ちょっとだけコレクション

幸せをひと匙

公開日:2023.06.14

小さなくぼみにそっとのっている幸せを……ひと匙くわえてみませんか。

人生の匙加減

人の人生はいろいろ。この年齢になると、なおさら千差万別の人生があるものだと思います。

でも、人はそれぞれ生まれも育ちも違うけど、今より幸せになりたい、前進したいと思う気持ちは同じなのではないでしょうか。私もほんのひと匙、深みを増した人生を生きたいものだと思うこの頃です。

いつの頃からか、カップの中でくるくる回すスプーンに興味を持ちました。そんな折に誰だったか、いつだったかも忘れてしまいましたが、「スプーンは幸せの象徴なんですよ」という話を聞きました。

たしかに「子どもの誕生に銀のスプーンを贈ると、その子は一生食べものに困らずに生きる」という話も聞きました。

いわゆる銀のスプーンをくわえて生まれてきた、などとも言います。キリスト教の洗礼式にスプーンを贈る風習や、婚約時に男性から女性に木製のスプーンを贈る習わしもあります。

スプーンのくぼみに、きっと幸せがのっているのかもしれませんね。

集め始める

人生途中の転機でもう一度大学に入り直し、学び始めました。

美術史に興味を持ち、絵画や建築、文化などを世界中で見て歩くようになり、いろいろな土地のお土産代わりに手軽なスプーンを買い求めるようになりました。

集め始める
ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボの職人の店で買ったスプーン

訪れた国々、街の食器屋さんのカトラリーコーナーをのぞくのが楽しくなりました。鍛造職人のお店で、タンタン叩いて製作されたものを買い求めることもありました。

スプーンにはやはり特別な気持ちがこもっているのかもしれません、あのくぼみに。…そう思うのは私だけなのでしょうか。

お気に入りたち全員集合

お気に入りたち全員集合
私がスプーンを集めていることを知り、お土産にいただいたものも含まれます

街のマーケットで、薄暗い小さな店先で、クリスマスの屋台で、レストランの片隅で、路地裏の店先にほこりをかぶっていたもの、ボートベローの骨董市で、オペラ座前のサンデーマーケットで……。

どれも買い求めた先はそれぞれですが、手にした時にワクワクを感じたものたちです。集めている多くのものは、お土産用のスプーンですから眺めているだけですけど……。

お気に入りたち全員集合
国内の箱根寄木細工のスプーンも含まれています(右から2番目)

私のささやかな、スプーン・コレクションはまだ当分続きそうです。

お気に入りたち全員集合
これらのスプーンは実用に適さず、日常使用はしていません。コレクションとして楽しんでいます

■もっと知りたい■

富士山の見える町で暮らす元気なアラウンド70歳。半日仕事をし、午後はジムで軽く運動。好きなことは絵画を見ることと針仕事。旅先の町で買い求めた布でポーチやバッグを作っています。雨の土曜日は映画を観て、晴れた土曜日には尾根道を3時間ほど歩く。楽しいことが大好きです

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