もしも親や家族が認知症になったら#3

親の認知症に備えて知っておきたい、4つの「もしも」

親の認知症に備えて知っておきたい、4つの「もしも」

更新日:2026年03月25日

公開日:2024年03月29日

親の認知症に備えて知っておきたい、4つの「もしも」

認知症を公表した漫画家・タレントの蛭子能収さんと妻の悠加さんのお話を聞いた後は、将来、親や家族が認知症になったときに備えて知っておきたい4つの「もしも」について、介護作家でブロガーの工藤広伸さんに教えてもらいました。

教えてくれた人:工藤広伸(くどう・ひろのぶ)さん

介護作家・ブロガー。1972(昭和47)年生まれ。34歳のときに父が脳梗塞で倒れ、40歳のときに認知症の祖母と母のダブル遠距離介護を始める。認知症介護の工夫やノウハウに定評がある。

※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年1月号を再編集しています。

もしも1:親や家族に認知症の疑いがあったら

なるべく早めに診断を。時には家族の「演技」も有効です

自分が認知症だと知るのはショックなもの。しかし診断を受けずに放置するうちに、症状が悪化することもあります。

「病院に行くのを嫌がる場合は、孫やきょうだいなど別の人から言ってもらうのがおすすめ。私は親に『健康診断を受けに行こう』と誘い、病院の先生も最初は身長や体重を測ってから認知症の診断へ……と『演技』に付き合ってくれました」と話すのは、介護作家でブロガーの工藤さん。

もしも2:認知症で生活に不便が出てきたら

介護保険を活用し、本人も介護者もストレスのない体制を

身体介護と同様、認知症の介護でも介護保険サービスは利用できます。

「認知症の介護では介護者が穏やかだと、介護される方も穏やかになるとよく言われます。でも何度も同じことを言われて笑顔で対応し続けるのは難しい。外部サービスの力を積極的に借り、介護する側もされる側もストレスがないようにしましょう」(工藤さん)

もしも3:お金の管理ができなくなったら

「成年後見制度」などの制度が利用可能。事前の準備を

もしも3:お金の管理ができなくなったら

認知症になると不安になるのが金銭管理。成年後見制度を利用すれば、本人に代わって裁判所が指定した代理人が金銭管理を行うことができます。

「ただし弁護士や司法書士が代理人に選定された場合は月々数万円の支払い義務があります。まずは親が元気なうちに、どの銀行にどのくらいお金があるか家族がわかるようにメモしておくことが大切です」(工藤さん)

もしも4:認知症で自宅での生活が難しくなったら

ケアマネジャーに相談を。選択肢はさまざま

自宅での生活が難しくなった場合の選択肢には「有料老人ホーム」や「特別養護老人ホーム」の他に、認知症の人が集まって暮らす「グループホーム」などがあります。

「こうしたシニア向け住宅は、個々の施設により設備や雰囲気も異なります。最初から『グループホームがいい』などとタイプを決めず、ケアマネジャーに相談する方が、親はもちろん、家族の生活に合った施設を探す近道です」(工藤さん)

以上、全3回にわたり蛭子さん夫婦のお話と親や家族が認知症になったときの備えについてお伝えしました。将来慌てずにすむよう、早めの備えで家族の安心につなげましょう。

取材・文=大矢詠美、イラストレーション=福々ちえ

※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年1月号を再編集しています

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