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料金が高いと何が違う?費用内訳・支払方法・入居条件
高級老人ホームの9つの特長|選択時の重要ポイントも
社会福祉士/ハルメク 介護と住まいの相談室 相談員
坂本 愛
公開日:2023.07.28
更新日:2023.11.09
高級老人ホームは一般的な老人ホームと比べて入居費用・月額費用が高額な分、良質な手厚いサービスを受けられるのが特長です。本記事では、高級老人ホームの特長、費用の内訳、選び方を解説します。
高級老人ホームとは?料金が高いと何が違う?
高級老人ホームでは、一般的な老人ホームに比べて入居費用・月額費用が高い分、良質な手厚いサービスを受けられます。
公的な老人ホームより民間の有料老人ホームの方がサービスが充実しているところが多くありますが、その中でも高級老人ホームは立地、建物、サービスの充実度が際立っています。
立地も良く、建物は広く共用部も充実し、サービスの点では介護・医療、食事、イベントやレクリエーションなど、あらゆるサービスが充実しているため、快適な生活を送ることができます。
入居時の費用が1億円を超えるところもあり、月額の利用料も30万円以上かかることがほとんど。収入や資産が足りるのか、十分に検討した上で申し込みましょう。
高級老人ホームの特長
高級老人ホームには、主に9つの特長があります。
- 立地が良好
- 建物の外観・内装がきれい
- 共用設備が充実している
- 食事にこだわっている
- 介護・医療サービスの質が高い
- イベントやレクリエーションが豊富
- 財務基盤がしっかりした運営企業
- スタッフの教育が徹底されている
- 住み続けられる仕組みが整っている
それぞれの特長を順番に解説します。
1.立地が良好
高級老人ホームはアクセスが良好な都市部や、自然が豊かで閑静な住宅街、人気のリゾート地に建てられます。駅から近く外出にも便利で、近隣にはデパートや映画館、大規模な公園といった施設があり、快適な暮らしを送れます。
2.建物の外観・内装がきれい
建物の外装・内装も上質です。廊下は絨毯敷きで絵画や調度品が置かれていて、掃除が行き届いています。居室は広く、設備も充実しており、快適に暮らせます。庭園もあり、散歩や休憩に利用できます。
3.共用設備が充実している
高級老人ホームでは趣味や暮らしに利用できる共用設備が充実しています。
- フィットネスルーム
- 温泉、大浴場
- 和室
- 音楽室、音楽ホール
- ダンスホール
- ラウンジ
- ビリヤードルーム
- 理美容室
また、入居者たちが食事をするダイニングも広々としており、落ち着いた空間が広がっています。
4.食事にこだわりがある
暮らしの中での楽しみとして重要な食事。食事にはこだわりがあるところがほとんどです。
有名レストランにいたシェフが料理長を勤めている、全国各地・季節の品を楽しめる、お刺身などの衛生管理が難しいものも食べられる、複数のメニューから当日の気分で選択できるなど、「楽しむ」食事が提供されます。
5.介護・医療サービスの質が高い
介護スタッフの人数が基準よりも多く配置され、さまざまな生活援助をしてくれます。夜間にも看護師や医師が常駐し、24時間の緊急対応ができる体制となっています。クリニックや薬局が併設され、建物内で通院もできたり、提携の医療機関が充実しています。
6.イベントやレクリエーションが豊富
入居者が参加できるイベントやレクリエーションが多数企画されます。講師にプロを招く、本格的な道具を使うなど、質の高いイベントを実施しています。
- 社交ダンス
- 陶芸
- コンサート
- 茶道
- 華道
- 入居者限定の国内外ツアー
7.財務基盤がしっかりした運営企業
高級老人ホームは財務基盤が強固な企業が運営しているところが多くあります。入居者は資産に余裕があり、入居後に運営企業が破綻して退去となることを避けるため、財務基盤の安定性が評価されるのです。
それぞれの運営企業を調べると、三井不動産レジデンシャルウェルネス、ベネッセスタイルケア、日本生命保険や、大手約100社が出資するハーフ・センチュリー・モアなど、有名企業やそのグループ企業を目にします。老人ホームが廃業・閉鎖するリスクは低く、安心して過ごすことができます。
8.スタッフの教育が徹底されている
入居者の満足度を高めるため、スタッフの教育にも力を入れています。基本的なマナー、入居者やご家族への接し方、言葉遣いなどの教育が徹底されており、高級ホテルのようなサービスを受けられます。
9.住み続けられる仕組みが整っている
途中で要介護度が上がったり、医療対応が必要になったりした場合に、同じ建物内の介護フロアへ移ったり、系列の介護が手厚いところへ住み替えられるなど、最期まで過ごすことを考えた仕組みが用意されています。介護・医療体制が整っていることもあり、お看取りのときまで住み続けられるようになっています。
高級老人ホームの費用|内訳・支払い方法
高級老人ホームでは、基本的に「入居時費用」と「月額利用料」が発生します。このどちらも一般の老人ホームに比べて高額に設定されているため、継続的に老人ホームを利用するには、資金計画をしっかり立てておく必要があります。高級老人ホームの費用の内訳と支払い方法を見ていきましょう。
費用の内訳
費用の内訳を「入居時費用」と「月額利用料」に分けて解説します。
<入居時費用>
入居時費用は、老人ホームへの入居に必要となることがある「入居一時金(数年分の賃料に相当するもの)」に加え、それぞれの住まいが提供する会員権、数年分のサービス料がかかります。
例えば、サンシティ銀座EASTでは、賃料に相当する入居一時金はお部屋の広さにより5412万円~1億6800万円で、1人入居でも2人入居でも変わりません。加えて、「健康管理費」は1人あたり550万円で、2人入居の場合は2倍かかります。
参考:サンシティ銀座EAST|費用・条件 (2023年6月時点)
<月額利用料>
月額利用料には、賃料に相当する金額(入居一時金で支払い済の場合は発生しません)、管理費・共益費、食費、有料サービス費、光熱費などがあります。賃料に相当する金額や管理費・共益費は一般の賃貸住宅でも発生しますが、食費、有料サービス費などの費用もかかり、介護サービス費やイベント参加費も、別途でかかる場合があります。
また、運営会社以外へ支払う、光熱費、医療費、各種の生活費もかかります。パンフレットやWebサイトに記載されている費用には、このような費用は含めずに記載されることが一般的です。
月額利用料は合計で30万円〜50万円ほどになります。食事を自炊するなど、生活スタイルによって実際の負担は変わってきます。
サンシティ銀座EASTでは、月額利用料として以下の費用が発生します。
参考:サンシティ銀座EAST|費用・条件 (2023年6月時点)
なお、一部の高級老人ホームでは、入居時費用を安くするプランを用意していることもあります。その分、月額費用が高く(月額100万円以上)なるため、利用する方は少ないようです。
高級老人ホームの入居条件
高級老人ホームには入居条件が設けられています。自立の方向けの住まいであれば自立であること、要介護者向けの住まいであれば要介護度など、それぞれに決まっています。
いくつか条件を見ていきましょう。
健康状態
自立向けの住まいであれば、入居時に自立(要介護認定がなく、ご自分の身の回りのことをご自分でできる状態)であることが必要です。
要介護者向けの住まいであれば、要介護度や年齢、必要な医療・介護サービスの状況により入居可否が決まります。
身分保証
入居時には、家賃の保証や医療対応の同意、いざというときの事務手続きを行う身元引受人や保証人が必要です。親族が保証人になることが多くありますが、頼める親族がいない場合は、有料で保証会社と契約し、保証してもらうことができます。
支払い能力
入居時費用や月額費用が高額となる分、入居者の支払い能力が審査されます。収入や資産を確認し、入居可否を判断します。
高級老人ホームを選ぶときの重要ポイント
高級老人ホームに入居するのであれば、自分の気になる点を見たいし、「自分らしい生活を送れる」場所を選びたいもの。そのために、いくつかのポイントを押さえて探しましょう。
- 欲しいサービスは充実しているか
- ストレスなく毎日を過ごせるのか
- 費用は支払える範囲か
1.欲しいサービスは充実しているか
住まいに求めるものは人によって違うもの。ご自分が欲しいと思うサービス、設備があるのか、希望を満たすものかを必ず確認しましょう。力の入れどころは住まいによって異なります。以下のような点が希望を満たすのか、確認しましょう。
- 食事
- 共用部、設備
- イベント
- スタッフの対応
- 介護体制
- 医療体制
- コンシェルジュ
2.ストレスなく毎日を過ごせるのか
毎日の生活をストレスなく快適に過ごせるのかも重要です。老人ホームの立地や内装、イベント、他の入居者やスタッフの様子を十分に確認しましょう。
3.費用は支払える範囲か
入居時費用を支払った後も、毎月の月額費用が必要になります。料金表に載っている金額の他にも必要な金額はあります。あらかじめ老人ホームと確認や相談をしておくと安心です。
例えば「ハルメク 介護と住まいの相談室」では、「100歳まで生きたとしても資産に余裕があること」を条件に、予算を考えます。想定していたよりも長生きしたとして、資金に不安がないことを大事にしています。
ご自身の希望に適した高級老人ホームを選択しよう
高級老人ホームの特長はそれぞれの住まいによって異なるもの。どのようなところに力を入れ、どんなコンセプトの住まいなのか、学んだ上で入居を検討しましょう。
記事監修:坂本愛さんのプロフィール
さかもと・めぐみ 社会福祉士。急性期病院のメディカルソーシャルワーカーとして受診相談や退院支援業務を経験。退院後に必要なケアをもとに、ご自宅での療養生活のアドバイスや、介護施設の紹介を実施。雑誌『ハルメク』の記事執筆にも携わる。
ご自身に合う住まいを探す方は、シニア住宅の知識が豊富なスタッフに相談できる「ハルメク 介護と住まいの相談室」をご利用ください。多くの選択肢の中から、見つけていきましょう。
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