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2024.12.122021年08月22日
住宅の種類・工事内容別に紹介
リノベーションにかかる費用相場はどのくらい?
子どもの独立、夫の定年退職といったライフステージの変化をきっかけに考え始める人も多い、住まいのリノベーション。希望する内容にもよりますが、改修を成功させるためには予算との兼ね合いも大切です。この記事ではリノベーションの費用相場を紹介します。
これからの住まいをどうしたいのか考えてみよう
ライフステージが変化した後の人生(生活)をどうするかと考えたとき、住環境の整備=「リノベーション」を検討することもあるでしょう。自分と家族が考える「これからの理想の暮らし」を実現するためにはどんな住まいにすれば良いのかが見えてきます。
夫婦・家族間で10年、20年先の未来を見据え、快適な暮らしへのイメージができてきたら、それを具体的な内容に落とし込んでいきます。
希望する家の姿(リノベーションの内容)が明確になってくるので、そこからは問い合わせや見積りを取り寄せることとなっていきます。
ちなみに、間違えがちな「リフォーム」と「リノベーション 」の違いについては、下記のように大別されています。
- リノベーションとは、既存の建物に増築・改修を行うことで新しい機能を加えたり、用途を変更したりして、付加価値を付ける工事のこと。
- リフォームとは、古くなって傷んだ部分の修繕工事のこと。
【住宅の種類別】リノベーションの費用相場
夫婦・家族との話し合いで具体的にリノベーションの内容が決まったら、次はどのくらい費用がかかるかといった相場感が知りたいところです。実際のところ、いくらくらいなのでしょうか。戸建てとマンションの場合は違うのでしょうか?
戸建てのリノベーション費用相場
一般社団法人住宅リフォーム推進協議会が、平成31年に実施した「住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査」によれば、戸建てをリノベーションする場合の平均予算は約269万円。
最も多い価格帯は100~300万円の範囲内でのリフォームで、41.4%となっています。
この金額はあくまでも平均額となっており、戸建てのリノベーションをするのに必要な費用は、追加する改修設備、部屋数、室内の広さなど、施工内容によっても異なります。
大規模なバリアフリー工事などを行う場合は、住んでいる自治体で補助金や減免制度を利用できる場合もあるので、調べてみることをおすすめします。
マンションのリノベーション費用相場
戸建ての金額がわかったところで、次にマンションについて見てみましょう。上記と同様の調査結果によれば、マンションの平均予算は約262万円。最も多い価格帯は戸建てと同様に100~300万円の範囲内でのリフォームで38.2%となっています。
マンションのリノベーションの場合、エレベーターの大きさや部屋の階数によっても見積り金額が変わります。
エレベーターが狭く作業に時間がかかる、階数が高いといった悪条件下での工事の場合、費用が割増しになる場合もあるので、該当する場合には、少し予算を多めに考えておく方が良さそうです。
【工事内容別】リノベーションの費用相場
一般的に費用相場がわかりましたが、実際には項目ごとにどのくらいかかるのでしょうか? リノベーション費用は住宅の種類のみでなく、施工内容によっても大きく変わってきます。そこで、工事の内容別にリノベーション費用相場を解説していきます。
キッチンのリノベーション費用相場
キッチンのリノベーションは、壁付けのI型システムキッチンに交換するといった単純なものであれば、40~80万円程でできますが、マンションでよくあるような対面式や、キッチンの内装をトータルに変更する改修工事となると、かなりの高額になります。
参考
- システムキッチンの交換(壁付けから対面式):75~200万円
- キッチン全体の改修:80~400万円
- アイランドキッチンの設置:300~400万円
予算はもちろんですが、場合によっては現在の家の間取りやサイズ、あるいは配管設備などの関係で施工の範囲が限定されることもあるので、現在のキッチンをベースに工事が可能かどうかも、併せて検討が必要になります。
浴室のリノベーション費用相場
浴室のリノベーション費用は、内容によって金額にかなり幅があります。例えばバスタブの交換のみなら14~20万円、システムバスごとの交換やガス給湯器の交換となると、やはり金額が大きく変わります。
さらに、浴室については、戸建てかマンションかによっても金額が変わります。
参考
- システムバスの交換(戸建て):60~150万円
- システムバスの交換(マンション):50~100万円
- ガス給湯器の交換:20~50万円
トイレのリノベーション費用相場
トイレも浴室と同様に、洋式便器に温水洗浄便座を設置するだけであれば、それほど高額にはなりません。
しかし、タンク式トイレの改装や新たなトイレの設置となると、金額が上がります。とはいえ、水回りの中では安価に落ち着くのはうれしい限り。リノベーションを機に、ウォシュレットや手入れのしやすいタンクレストイレに変更しましょう。
参考
- 温水洗浄便座の設置:8~16万円
- タンク式トイレの改装:20~100万円
- タンクレストイレの設置:30~50万円
リビング・LDKのリノベーション費用相場
メインスペースのリビングは、最も力の入るところ。床暖の敷設から畳→フローリングの変更、和室から洋室への変更など、施工内容によって金額が大きく変動します。よくある内容としては、以下のものが挙げられます。
参考
- 壁紙の張り替え:6~30万円
- 畳からフローリングへの変更:15~60万円
- 段差の解消:8~20万円
- 間仕切りの撤去:50~80万円程度
- 床暖房の変更:50~150万円
- ダイニングを含めた間取りの変更・改修:105~400万円程度
リビングは長時間過ごす部屋のため、リノベーションに予算を割いてしまいがちです。見た目もステキに変更したいところですが、これからの「快適な生活」をきちんと考えた上で、設備の傷み具合や予算に応じた適切なリノベーションへの着手を検討しましょう。
参照:国土交通省「リフォームの内容と価格について」
リノベーションの施工内容によっては減免制度を利用できる
リノベーションをする際には、介護に備えたバリアフリー化や防災対策も考えての実施を検討している人もいるでしょう。そうした場合は、減免制度の利用サポートが受けられるケースもあります。
減免制度を活用すれば、所得税や固定資産税の控除が受けられるので、リノベーションの予算を確保するとともに、使える施工内容の項目がないか確認しておきましょう。
【減免制度が受けられる施工内容】
- 耐震リフォーム
- バリアフリー化
- 省エネリフォーム
- 同居対応住宅へのリフォーム
- 長期優良住宅化へのリフォーム
上記のリノベーションやリフォームで、減免制度が利用可能です。減免制度を利用すれば、翌年以降の固定資産税が減税されたり、工事費用に応じて所得税が減税されたりといった援助が受けられます。
ただし、減免制度を利用するには、条件を満たした上で、必要書類を提出する必要があります。
リノベーションをするときの相談先
リノベーションを成功させるためには、さまざまな角度から検討して、要望をきちんと反映してもらえそうなところ、安心して任せられる業者を見つけることが大切です。
リノベーションを計画する際、頼りになる相談先や、選定するときのポイントについて見ていきましょう。
住んでいる自治体の相談窓口
自治体の中には、前述した耐震化やバリアフリー化、防災対策、同居対応など、工事内容および、諸条件を満たすリノベーションやリフォームに対し、補助金を出しているところもあります。
また、相談窓口では、地域で信頼できる施工業者の紹介をしてくれるケースもあります。 例えば東京都であれば、「財団法人東京都防災・建築まちづくりセンター」内にあんしん住宅リフォーム相談窓口を設置しています。
他にも中央区なら中央区都市整備部住宅課、港区なら港区街づくり支援部住宅課と、各市区町村ごとに設定されており、さまざまな情報の提供や相談を行っているので、知りたいと思ったら、まずそちらを訪れてみるのも一案です。
リフォーム会社
自宅を建てた際に契約したハウスメーカーや、使用したい建材メーカーでリノベーションをしたい場合には、該当するメーカーと提携しているリフォーム会社を頼りましょう。
大抵の場合、ハウスメーカーや建材メーカーでは関連会社としてリフォーム専門会社を経営しています。ハウスメーカーでリノベーションを行えば、もともとの住宅部分と調和がとれた仕上がりになります。
また、建材メーカーの系列会社で施工すれば、材料費が安く抑えられる場合があるなど、それぞれにメリットと特徴があります。どちらを重視するかによって選び分けると良いでしょう。
専門工事会社
キッチン・浴室や設備のリノベーションをするなら、専門工事会社もおすすめです。専門会社ならではのノウハウや、設備の大量仕入れによるコストカットで割引が期待できることもあります。
業者によって、扱うメーカーや製品、設備などが異なるので、相談するときには確認を忘れずに。
工務店
土地の特徴などを把握しており、小回りがきくのは地域密着の工務店です。何より地元業者なので、細かい相談に応じてくれるのが大きな魅力。
地域の地質や地盤なども把握しているところが多く、建築の構造や築年数によるコンディションなどにも理解があるので、満足のいく仕上がりになる可能性も高いです。
何かあったときにすぐに連絡が取れる、来てもらえるところも安心。さらに近所の人から評判をうかがいやすいのもメリットです。
建築設計事務所
デザイン性にこだわったリノベーションをしたいのであれば、建築設計事務所に相談してみると良いでしょう。
建築設計事務所ごとにデザインの雰囲気や得意分野が異なるので、ホームページや施工事例を確認し、希望に見合ったデザインがしてもらえそうかを検討してから相談をするようにしましょう。
打合わせでは担当者が話しやすい人か、要望を柔軟に取り入れてもらえそうかといったところもチェックポイントです。
リノベーションをするときの注意点
希望通りのリノベーションを叶えるためには、業者に相談をする前にいくつか確認しておくべき項目があります。ここでは、業者を選定する際にチェックしておくべき確認項目を紹介します。
複数の業者から相見積りを取る
リノベーションを計画する際には、複数の業者に相見積りを依頼し、内容を比較するようにしましょう。
ある特定の項目が他よりも安い、この部分はこちらが優れているなど、施工業者によっても得意分野が異なりますし、業者や担当者の営業力や提案力にも差があります。
これからも住み続ける大切な住宅に手を加えるわけですから、自分たちに合った信頼できる担当者や業者を見つけることが大切です。
業者の評判を確認しておく
業者を決める前に、口コミや周囲の評判など、施工業者の評判をチェックしてみましょう。良い業者は、こちらの要望をくみ取った提案をしてくれる、アフターフォローがしっかりしているなどの魅力があります。
単純な施工内容と費用だけをチェックするのではなく、提案力やアフターフォローの手厚さなど、さまざまな角度から業者のことについてチェックをしてみてください。
自分たちでできる箇所はないか検討してみる
リノベーションの予算に限りがある場合は、DIYで自分でできる範囲のプチリノベーションに挑戦してみるのもおすすめです。費用の節約にもなりますし、夫婦で力を合わせて住宅を改修することでコミュニケーションも円滑に、そして家にも愛着がわきます。
最近ではホームセンターやネットなどでも、初心者向けのDIY用のツールや材料が販売されています。まずは簡単な場所・すぐにできる難易度の低いものから取り組んでみるのも一案です。
完成までの仮住まい費用やご近所への気遣い費用の準備をしておく
リノベーションの規模が大きくなると、施工完了までに数か月かかるケースも出てくるので、施工中の仮住まい費用がかかります。
例えば、仮住まいにマンスリーマンションなどを使用する場合、仮住まい期間中の家賃と入退去の諸費用、2回分の引っ越し費用が必要となることを覚えておきましょう。
またリノベーションの工事をする際には、業者の人が出入りしたり、騒音の発生も想定されたりするので、ご近所に粗品を用意して挨拶をしておくことも大切です。粗品は1軒当たり1000円程度の予算で、日用品や日持ちするお菓子を渡すのが良いでしょう。
理想のリノベーションを実現するなら優先順位が大切
リノベーションの計画と費用のバランスに悩んだときは、これからの生活を考えた上で、実施項目に優先順位をつけて整理してみることをおすすめします。その際のポイントをまとめました。
確実にリノベーションしておきたい箇所はどこかを考える
予算内でできることには限りがあるので、100%希望通りのリノベーションができるとは限りません。費用内でリノベーションを成功させるためには、自分や家族が絶対に譲れないポイントを整理し、実施したい順に優先順位をつけることから始めましょう。
全て列挙し、費用内で収まりそうにない、となったときには、リノベーションをしなくても支障のない場所はどこか検討します。予算と比較しながら、リストの中から外す箇所を決めるようにしましょう。
設備の傷み具合も確認しておく
リノベーションを行う際には、キッチンや浴室・トイレなどの設備の傷み具合も事前に確認しておきましょう。リノベーションの契約をする前に、ホームインスペクション(住宅診断)を受けておくと、設備の傷み具合がわかり、優先順位をつけやすくなります。
自分たちでリノベーションを計画するときには、ついつい見た目重視の計画となってしまいがちです。しかしプロの目で見たときには、見た目よりも設備の傷みを修繕する方が良いと提案されるケースも少なくありません。
見た目は確かに大切ですが、暮らしを快適かつ安心・安全に営むためには、中の設備が大切です。見た目は良くなったけれど、設備がボロボロで1年後に追加工事とならないようにするためにも、家の設備確認もしっかりと行いましょう。
リノベーションの費用は、一般的にマンションよりも戸建ての方が高めの相場となっています。しかし、具体的な内容や間取り、設備の傷み具合などによっても費用は大きく変わってきます。
リノベーションを計画する際には、まず自分たちが理想とする家(暮らし)のあり方についてしっかりと話し合い、その上でどんな設備や間取りが必要なのかを検討・整理してから相談することが大切です。
また、いきなり発注するのではなく、ネットや役所の相談窓口などで必要な情報やアドバイスを得てから、複数の業者で検討するのがおすすめです。
相見積りを取って比較し費用の相場を比較・検討しながら、予算に見合うベストなリノベーションの方法を探しましょう。
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