女性の50歳からの生き方│人生を豊かにするコツ11
2024.01.172023年05月26日
あのおまじないができなかった…
歯に想う ~乳歯編~
十数年間手元に置きしまっていた、娘の乳歯ストーリーです。よく知られた、乳歯に関するおまじない……。これができなかった状況と気持ち。乳歯の安住の地は、縁の下と屋根の上以外にもありました!
乳歯が抜けた!おまじないの出番です!?
さて、子どもの乳歯が抜けたときのおまじないといえば……。
ほとんどの方が、このおまじないを思い浮かべるのではないかと思います。
それは、上の乳歯が抜けたときは家の縁の下に。下の乳歯が抜けたときは屋根の上に放り投げる。というおまじない。いずれも、のちに丈夫な永久歯が生えてくることを祈っての、掛け声がセットになっています。
「鬼の歯より強くなれ~~」私の乳歯は、このフレーズに和風メルヘンな節をつけられ、縁の下や屋根の上に放り込まれていたのでした。
ジャックと豆の木の童話を思い浮かべ、もしや屋根の上に投げこまれた歯から何かが生えてきたらどうしようかと、少々こわばり緊張していました。同時に歯が抜けたあとのクレーターのような、ちょっと血の味がする歯肉が気になり、ついつい舌でふたをしていたことも鮮明に覚えています。
18本の乳歯の今
時間は流れ、今度は放り投げる番が私にまわってきました。が、残念ながらこのドキドキワクワクなおまじないを、娘に経験させてあげられませんでした。
マンションでの子育てでしたので、抜けた乳歯のおまじないをする場に恵まれなかったのです。かといって、何もせずに処分することなど気後れしてできません。
とりあえず、乳歯保管容器を作りました。劣化を防ぐため、ふたに空気穴をあけた簡易なものです(今は検索すると、かわいい乳歯入れ容器が見つかりますが)。身近な場所に置き、いつも気に掛けてはおりました。
しかし、度重なる引越しもありつつ日々に忙殺され、いつしか忘却の彼方に。
今回、ハルトモ倶楽部のテーマを探しているときに、ふと、この乳歯の存在を思い出し、十数年ぶりに瓶のふたを開けました。
全部で18本ありました。小さいながらも、くっきりとした犬歯。大きめのしっかりした臼歯など、それぞれ大切な役割がある歯です。とっても愛おしく感じました。
命に直結する食べ物のおいしさや歯ざわりはもちろんのこと、覚えたばかりの言葉を話す際には発声の手助けもしてくれ、そして何より幼少期のこぼれる笑顔にその歯は欠かせません。
本来乳歯は全部で20本あるらしいのですが、瓶の中には18本。残りの2本はどうなった!?
目を閉じ、記憶を思いっきり遡りました。娘と公園で遊んでいた時に抜けた歯を忘れてきてしまった、という夫の報告を思い出しました。あとの1本は、所在不明です(*_*;
長年気になっていた十数年来の乳歯……新たな想い
十数年ぶりに再会したこの乳歯、さてどうしようか?
「歯歯塚」の存在に思い至りました。抜けた歯を労り、ともに働いてくれた歯の安住の地。早速、以前住んでいたことのある名古屋の大須観音(寶生院)の一画にある「歯歯塚」に行ってきました。
おまじないこそできませんでしたが、おかげさまで娘には、その後丈夫な永久歯が生え揃い、この歯が一生涯を通して大切な役割を担ってくれますことに、心からの感謝の意を伝えてきました。
本堂でお受けした納歯袋に、再会の済んだ乳歯たちを入れ供養をお願いしようと思いましたが、なんだか愛着が湧いてきてもうしばらく手元に置いておきたくなり、結局持ち帰ってきてしまいました。
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