夏野菜のおいしい調理方法を学ぶ

夏野菜レシピ10選!暑い夏でも簡単に作れるおかず集

公開日:2020.08.21

更新日:2022.08.03

夏野菜といえばカレーが人気ですが、それだけじゃもったいない! 料理研究家の瀬尾幸子さんが教えてくれた“あと一品”に最適なおかずレシピは、簡単にできるものばかり。ピーマンやナス、ゴーヤを使った、暑い季節におすすめの夏野菜レシピを紹介します。

夏野菜レシピ10選!
夏野菜レシピ10選!

おいしい夏野菜は“調味”より“調理”方法が大切!

考え始めるとなかなか思い付かない“あと一品”のおかず。特に気温が高い夏場は、火を使う料理がおっくうになる人も多いようです。

でも「それは副菜も手をかけなければと思っているから。夏野菜はそのままでも十分おいしいから、シンプルな味付けでいいんです。おいしいものは案外すぐ近くにありますよ」と、笑顔で語る瀬尾さん。

料理研究家・瀬尾幸子さん
料理研究家・瀬尾幸子さん

「大切なのは“調味”より“調理”。食材が引き立つような切り方、加熱の仕方です。『1cm角に切って4分炒める』と本に書いあっても、大体の人はもう少し大きめに切り、炒め時間は短くなりがちです」

そこで今回は、おすすめの調理方法とともに、簡単でおいしい夏野菜レシピを教えてもらいました。

「だまされたと思ってレシピ通りに作ってみてください。おいしさの違いがわかると思います。正しく3回作ると、コツが身に付きますよ」

 

「ピーマン」をおいしく食べる夏野菜レシピ

▼ピーマンのおいしい調理方法:斜め切りで甘さを引き出す

ピーマンのおいしい調理方法

ピーマンは食感を残せる輪切りと、長さをとれる細切りのいいとこ取りの「斜め切り」がおすすめ。3〜4分間しっかり炒めれば青臭さがなくなり、甘さが引き立ちます。

ピーマンと鶏皮の中華風酢のもの

ピーマンと鶏皮の中華風酢のもの

材料 (2人分)

  • ピーマン……5個
  • 鶏皮(どの部位でも可)……40g
  • ゴマ油……小さじ2
  • ニンニクのみじん切り……小さじ1/3

【A】 

  • 酢、しょうゆ……各大さじ1
  • 砂糖……小さじ1

作り方・レシピ

  1. 鶏皮をさっとゆでて余分な脂を包丁で取り、千切りにする。
  2. ピーマンを縦半分に切ってヘタと種を取り、斜めに1cm幅に切る。
  3. フライパンを中火で熱し、ゴマ油をひいて「2」を3〜4分炒める。火が通ったら、ニンニクを加えて炒める。
  4. ニンニクの香りが出たら「1」を加えて火を止める。「A」を混ぜて加え、全体を混ぜ合わせる。

★調理のポイント
レシピがシンプルな分、ピーマンの炒め方が肝。焦がさず、炒めムラがないように全体をよく返しましょう。

ピーマンと豚肉の甘辛炒め

ピーマンと豚肉の甘辛炒め

材料 (2人分)

  • ピーマン……5個
  • 豚肩ロース薄切り肉……100g
  • ゴマ油……小さじ2
  • ショウガの千切り……5g

【A】 

  • しょうゆ……小さじ2
  • 砂糖……小さじ1

作り方・レシピ

  1. ピーマンは縦半分に切ってヘタと種を取り、斜めに1cm幅に切る。豚肉は1cm幅に切る。
  2. フライパンを中火で熱してゴマ油をひき、ピーマンとショウガを3~4分炒める。火が通ったら、フライパンの端に寄せ、空いたところで豚肉を炒める。
  3. 豚肉に火が通ったら全体を混ぜ、「A」を加えて水気がなくなるまで炒める。

★調理のポイント
豚肉を加えるときは、ピーマンはフライパンの端に寄せて。ピーマンを保温しながら、効率よく豚肉を炒められます。

 

「ナス」をおいしく食べる夏野菜レシピ

▼ナスのおいしい調理方法:素焼きでジューシーに

素焼きでジューシーに

ナスは水分が多いので、油なしでも焼けます。表面に焦げ目がつき、箸で触ってやわらかくなるまで焼けば、とろりとした食感でうま味たっぷり。品種改良が進んでいるので、スーパーで売っているものならアク抜きは不要です。

焼きナス

焼きナス

材料 (2人分)

  • ナス……3本
  • おろしショウガ……小さじ1

【A】 

  • かつお節、オリーブオイル、しょうゆ……各適量

作り方・レシピ

  1. ナスはヘタを取り、厚さ1cm弱の輪切りにする。フライパンを中火で熱し、油をひかずに1を並べ、両面に焦げ目がついてやわらかくなるまで焼く。
  2. 皿に盛っておろしショウガを添え、「A」をかける。

★調理のポイント
火が通り切らず硬いままだとおいしさが半減。やわらかくなるまでじっくり焼くこと。

焼きナスのポン酢サラダ

焼きナスのポン酢サラダ

材料 (2人分)

  • ナス……3本
  • 万能ネギ……2本
  • しゃぶしゃぶ用豚肉……100g

【A】 

  • 酢、しょうゆ、白すりゴマ……各大さじ1
  • 砂糖、ゴマ油、豆板醤……各小さじ1(豆板醤の量は好みで加減する)

作り方・レシピ

  1. ナスを厚さ1cm弱の輪切りにし、素焼きする。万能ネギを斜めに切る。
  2. 豚肉を沸騰直前の温度の湯で、さっとゆでる。
  3. 「1」と「2」を混ぜ、器に盛って「A」をかける(しばらく置き、味をなじませてもおいしい)。

★調理のポイント
豚肉は、沸騰する直前の湯に入れ、弱火でゆでると、やわらかく、食感よく仕上がります。

ナスのイタリア風前菜

ナスのイタリア風前菜

材料 (2人分)

  • ナス……2本
  • 小ぶりのトマト……2個

【A】 

  • オリーブオイル……大さじ1
  • レモン汁……小さじ2
  • 塩……小さじ1/2
  • コショウ……少々

【B】

  • パセリまたはバジルのみじん切り……少々
  • 粉チーズ……少々

作り方・レシピ

  1. ナスを厚さ1cm弱の輪切りにし、素焼きする。
  2. トマトはヘタを取り、厚さ7mmの輪切りにする。フライパンを中火で熱し、両面を焼く(分量外のオリーブオイルをひいてもよい)。
  3. 「1」を器に盛って「2」をのせる。「A」をかけた後、「B」を振りかける。

★調理のポイント
トマトも焼いてうま味をぎゅっと閉じ込めます。パセリは冷凍しておくと便利です。

ナスの揚げ浸し

ナスの揚げ浸し

材料 (2人分)

  • ナス……3本
  • 揚げ油……適量

【A】

  • ポン酢、水……各50mL
  • 大葉の千切り……適量

作り方・レシピ

  1. ナスはヘタを取り、大きめの乱切りにする。
  2. 揚げ油を170度に熱してナスを入れ、やわらかくなるまで揚げる。
  3. ボウルに「A」を混ぜて、揚げたての「2」を熱々のうちに漬けて冷ます。
  4. 器に盛り、「3」の漬け汁をかける。大葉を添える。

★調理のポイント
「台所が汚れる」と敬遠されがちな揚げ物ですが、「実は台所を汚すのは揚げ物よりも炒め物」と瀬尾さん。揚げ油がはねるのは、ナスのタネに水分が残っているか、油の温度が高過ぎるから。タネを入れて、シュワシュワと泡が出るくらいの温度が目安です。

 

「ゴーヤ」をおいしく食べる夏野菜レシピ

▼ゴーヤのおいしい調理方法:半月切りでじっくり加熱!

半月切りでじっくり加熱

ゴーヤは縦半分に切ったら、スプーンや指でワタと種を取って半月切りに。炒め物には5mmほどの厚さが食感よく便利ですが、火を通しやすくするなら2mmほどの厚さに。じっくり加熱すると、ほどよい苦味になります。

ゴーヤと粒コーンのサラダ

ゴーヤと粒コーンのサラダ

材料 (2人分)

  • ゴーヤ……1/2本
  • ハム……2枚
  • サラダ油……小さじ2

【A】

  • 粒コーン……1/2カップ
  • マヨネーズ……大さじ1
  • 塩、コショウ……各少々

作り方・レシピ

  1. ゴーヤは縦半分に切って、ワタと種をスプーンや指で取る。厚さ5mmの半月切りにする。ハムを短冊切りにする。
  2. フライパンを中火で熱し、サラダ油をひいて、ゴーヤをやわらかくなるまで炒める。
  3. ボウルにハムと「2」と「A」を入れて和える。

★調理のポイント
ゴーヤは表面に透明感が出て、「U」型の切り口がしなってくるまでしっかり炒めましょう。

ゴーヤと厚揚げのチャンプルー

ゴーヤと厚揚げのチャンプルー

材料 (2人分)

  • ゴーヤ……1/2本
  • 厚揚げ……1枚
  • ゴマ油……大さじ1

【A】

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  • 顆粒鶏がらスープの素……ふたつまみ
  • 塩……小さじ1/3
  • コショウ……少々
  • 卵……1個

作り方・レシピ

  1. ゴーヤを縦半分に切って、ワタと種をスプーンや指で取る。厚さ5mmの半月切りにする。
  2. 厚揚げを食べやすい大きさに切る。
  3. フライパンを中火で熱し、ゴマ油をひいて「1」を入れ、やわらかくなるまで炒める。
  4. 「2」を加えて炒め合わせ、「A」で調味する。
  5. 卵を溶き、「4」に加えて炒める。

★調理のポイント
最近の厚揚げは油がきつくないものも多いので、匂いが気にならなければ油抜きはいりません。

ゴーヤチヂミ

ゴーヤチヂミ

材料 (2人分)

  • ゴーヤ……1/2本

【A】 

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  • 卵……1個
  • 小麦粉……1/2カップ
  • 水……1/3カップ
  • 塩、コショウ……各少々
  • ゴマ油……大さじ3

【B】

  • 酢じょうゆ(またはポン酢)、コチュジャン……各適量

作り方・レシピ

  1. ゴーヤは縦半分に切って、ワタと種をスプーンや指で取る。2mmほどの半月切りにする。
  2. ボウルに「1」、「A」を入れて混ぜる。
  3. フライパンを中火で熱し、ゴマ油をひいて「2」を流し入れる。広げて焼き、焦げ目がついたら裏返す。両面に焦げ目がつき、火が通るまでじっくり焼く。
  4. 食べやすい大きさに切って盛り、「B」をつけていただく。

★調理のポイント
チヂミの焼き加減は、ゴーヤの部分を箸で刺し、すっと通ればOK。

ゴーヤのワタとのりのかき揚げ

ゴーヤのワタとのりのかき揚げ

材料 (2人分)

  • ゴーヤのワタ……1/2本分
  • のり……1/4枚

【A】 

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  • 市販の天ぷら粉……1/3カップ
  • 水……1/4~1/3カップ
  • 揚げ油……適量
  • 塩、レモン……各適量

作り方・レシピ

  1. ゴーヤのワタを食べやすい大きさにちぎる。のりもちぎる。
  2. ボウルに「1」と「A」を入れて混ぜる。
  3. 揚げ油を150度くらいの低温に熱し、スプーンで2をすくって入れる。カリッとするまでじっくりと揚げる。
  4. 塩、レモンをつけていただく。

★調理のポイント
ゴーヤのワタや種はビタミンCなどの栄養が豊富。揚げればワタはフワッと、種はカリッとした食感に。種は包丁だと切れてしまうので、ワタごと手でちぎるのがおすすめ。
 

■教えてくれた人

瀬尾幸子さん

せお・ゆきこ 料理研究家。基本を大切にしながらも、簡単においしく作れる工夫に富んだレシピに定評がある。『一人ぶんから作れるラクうまごはん』(新星出版社刊)など著書多数。TV、雑誌でも活躍中。

取材・文=大矢詠美(ハルメク編集部) 撮影=小林キユウ スタイリング=本郷由紀子

※この記事は、雑誌「ハルメク」2018年7月号に掲載された内容を再編集しています。

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