そうぼ)で作られています。そのため、指をドアではさんだり、ぶつけたりするなどの衝撃で爪母がダメージを受けると、健康な爪が作れなくなります。また爪母に栄養が行き届かなかったり、代謝が悪くなっていたりすると、爪の成長と健康に大きく影響します。

爪のパーツ名

爪母で作られた爪は、硬くなりながら指の先に向かって押し出され、皮膚に密着して伸びていきます。もともと爪は半透明でツヤのある三層の板。爪が皮膚に密着して伸びていくため、皮膚の下にある血管の色が透けてピンク色に見えるというわけです。爪の根元に爪半月という白い部分がありますよね。

これは、爪母から押し出されたばかりの、いわば爪の赤ちゃん。柔らかく、皮膚に密着していないので血管の色が透けず、白く見えます。爪半月がない人もいますが、これは皮膚の下に埋まっていて見えないだけ。

爪の細胞

同じ白だと、たまに爪に白い斑点のようなものが見られることがありますが、これは衝撃によって爪と皮膚の間に空気が入り剥離したことで生じます。皮膚の色が透けず白く見えるだけで、爪が伸びれば当然なくなります。

ちなみに、手の爪は大人の場合で1日0.1mm伸びるといわれています。子どもはもっと早く、年齢を重ねると遅くなっていくのが通常ですが、爪が伸びる速度には個人差があります。爪の伸びる速度が遅くなると、厚みにムラが生じがちに。年齢を重ねて、なめらかだった爪にガタついた溝ができるのは、このためです。

甘皮は爪母の砦!マメな保湿でしっかりケアが必須

切る甘皮ケアはNG

ところでネイルケアというと、”甘皮を切る”と思っている人が多いようです。ですが、甘皮は皮膚の下にある爪母を異物の侵入から守るための、いわばとりでのようなもの。下手に切ったり、強い力を加えると爪母にも悪影響が及び、健やかな爪を育むことができません。ですが、放っておくと乾燥してささくれになってしまい、見た目にも美しくありません。

健やかな爪を育み、指先を美しく保つためには、甘皮を柔らかくうるおわせるオイルやハンドクリームなどで、ネイルの保湿とマッサージを行いましょう。

顔と同じで、指回りの皮膚も油分と水分のバランスの整った、血行がよく柔らかい状態が理想的です。血行が悪いと、爪のピンク色が損なわれ、ツヤもなくなってしまいます。

また、甘皮が爪に張り付いたように伸びてしまったり、爪の上に白っぽい甘皮のようなものがある場合は、やさしく押して取り除くとなおベスト。甘皮のホームケア用品がなくても、簡単に甘皮のお手入れは可能です!

その方法をご紹介しますね。

セルフケアで美しく!おすすめ簡単甘皮ケア

指にウェットティッシュを巻いて爪をキュッキュと
指にウェットティッシュを巻いて爪をキュッキュと

お風呂上がりなどの、甘皮が柔らかくなっているときに、上の写真のように自分の指(爪)にウェットティッシュを巻き、爪と皮膚のキワを軽くキュキュっと根元に向かって押します。力加減は、あくまでやさしく。爪の表面をごく軽くこするイメージで行ってください。

同様に根元の部分を、円を描くようにクルクルキュキュッと押します。爪に張り付いた甘皮や、あかのような汚れが取れ、爪の輪郭がスッキリしますよね。同時に爪の裏側も拭くとなおベスト。

爪の裏は汚れやあかが溜まりやすく、菌も付着しやすいので、時々は意識して汚れを落とすようにしましょう。

このとき、ささくれている箇所があれば、皮膚が湿った状態にして甘皮用ニッパーでカットしてください、ニッパーがなければ眉ばさみのような小さなハサミでも大丈夫です。無理に引きちぎってはいけません。

最後に、甘皮と乾燥して硬くなりやすい指先の皮膚にオイルやハンドクリームをつけ、やさしくすり込むようなイメージでマッサージします。

ネイルケア

キューティクルプッシャーといった市販の甘皮ケア用品は、使い方によっては爪の表面を傷つけてしまったり、振動や圧が強いことがあるので、私は今回ご紹介した簡単ケアをおすすめします。

マニキュアを塗らなくても、爪回りがすっきりして手は美しく見えます。週に一度でもいいので、ぜひ甘皮のお手入れをしてみてくださいね。

※この記事は2019年10月の記事を再編集をして掲載しています。

■もっと知りたい■


次回は、マニキュアの色選びと塗り方についてお話しします。
 

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菅沼 薫

ビューティ&ライフ サイエンティスト、武庫川女子大学客員教授、sukai美科学研究所代表。日本顔学会会長をはじめ、化粧品成分検定協会理事、日本香粧品学会学術委員などを務める。美容雑誌「VOCE」における化粧品比較実験を長年手掛ける。化粧品と肌のスペシャリストとしてメディアでも活躍中。

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