蛭子能収さん・認知症がもたらした生活と夫婦の変化
2024.06.142024年03月29日
もしも親や家族が認知症になったら#3
親の認知症に備えて知っておきたい、4つの「もしも」
認知症を公表した漫画家・タレントの蛭子能収さんと妻の悠加さんのお話を聞いた後は、将来、親や家族が認知症になったときに備えて知っておきたい4つの「もしも」について、介護作家でブロガーの工藤広伸さんに教えてもらいました。
教えてくれた人:工藤広伸(くどう・ひろのぶ)さん
介護作家・ブロガー。1972(昭和47)年生まれ。34歳のときに父が脳梗塞で倒れ、40歳のときに認知症の祖母と母のダブル遠距離介護を始める。認知症介護の工夫やノウハウに定評がある。
もしも1:親や家族に認知症の疑いがあったら
なるべく早めに診断を。時には家族の「演技」も有効です
自分が認知症だと知るのはショックなもの。しかし診断を受けずに放置するうちに、症状が悪化することもあります。
「病院に行くのを嫌がる場合は、孫やきょうだいなど別の人から言ってもらうのがおすすめ。私は親に『健康診断を受けに行こう』と誘い、病院の先生も最初は身長や体重を測ってから認知症の診断へ……と『演技』に付き合ってくれました」と話すのは、介護作家でブロガーの工藤さん。
もしも2:認知症で生活に不便が出てきたら
介護保険を活用し、本人も介護者もストレスのない体制を
身体介護と同様、認知症の介護でも介護保険サービスは利用できます。
「認知症の介護では介護者が穏やかだと、介護される方も穏やかになるとよく言われます。でも何度も同じことを言われて笑顔で対応し続けるのは難しい。外部サービスの力を積極的に借り、介護する側もされる側もストレスがないようにしましょう」(工藤さん)
もしも3:お金の管理ができなくなったら
「成年後見制度」などの制度が利用可能。事前の準備を
認知症になると不安になるのが金銭管理。成年後見制度を利用すれば、本人に代わっ...