遠藤亜紀の生き活片づけ・2

衣替えで服の収納をラクに!捨てられない服の見極め方

公開日:2020.05.03

更新日:2023.05.06

「ハルメク片づけ大賞」で準大賞を受賞した遠藤亜紀さんが、生活をラクにする片づけの工夫を紹介します。今回のテーマは「捨てられない服の見極め方と冬物衣類の収納」です。ラクに楽しく暮らせる衣替えのコツ・収納アイデアが満載です♪

衣替えのコツ!捨てられない服の見極め方

お出掛けしたくなる気持ちのいい季節となりましたが、新型コロナウイルスが感染拡大中の今、私たちがするべきは「ステイホーム」。だったらこの際、外出自粛中のおうち時間を使って、衣替えにしっかり取り組んでみませんか。

着ないけれどなかなか捨てられない服

衣替えで頭を悩ませるのが、着ないけれどなかなか捨てられない服の処分です。「シーズン中に一度も着ていない服を捨てる」というルールに基づいて、ためらいなく処分できるならいいのですが「また来年着るかもしれないから」と、なかなか捨てる決心がつかない人も少なくありません。

それにしても、なぜ、一度も着ていない服に対して「また着るかも」と思えてしまうのでしょうか。それは「その服を着ようとしなかったから」かもしれません。

シーズン中に一度でも着ようとしていたら、「似合わない」「サイズが合わない」「好みじゃない」と気づき、その時点で服を捨てる決心がついたでしょうし、逆にしっくりきたのであれば、これからも着ようと思えたはずです。

着ようとしなかったからこそ、処分するほどの理由が見つからず、「また着るかも」と思えて捨てられない。「一度も着なかった服は捨てる」という基準が、皮肉にも、だからこそ捨てられない原因となっているのです。

 

衣替えで見極めるべきは、これからシーズンを迎える服

衣替えで見極めるべきは、これからシーズンを迎える服

だとしたら、その服を手放すかどうか見極める方法は一つ。「一度着ようとしてみる」ことです。鏡の前に立って、コーディネートを考えて……としてみれば、今後着るのか着ないのか、納得のいく判断ができるはずです。

ただ、これからしまうシーズンオフの服に対して、そんな面倒なことをする気にはなれません。たとえ気に入った着こなしが見つかったところで、とりあえずはしまうしかないのです。

であれば、手放すかどうか見極める対象は、これからシーズンを迎える服。今なら、夏服です。衣替えをするシーズン初めに、それが無理ならシーズンの間に。鏡の中に映る自分と相談しつつ、似合うのかどうか、着たいと思うのかどうか、白黒はっきりさせていきましょう。

そして、その際思いついたコーディネートは、写真に撮ってスマホやケータイに残しておくのがおすすめ。お出掛け前にチェックするだけで、その日のコーデが決まるので便利ですよ♪

捨てる服はすぐに処分!フリマアプリで売るのもおすすめ

フリマアプリで売る

一方、もう着ないと判断した服はため込まずに、その都度処分していきます。そうすれば、シーズンが終わる頃には、不要な服は自然と淘汰されているはず。クローゼットの中には今シーズン活躍したお気に入りだけが残り、それをしまうだけで衣替えはラクに完了します。

実は、不要な服をシーズン中に処分することには、もう一つメリットが。それは、リサイクルショップやフリマアプリなどで売りやすいということ。

シーズンオフの洋服では、なかなか買い手がつきません。クローゼットの中がスッキリするうえに、売ることでちょっとしたお小遣い稼ぎができれば、まさに一石二鳥です!

 

衣替えの収納アイデア1:冬物衣料はコミック収納ケースへ

続いて、これからしまう、ニットやセーターなど冬物衣料の収納について考えてみます。

スペースに余裕のある場合はともかく、衣類の収納場所が足りないというご家庭も少なくありません。特に冬服はかさばるものが多く、夏服以上にスペースが必要となります。

シーズンオフの服の収納に困っているのであれば、100均のコミック収納ケース(不織布製のソフトケース。ワイドコミックサイズがおすすめ)を使ってみて。畳んだ服を立てて並べれば、かなりコンパクトに収納できます。

コミック収納ケースに薄手のニットが7枚入ります
コミック収納ケースに薄手のニットが7枚入ります

不織布でできているので通気性が良く、フタが透明なので中身がわかりやすいのが特徴。通常の衣装ケースと違って、使わないときは畳んでしまっておける点も便利です。ちょっとしたスペースに、重ねて収納することができます。

奥行き22cmのすき間があれば収納できます!
奥行き22cmのすき間があれば収納できます!

 

衣替えの収納アイデア2:着る服はハンガー収納がおすすめ

次は、これからのシーズンに着る服の収納アイデアです。

服の収納スタイルは、大きく分けて2通り。引き出しに畳んでしまうか、ハンガーに掛けるかのどちらかです。ラクなのはどっち?と考えたら、「畳む手間がいらない」「しわにならない」「見つけやすい」という点で、ハンガー収納に軍配が上がりそう。滑り止めのついたハンガーを使えば、服の型崩れも防げます。

また、服の数が管理しやすいのも、ハンガーの利点。「持っていい服の量は、今あるハンガーに掛けられるだけ」とルールを決めてしまえば、いちいち数を把握する手間が省け、知らないうちに服が増えるということが防げます。

ラック近くに、空いたハンガーを入れるカゴを置くと便利
ラック近くに、空いたハンガーを入れるカゴを置くと便利

 

洗濯&ラックの工夫で、ハンガー収納がもっとラクに!

ただ、ハンガーに掛けるのだって、そこそこ手間。そこで、洗濯物を干すときから、なるべくハンガーを使うようにします。そうしておけば、取り込んだ洗濯物をそのままハンガーラックに掛けるだけで片づけが完了。服のラク収納は、洗濯物を干すときから始まっているのです。

ハンガーにかけて干せば、取り込んでそのままラックへ!
ハンガーにかけて干せば、取り込んでそのままラックへ!

また、ハンガーラックにもひと工夫してみましょう。

ハンガーラックは、引き出しのように戻す場所がはっきり区別されていないため、とかくゴチャゴチャになりがちです。そこで、ポールに「ブラウス」「シャツ」セーター」など、カテゴリーの明記されたラベルを貼ります。すると、定位置に戻しやすく乱れにくくなります。

服の並び順をラベルで貼ってキレイな状態をキープ!
服の並び順をラベルで貼ってキレイな状態をキープ!

ハンガーが当たって剥がれないよう、ラベルはポールの下半分に貼るのがコツ。ラベルは整理整頓を維持し、また、たとえ乱れても、元の状態に戻すのに一番有効な手段です。だまされたと思って(笑)、ぜひ一度試してみてください。

 

衣替えの収納アイデア3:バッグ・ストールは吊るす!

ラクで楽しい暮らしを追求し続けてきた末に行きついた結論があります。それは、「自立しないものは吊るすのが一番!」ということ。吊るせばシャキッとして、どんなヘタレ(?)でも、依存し合ったり重なり合ったりすることがありません。そこで、小物も吊るして収納するのがおすすめ。

かさばる上に自立しないバッグは、棚の中で折り重なり放置されがちです。たくさん持っているのに、使うのはいつも同じバッグというのではもったいない。お気に入りのバッグはサッと取り出せるよう、吊るしておきましょう。

バッグの収納で便利なアイテムが、中央から下が90度ツイストした変形S字フックです。普通のS字フックに掛けたら正面を向いてしまうバッグも、横を向くのでたくさん掛けることが可能です。

普通のS字フックでは、5個が精いっぱい
普通のS字フックでは、5個が精いっぱい
変形S字フックを使えば、9個も掛けられます♪
変形S字フックを使えば、9個も掛けられます♪

 

羽織りものはスラックス用ハンガー&S字フックに収納を

ショールやストールといった羽織りものの収納も、畳んでしまうと折りジワがついてしまうので、掛けて収納するのがベスト。

ショールの長辺の真ん中辺りにステンレス洗濯ばさみを留め、スラックス用ハンガーのフックに通し、角でストップ。

洗濯ばさみ&スラックス用ハンガーで、ずり落ちを防げます
洗濯ばさみ&スラックス用ハンガーで、ずり落ちを防げます

こうしておけば、ずり落ちることが防止できますし、洗濯ばさみを外しただけでショールを取り出せます。

スラックス用ハンガーは、ホームセンターなどで購入を
スラックス用ハンガーは、ホームセンターなどで購入を

また、幅の狭いストールやマフラーには、大きなS字フックがおすすめ。畳むよりずっと簡単に収納できます。

特大S字フックは、100均で買えます
特大S字フックは、100均で買えます

 

クローゼット以外でもOK!服の収納場所を変えてラクに

ところで、みなさんは服を家のどこに収納していますか。我が家は、寝室にクローゼットがあるのにも関わらず、和室の押し入れや床の間に服を収納しています。寝室より和室の方が便利だから……というのが、その理由。使い勝手のいい押し入れを、客用布団の収納に使うのはもったいないと思ったので、布団の代わりに自分の服を置くことにしました。

押し入れ用ハンガーラックで、カンタンに変身
押し入れ用ハンガーラックで、カンタンに変身
床の間も、ラックをセットすればクローゼットに早変わり
床の間も、ラックをセットすればクローゼットに早変わり

もし「うちのクローゼットもちょっと不便……」と思うなら、一度家の中を見回してみましょう。すべての服を移動させるのは無理でも、少しなら収納できそうな便利な場所が見つかるかも。そこに、普段着る服だけでも収納できれば、毎日の着替えがグンとラクになります。

服をクローゼット以外に置くことだって、一部だけを別の場所に収納することだって、自分がラクになるならそれでいい。生き活片づけは、「こうあるべき」「ずっとこうしてきた」という固定観念を取っ払うことから始まります♪

次回のテーマは、キッチン収納のコツです。作業場と呼ぶにふさわしいキッチンは、ラクにできるポイントの宝庫です。

「使いやすい食器の収納は?」「料理が面倒。どうしたらいい?」など、暮らしがラクに楽しくなる生き活片づけのヒントをご紹介します。お楽しみに!

文章&撮影(収納アイデア部分)=遠藤亜紀 構成=竹下沙弥香(ハルメクWEB) イメージ写真=PIXTA

■もっと知りたい■

遠藤 亜紀

えんどう・あき 2019年「ハルメク片づけ大賞」で準大賞を受賞。元JAL国際線客室乗務員の2児の母で、現在は「収納工房 CozyStyle 神戸」にて、片づけコンサルタントとして活躍中。お気に入りの座右の銘は「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」。家にあるものを生かした片づけ・収納が得意。

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