重箱や食材の種類など、おせち料理の意味や豆知識

おせちの中身の定番は?具材の意味や種類・由来を紹介

公開日:2020.10.08

更新日:2022.12.29

日本のお正月の伝統料理「おせち」。今さら人に聞けない、おせち料理の種類や重箱への詰め方や、おせち料理の具材の意味や豆知識、祝い肴とは何かを解説。また最近のトレンドをチェック!一人前ずつのおせちや、スイーツおせちも登場しています。

おせち料理は大きく分けて5種類に分類される

おせち料理は大きく分けて5種類に分類される

お正月に欠かせない、おせち料理。漢字では御節料理と書きます。おせち料理は、重箱に保存がきいて日持ちする料理が詰められています。

おせち料理が作られた由来として、正月の三が日はゆっくりと休めるようにするためのものという説もあります。しかし本来の由来は、元旦に年神様を迎える上で、煮炊きに火を使わないことが習わしとされてきたからだそう。

地域によっても異なりますが、おせち料理の品数は、細かく分類すると約30種類ほどあるといわれています。そんな多種多様なおせち料理を大きく分けた場合、一般的に5種類に分類できるようです。

おせち料理の分類

  • おせち料理の種類1:祝い肴
    祝い肴とは、お正月や結納といった、お祝い事のときに食べる「祝い膳」の前にふるまわれる酒の肴です。
     
  • おせち料理の種類2:口取り
    口取りも酒の肴であり「口取り肴」の略語になります。おせち料理の中では、最初に食べる料理です。
     
  • おせち料理の種類3:焼き物
    焼き物は、主に魚介類を炭火などで焼いた料理です。海の幸の中でも縁起物とされるタイやブリ、エビといった食材が選ばれます。
     
  • おせち料理の種類4:酢の物
    おせち料理の中でも箸休めとなる酢の物。日持ちがよいため、おせちに欠かせない料理の一つです。
     
  • おせち料理の種類5:煮物
    山の幸を主役とした煮物もおせち料理の定番です。一般的に筑前煮や煮しめなどがふるまわれます。

代表的なおせちの重箱への詰め方

重箱に詰められたおせち料理は、新年から「幸せを重ねる」という意味を持つといわれていますが、その詰め方にも決まりがあることをご存じでしょうか? 現在は使用されている重箱は、三段重が一般的です。ここでは、正式とされる四段重の詰め方をご紹介します。

  1. 一(初)の重
    重箱の一番上になる一(初)の重には、黒豆、伊達巻、栗きんとん、かまぼこ、ごぼう、数の子、田作り、といった、祝い肴や口取りにあたるものを詰めます。たくさんの料理を隙間なく入れてください。
     
  2. 二の重
    二の重には、タイやブリ、エビなどの焼いた海の幸を詰めていきます。肉類や揚げ物もここに入れてください。食材を小さくして詰めるよりも、一つ一つの食材を大きく詰めましょう。
     
  3. 三の重
    ここには、紅白なますや菊花かぶといった酢の物を詰めます。隙間ができる場合、二の重や与(四)の重 に入りきれない料理を詰めても問題ありません。
     
  4. 与(四)の重
    煮物を重箱いっぱいに入れましょう。蓮根や里いも、ごぼうやくわいなど、山の幸で作った筑前煮や煮しめをたっぷりと詰め込むことがポイントです。
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三段重の場合は、一の重に祝い肴と口取りにあたるもの、二の重に焼き物と酢の物、三の重に煮物を詰めるのが一般的です。
 

おせち料理の種類と具材に込められた意味は?

おせちの具材の意味とは?

おせち料理は、年神様(としがみさま)をもてなすためのお供え料理でもあり、一つ一つに新年らしい願いが込めらたものがそろえられます。ここでは、代表的な料理の種類や御節料理に使われる定番食材の意味をご紹介していきます。

 

おせちの定番食材の意味1:黒豆

おせちの黒豆

黒く日焼けするほど、マメで勤勉な生活を送れるようにとの願いが込められているとされる黒豆。また、邪気祓いの意味もあるといわれてます。

おせちの定番食材の意味2:人参と大根の紅白なます

人参と大根の紅白なます

赤と白の色どりがおめでたい紅白なますは、祝いの水引をかたどったものといわれています。平和や平安が、根菜のように深く根を張ることを願います。

おせちの定番食材の意味3:伊達巻

伊達巻

伊達巻は、その形が巻物に似ているところから、知識が増えるようにとの願いが込められた料理とされています。

おせちの定番食材の意味4:いくら

いくら

めでたさや豪華さを表す、鮮やかな赤色のいくら。角がない食材のため、1年間を円満に過ごせるようにとの願いが込められているといわれています。

おせちの定番食材の意味5:栗きんとん

栗きんとん

きんとんは、漢字で「金団」と書かれるため、その色味を黄金に例え、金運を呼ぶとされています。また、栗は「勝ち栗」ともいわれる縁起物でもあります。

おせちの定番食材の意味6:昆布巻き

昆布巻き

「よろこぶ」に通じるとされる「こぶ」は、縁起のよい食材とされています。「こぶ」を「子生」と書き、子孫繁栄の願いを込めることもあるようです。

おせちの定番食材の意味7:かまぼこ

かまぼこは、紅白や松竹梅などをかたどって新年のおめでたさを表現した食材です。赤には魔除け、白には清浄の意味があるといわれています。おせちの定番食材の意味

おせちの定番食材の意味8:ごぼう

地中深くに根を張るごぼうには、家の基礎が頑丈であり続けること、また、家系が代々続くようにとの願いが込められているそうです。

おせちの定番食材の意味9:焼き物

焼き物

縁起物の意味を持つ海の幸を使った焼き物。それぞれに縁起のいい意味が込められています。

  • タイには、「めでたい」のごろ合わせ
  • ブリ、鮭は、立身出世を願う意味が。
  • 海老はゆでると腰が曲がることから、長寿の願いが込められています

おせちの定番食材の意味10:数の子

数の子

数の子は、ニシンの腹子です。二親(にしん)の子に通じており、卵の数が多いことから、子孫繁栄を願う縁起物とされています。

おせちの定番食材の意味11:れんこん

れんこん

れんこんにはたくさんの穴が空いているため、将来の見通しがきくようにとの願いが込められているといわれています。

おせちの定番食材の意味12:田作り

田作り

干した片口イワシの稚魚を飴炊きにした田作り。片口イワシを農作物の肥料として使ったところ、豊作になったという言い伝えにあやかり、田作りは五穀豊穣を願った料理とされています。また、「五万米」の字を当て「ごまめ」とも呼ばれています。

おせちの定番食材の意味13:くわい

くわい

丸い塊茎から大きな芽が突き出ていることから、「芽出たい(めでたい)」という意味を持つくわい。空に向かってまっすぐ伸びた芽を出すくわいの姿を、出世する人間の姿に重ね合わせ「立身出世」の願いが込められています。調理するときは、六角形または八角形に形作ります。これは万年生きるとされる亀を象り、「不老長寿」を意味しています。
 

おせち料理の祝い肴とは?

祝い肴

祝い肴とは、祝いの膳に用いる酒の肴です。おせち料理の中でも重要な料理であり「重箱がなくても祝い肴さえあれば、お正月を迎えられる」といわれるほど。

昔は、三という漢字が完全を意味するとされたところから「祝い肴三種」、また「三つ肴」「三種肴」とも呼ばれます。祝い肴三種は、関東の場合、数の子・黒豆・田作り。関西の場合、数の子・黒豆・たたきごぼうとなります。
 

最近のおせちのトレンドは?1人前も手軽に楽しめる

おひとり様のおせち

おせち料理にもトレンドがあります。最近の傾向としては、1人前や少人数でも手軽に楽しめるおせち料理が人気です。また、コロナウィルスの影響から巣ごもり消費が増えたため、高級なおせちや、1人前ずつのも大きな注目を集めています。

ワンプレートおせち

昨今のおせち料理のトレンドといえば、ワンプレートおせちではないでしょうか。1枚のお皿に少しずつ料理を飾りつけるワンプレートおせちは、重箱に入ってなくとも華やかな新年の門出を迎えることができそうです。

高級お取り寄せ

ぎっしりと高級食材が詰まった豪華なおせち料理を、人気レストランや料理店、有名デパートなどからお取り寄せするスタイルも最近のトレンドです。また、おせち料理を少しだけ食べたい人に最適な、少量サイズが販売されていることもあります。

大家族向け・3世代向け

おせち料理の盛りつけを重箱にこだわらない家庭も多く、料理を大皿に飾りつけ、オードブル形式にふるまうスタイルも増えているようです。また、子どもがいる家庭でのおせち料理には、ハンバーグやローストビーフなどの洋風料理も織り交ぜたものが人気といわれています。

親戚がそろったとき

親戚や友人・知人がそろったときは、コロナウイルス感染予防対策として、重箱に詰められたおせち料理をみんなでつつくのではなく、1人につき1つ、おせち料理を用意するスタイルが話題です。通販で購入すれば、準備や後片付けも簡単そうなので、以降も定番のスタイルになるかもしれませんね。

甘いおせち?注目のスイーツおせちとは?

「Le TAO」
チーズケーキが人気の「Le TAO」の毎年完売となるスイーツおせち。2段のお重にぎっしりと色取り豊かなスイーツが詰め込まれています。
LeTAO スイーツおせち2021 25,920円(税込・送料込み※価格変動する可能性があります)
問い合わせ先 0120-222-212

おせち料理の中には、栗きんとんや黒豆、伊達巻や田作りなど、甘く味付けした日持ちのいいものもあります。このような甘い料理ばかりを重箱や豪華なケースに詰め込んだ「スイーツおせち」が注目を集めているようです。

栗のモンブランや黒豆が入った大福をはじめ、落雁や求肥、寒天などでおせち料理を模したものなど、さまざまなスイーツをおせち料理として楽しむことができるようです。

おせち料理は、たくさんの願いが込められた、日本のお正月の行事食です。それらの意味や由来を知るだけでも、おせち料理との向き合い方が変わってくるかもしれません。家族や親戚、友人・知人と、一つ一つの料理や食材の意味を話しながらおせち料理を楽しみ、新しい1年間を迎える心構えをしてみてはいかがでしょうか。

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