2013年、原発事故後もふるさとで暮らし続けて

福島から今、伝えたい――本当の復興、支援とは何か

公開日:2023.03.20

東日本大震災から2年。落ち着きを取り戻しつつある被災地が増える一方、本格的な復興に至っていないところも多く残されていました。そこに生きる人は今、どんな思いなのか。福島第一原発から程近い三春町に暮らす武藤類子さんの当時のインタビューです。

あれから2年。静かに怒りを燃やす、東北の鬼となって

※この記事は2013年2月に取材した記事をもとに構成しています

事故前までは店だったこの部屋に喫茶店の面影は少ない。「本来なら、もっと自然の中の暮らしを続けたかったけれども、今は違う暮らしになってしまいました」と武藤さん(当時59歳)

武藤類子(むとう・るいこ)さん
1953(昭和28)年生まれ。養護教員を経て、2003年に里山喫茶「燦(きらり)」を開く。チェルノブイリ事故以来、原発反対運動に携わり、福島第一原発事故発生後は、福島原発告訴団団長として、住民と避難者の人権と健康を守る活動に奔走。著書『福島からあなたへ』(大月書店刊)。

~2011年に、6万人が集まった「さよなら原発集会」での武藤類子さんのスピーチより~

福島県民はいま、
怒りと悲しみのなかから
静かに立ち上がっています。

子ども達を守ろうと、
父親が母親が、おじいちゃんが
おばあちゃんが

自分たちの未来を
奪われまいと若い世代が

一人ひとりの市民が、
国と東電の責任を
問いつづけています。

そして、原発は
もういらないと
声をあげています。

私たちはいま、
静かに怒りを燃やす
東北の鬼です。

2011年9月19日「さよなら原発集会」スピーチ原文。「福島からあなたへ」(大月書店刊)にも収録。

2011年末に“手抜き除染”の現場として話題になった福島県田村市は...

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