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- これからをラクに楽しく!50代からの生き活片づけ
最近よく聞く「終活片づけ」、まだ私には早いし……。そう思っているあなたにおすすめなのが「生き活片づけ」。いかにラクに楽しく暮らせるかがテーマです。「ハルメク片づけ大賞」で準大賞を受賞した遠藤亜紀さんの片づけの工夫や収納アイデアを紹介します。
はじめまして! 遠藤亜紀です
はじめまして。遠藤亜紀と申します。片づけ大賞で準大賞をいただき、それを機にコラムを書かせていただくことになりました。
「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」がモットー(笑)の、工夫好き・片づけ好きな主婦兼整理収納アドバイザー。そんな私の、片づけの工夫や収納アイデアが、皆さまの暮らしの中で少しでもお役に立てればうれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。
片づけに目覚めたきっかけは、子育てと介護でした
最初に、私が片づけに目覚めたきっかけについて、少しだけお話しさせてください。
昔から家の中をちょこちょこイジるのが好きでしたが、本格的に片づけに目覚めたのは、子どもが生まれた頃から。朝から晩まで家事育児に振り回される余裕のない生活から、何とか抜け出したい……そう思った私の選んだ手段が、「片づけ」でした。
主婦にとって家とは、家事育児をする上での「職場」。そこを使いやすくすれば、確実に仕事がスムーズになります。実際、その効果は期待以上! そこからは、「いかにラクに楽しく暮らせるか」というテーマで、家の中を整えてきました。
そんな私に、2度目のきっかけを与えてくれたのが、一人暮らしをしていた母の生活です。がんを患っていた母は、「今のうちに終活よ」と言いながら、納戸にあった不用品をいくつか断捨離したと私に報告してくれました。
「生き活」は今とこれからをラクに生きるための整理
でも、それによって母の生活が変わったかといえば、残念ながら答えはNO。めったに行くことのない場所にあるモノを少し減らしたところで、母の暮らしはラクになることも安全になることもありませんでした。
その頃の母は、病気の進行にともない、できないことが少しずつ増えてきていました。そんな母に必要だったのは、キッチン・ダイニング・寝室など、一日の大半を過ごす場所を、できるだけ負担なく暮らせるように整えることです。
自分亡き後のための「終活」ではなく、ラクに生きるための片づけ。いうなれば「生き活」です。『これからも生きていくために、住み慣れた我が家を整える』。それこそが、これからの母の支えとなるはずだと、そう考えました。
その視点で改めて家の中を点検したら、母の身の回りは改善すべきポイントが盛りだくさん! それらを一緒に整えたことが、今後の自分の暮らしを考える良いきっかけとなりました。
「生き活片づけ」とは、まず普段の当たり前を疑うこと
「生きていくために整える」って、何だかサバイバルっぽくて大変そう? いえいえ、そんなハードなことではありません。まずは、“普段通り”を疑うこと。生き活片づけは、ここが出発点です。
普段から当たり前にやっていることや、モノの収納場所や置き方を、「はたして本当にそれでいいの?」「もっとラクな方法はない?」と疑ってみましょう。そしてもし見つかったら、それをスルーせず、一つ一つ改善していきます。その小さな改善の積み重ねが、ラクに楽しく、そして安心安全に暮らしていける、居心地のいいわが家を作っていきます。
必要なのは、一歩踏み込んだ想像力と、いつまでも我が家で暮らしたいと願う気持ち。人並み以上の体力も特別な知識も必要ありません。
そんな「生き活片づけ」を知っていただくために、そこから生まれたアイデアをいくつかご紹介したいと思います。
ムダを省いて、ラクに暮らすアイデアを紹介!
▼メイクする場所を変えたら移動なしで「化粧がラクに!」
まずは、移動するムダを省いてラクをするアイデアです。
毎日とは言わなくとも、頻繁にするメイク。洗面所で済ますという方は少なくないでしょう。もちろん、それが一番便利というのであればそのままでOKです。でも、「化粧は洗面所でするのが普通だから」「何となく昔からの習慣だから」「化粧品が置ける棚があるから」という理由でそうしているのであれば、一度その“普段通り”を疑ってみましょう。
「ラクにメイクできる場所はないか」という目で改めて家の中を見渡してみたら、もっと良い場所が見つかるかもしれません。
我が家の場合、メイクする場所はダイニング。洗面所は窓がなく暗くて寒いし、そもそもそのために移動するのが面倒くさい。テレビのあるダイニングなら、横目でテレビを見ながら負担なくチャチャッとできます。
インテリアになじむウォールミラーをかけておくことで、いちいち鏡を用意する手間も省略。メイク道具の入った引き出しを開けたときだけ、そこが鏡台に早変わりです。
▼引き出しにシートで髪の毛が目立たず「掃除がラクに!」
理想は、いつもピカピカな家。だからといって、毎日家の隅々まできれいに掃除をしていたら、それだけで1日が終わってしまう……。現実的にムリだし、そんな暮らしは楽しくありません。そこで、掃除の手間をちょっと省いてラクするアイデアをご紹介します。
例えば、ブラシの入った引き出しに落ちている髪の毛。そこを開けるたび、掃除をさぼっているような気分にさせられます。ブラシについた髪の毛は、ちゃんと取り除いてからしまっているのに……。「もうキリがない!」そう感じるのは私だけじゃないはずです。
そこで考えついたのが、引き出しに黒いシートを敷いてしまうという荒ワザです。100均で購入した冷蔵庫用の炭入りシートを敷いてみたら、あら不思議。落ちていた髪の毛が一瞬で消えてしまいました(笑)。
もちろん、本当になくなったわけではありません。見えなくなっただけ。それでも、引き出しを開けたときの気分が違います。ドライヤーをかけるついでに、引き出しにも風を当て髪の毛を外に飛ばしてしまえば、あとは、毎日の床の掃除でキレイがキープされます♪
▼ゴミ袋はサイズ別収納で「取り出すのがラクに!」
最後は、動作のムダを省いてラクをするアイデアです。動作のムダとは、何気ない日常の動きに潜んでいるちょっとした手間のこと。
たとえば、ゴミ袋。引き出しを開けて、袋に入ったゴミ袋の束を取り出し、そこから使う分を1枚引っ張り出す。さまざまなサイズを一緒に収納している場合は、さらに確認が必要になります。改めて考えてみると、まあまあ手間のかかる作業です。
そこで、あらかじめゴミ袋をサイズ別にセットすることにしました。
使ったのは、段ボールなどの厚紙と100均で購入した書類ケース。厚紙で作った芯に、一枚ずつ折りたたんだゴミ袋を引っかけます。
それを書類ケースに立てるだけ。
こうしておけば、ワンアクションで希望するサイズのゴミ袋を取り出せます。
事前にセットする手間が必要になりますが、時間のあるときに準備しておけば、その後はスムーズに取り出せてラクに過ごせます。少しだけ未来の自分にサービスです。
私が提案する「生き活片づけ」は、こんな些細な改善の積み重ね。ちょっとの工夫で生活がより良くなる上に、「次はどこを片づけようか」と工夫を考えること自体が楽しいのです。
「わかる!」という方も、「ホントに?」という方も、お付き合いいただけたら嬉しいです。一緒にラクで楽しい暮らしを作っていきましょう!!
次回は、衣替えシーズンを前に、「服の収納」について考えていきます。「着ていない服はどうするのが正解?」「バッグはどう保管するのが便利?」などなど、我が家の生き活片づけアイデアをご紹介します。お楽しみに!
撮影&文章=遠藤亜紀 構成=竹下沙弥香(ハルメクWEB)
※この記事は2020年4月の記事を再編集して掲載しています。
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