冷凍のタイミングと方法は?解凍後どうやって焼く?

プロと大実験!美味しく食パンを保存する&焼く方法

公開日:2021/05/01

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購入した食パン、どのタイミングで冷凍していますか?パン作りのプロ、東京製菓学校教師の高江直樹(たかえ・なおき)さんと一緒に、おいしさをキープするパンの冷凍保存の方法とベストな解凍方法を検証しました。

食パンの冷凍保存と試食を行ったメンバー

食パンの冷凍保存と解凍実験、試食を行ったメンバー

  • パン作りの講師!高江直樹さん

    パン作りの講師!高江直樹さん

    東京製菓学校パン科専任教師。パン製造技能士1級取得。プロを目指す人向けの製パン本などの監修も多い。
  • 撮影したパンは星の数ほど!南都礼子(なんと・れいこ)さん

    撮影したパンは星の数ほど!南都礼子(なんと・れいこ)さん

    写真家。パンの町・神戸生まれ、パンの国・フランス留学経験あり。雑誌「きょうの料理」などの料理撮影で活躍。
  • パン文化なら任せて! 畑中三応子(はたなか・みおこ)さん

    パン文化なら任せて! 畑中三応子(はたなか・みおこ)さん

    フードジャーナリスト、編集者。専門は食文化。近著に『〈メイド・イン・ジャパン〉の食文化史』(春秋社刊)。

食パンのおいしさをキープできる冷凍保存のタイミングは?

食パンのおいしさをキープできる冷凍保存のタイミングは?

「買って2日はそのまま食べて、3日目分から冷凍しています。だって2日ぐらい持つでしょう?」と思っている方は多いのではないでしょうか? そこで、どのタイミングで冷凍保存をした方が、食パンのおいしさが保たれるのか試食をしてみました。

「買ってすぐラップに包み2日間冷凍した食パン」と「袋を開封し、2日間常温で保存した食パン」を、家庭用オーブントースターで同じ時間分加熱して食べ比べてみました。なお、冷凍したパンは解凍せずそのまま焼いています。

実験結果:食パンは買ってすぐ冷凍保存。冷蔵や常温保存は絶対ダメ!

実験結果:食パンは買ってすぐ冷凍保存。冷蔵や常温保存は絶対ダメ!

実験をした結果、買ってすぐに冷凍保存した食パンは、「外はサクッ、中はふわっ!まるで焼きたてのよう」。2日間常温保存していたパンは、「古いパンのニオイが。食感もパサパサ……」に。

冷凍保存パンと常温保存パンの食べ比べでは全員、冷凍保存パンに軍配を上げました。

「パンの外側と内側に、食感のギャップがちゃんとあるのよね」(畑中さん)。「おいしさのギャップは、中に水分が残っていることで生まれるのです」と高江さん。「パンは、焼き上がった直後から水分が飛び始め、放置するほど乾燥が進み、おいしさが失われます。だから冷凍で、乾燥を遅らせるといいんです」。買ってきたら即冷凍、が、正解なのですね。

「ちなみに、油脂や砂糖はパンの日持ちをよくする効果があります。それらが一切入らないフランスパンは、焼き上がってから8時間以内に冷凍を!」と強調します。

また、「冷蔵保存派」の読者もいました。「パンの保存にはマイナス20℃が理想的。家庭用冷凍庫はマイナス18℃が標準ですが、これは許容範囲。冷蔵保存はやめましょう」(高江さん)

 

食パンをおいしく冷凍保存する方法は?

食パンをおいしく冷凍保存する方法は?

次は食パンをおいしくキープするための、保存方法について実験をしてみました。「食パンはいつも、袋ごと冷凍しています」という方が多いようです。そこで、「食パンの袋を一度開封し、再びクリップで口を留めて冷凍する方法」と「食パンを袋から出して1枚ずつラップに包んで冷凍する方法」を比較してみました。

実験結果:食パンは1食分ずつ密閉して冷凍を。ニオイや乾燥を防げます

実験結果:食パンは1食分ずつ密閉して冷凍を。ニオイや乾燥を防げます

それぞれ冷凍した食パンを家庭用オーブントースターで加熱した結果、「食パンの袋を一度開封し、再びクリップで口を留めて冷凍する方法」は焼きムラが発生し、サクッと感も少なめでした。一方、「食パンを袋から出して1枚ずつラップに包んで冷凍する方法」は、口当たり軽やか、中はふっくら!な焼き上がりになりました。 

いかほどの違いが? とみんなドキドキしながら試食。すると1枚ずつ冷凍保存した食パンの方が、「食感が軽くて、サクサクおいしい!」(南都さん)という評価に。焼き色も、こんがり均等につきました。

「冷凍庫内も乾燥しているので、面倒でも1食分ずつラップなどで密閉を。袋ごと冷凍すると、1枚取り出すたびに残りのパンが外気にさらされ、乾燥や酸化が進みます」(高江さん)。密閉すれば、冷凍庫内のニオイが付くのも防げるそう。

袋ごと冷凍したものは、焼きムラがありました。「冷凍に時間がかかる分、冷凍ムラが発生。それが焼き加減に影響するのでしょう」(高江さん)。

美味しくパンを保存する方法

食パンを冷凍保存する際には、ラップ+ジッパー付き袋でしっかりと包むことが理想ですが、片方だけでもOK。ストローで吸うなどして、できるだけ空気を抜くと一層おいしく冷凍保存ができます。フランスパンなどは、あらかじめカットをしておきましょう。

 

食パンをおいしく焼き上げる方法Q&A

魚焼きグリルで食パンがおいしく焼けるって本当?

魚焼きグリルで食パンがおいしく焼けるって本当?

A.直火でさっと焼くと格別!両面焼きなら本当に早いですよ。

パンの水分を飛ばさないためには、「できるだけ強火で、短時間で焼くのが鉄則。直火で焼けるグリル、特に両面焼きだと本当に早いですよ」(高江さん)。ただし焦げやすいので、目を離さず1~2分サッと。「トースターより香ばしくて好き!」(畑中さん)。片面焼きタイプなら3~4分。途中でひっくり返すことをお忘れなく(時間は目安です)。

分厚い4切り食パンは 冷凍したまま焼くと生焼けにならない?

A.常温と同じように焼けます。冷凍するとさらに中はふっくら。

実際に焼いてみたところ、問題なく内側まで焼けました。次に常温保存したものと食べ比べると、6枚切りとの違いを実感。「6枚切りより厚い分、常温保存でもパサつきは少ないですが、やっぱり冷凍保存の方がもっちりしますね」(高江さん)

 

大手メーカー食パン4種、味比べ!

近年、めきめきと技術が進化している大手メーカーの食パン。「超熟」(パスコ)、「ロイヤルブレッド」(ヤマザキ)、「麦ゆたか(現在:おいしい食パン)」(第一パン)、「本仕込」(フジパン)、4種類の6枚切りのパンの原材料を凝視し、においをかぎ、焼いて、味比べを行いました。プロたちの本音トークに注目です!

「超熟」(パスコ)は、 甘味があり、もっちり食感。日本人が好む味

「超熟」(パスコ)は、 甘味があり、もっちり食感。日本人が好む味。

「超熟」の原材料:小麦粉、砂糖、バター入りマーガリン、パン酵母、食塩、米粉、醸造酢(一部に小麦・乳成分を含む)


高江さん:甘い! 小麦粉の一部を熱湯でこねる「湯種製法」と、長時間熟成がカギ。でんぷんが水分をたっぷり吸収し、ゆっくり発酵することで、やさしい甘味としっとり感が出ます。

 畑中さん:「もちもち」は2000年代にヒットした、日本人が好む食感。超熟は米粉も入れて、かなり「もちもち」を追求していますね。 

南都さん:味も香りも食感もバランスがいい。まさに、“日本の力”って感じです。

 

ロイヤルブレッド(ヤマザキ)は、バター風のリッチな味わい。若い人には人気かも

ロイヤルブレッド(ヤマザキ)は、バター風のリッチな味わい。若い人には人気かも

「ロイヤルブレッド」の原材料/小麦粉、糖類、マーガリン、バター、パン酵母、食塩、発酵種、脱脂粉乳、植物油脂、乳化剤、イーストフード、V.C(原材料の一部に乳成分・小麦・大豆を含む)

南都さん:ロイヤルブレッドは、開けると、独特の香りが。リッチな味わいがします。

畑中さん:ロイヤルブレッドは、バターをたっぷり使った「デニッシュブレッド」に近いけれど、うーん、一歩手前という感じ。食感はサクサクと軽くて悪くないです。

 高江さん:ロイヤルブレッドは、他の食パンと違って、バターとマーガリンを両方使っている分、味と香りが強いのでしょう。若い人には人気かもしれませんね。
 

本仕込(フジパン)は、厚い耳、しっかりした焼き。香ばしさが際立つ 

本仕込(フジパン)は、厚い耳、しっかりした焼き。香ばしさが際立つ 

「本仕込」原材料/小麦粉、砂糖、バター入りマーガリン、脱脂粉乳、食塩、ショートニング、パン酵母、発酵風味料、ビタミンC(一部に乳成分・小麦を含む)

畑中さん:実は「もちもち」のパイオニアは1993年発売の「本仕込」。炊きたてのご飯の粘りを目指したそう。変わらず、しっとりやわらかいね。

南都さん:袋を開けたときにも香ばしい香りがしてきますね。超熟に似て、日本人が好きな味のように感じます。

高江さん:耳が厚く、味もしっかりと感じられて、程よく甘い。しっかり焼きこむことで、この風味が生まれています。

麦ゆたか(第一パン)は、唯一さっぱり軽い塩味。サクサクッと食べやすい!

麦ゆたか(第一パン)は、唯一さっぱり軽い塩味。サクサクッと食べやすい!

「麦ゆたか」の原材料/小麦粉、ぶどう糖果糖液糖、ショートニング、パン酵母、砂糖、食塩、脱脂粉乳、発酵風味料、乳化剤、酢酸Na、イーストフード、ビタミンC(一部に小麦・乳成分・大豆を含む)。※現在「麦ゆたか」は、「おいしいパンにリニューアル」しています。関東圏内で展開するスーパー「マルエツ」限定品です。

南都さん:サクサクしていておいしい! 私、一番好きです。塩味も際立っていて、食事にも合わせやすいのでは。

畑中さん:米でいうと「ササニシキ」。さっぱりしていて、個性が抑えられている。昔ながらの風味ですね。 

高江さん:バターやマーガリンの代わりにショートニングを使っていますね。ショートニングって無味無臭。だからさっぱり感じるのでしょう。

 

食パン豆知識:食パンの形状から味がわかる

食パン豆知識:食パンの形状から味がわかる

「ロイヤルブレッド」、「超熟」、「本仕込」の上部は凹んでいて、「麦ゆたか」は真四角。「形状からも甘さが判断できます。甘い生地ほどやわらかくなるので、焼くときに上部が凹みやすいのです」(高江さん)。なるほど! 
 

取材・文=田渕あゆみ  撮影=南都礼子  編集協力=畑中三応子(オフィスSNOW)

※この記事は、雑誌「ハルメク」2017年7月号を再編集しています。

 

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