ドレスやコートに大・変・身!

きものリフォーム・ちょっと大作。ドレスとコート

公開日:2019.04.01

きものをいろいろなものにリフォームすることが好きなやまきさん。過去30年間に手がけた作品とその背景にある物語を綴ります。今回はやまきさんが、ちょっと大作だと思うドレスやコートを見てください。

きものリフォーム・ちょっと大作。ドレスとコート
打掛から作ったウェディングドレス

打掛から作ったウェディングドレス

長女が結婚を決めて、会場やドレス選びに奔走している頃でした。

長女は事前に相談もなく突然白い打掛を広げました。鶴が羽ばたいている柄で、貸衣装店で販売されていたそうです。

「これで二次会に着るウェディングドレスを作って」と言います。デザインはマーメードがいいそうです。

まず打掛をほどきました。裾には予想以上の綿が入っていました。表地は絹です。手洗いしてアイロンをかけて見てみますと、汚れや傷みはありません。

図書館に行くと、『手作りのウェディングドレス』という本がありました。しかもマーメードの製図と作り方が書いてありました。さっそく長女の体形にあわせて製図をしましたが、このデザインは切り換えが多いうえ、きもの幅の布での裁ち合わせにはずいぶん時間がかかりました。

何回も補正を繰り返し、体にぴったりで長い裾のドレスができました。このウェディングドレスは新婚旅行に持って行きました。帰国してから「着心地がいいから丈を短くしてピンクに染めて」というので、短くして染めました。

むらなく染まったのですが、ワンショルダーでひざ丈のドレスは着る機会もなく、端切れを保管しているケースに入ったままです。
 

結婚式のためのドレスと式服

色無地で作ったドレス(次女)と打掛リフォームのウェディングドレス(長女)
色無地で作ったドレス(次女)と打掛リフォームのウェディングドレス(長女)

 

次は長女の夫の弟の結婚式です。長女のお姑さんは、長男の結婚式に新調された留袖を、次男の結婚式は「ドレスにして着たい」とおっしゃるのです。

家族の服しか作ったことがないし、一度しか着ていない留袖に鋏を入れるのはためらいましたが、ドレスだと一人で着られるということで作りました。

デザインは思いつきです。留袖の裾模様の部分を斜めにして胸にあててみると華やかです。柄のある上前のおくみはスカートに使いました。

長女はその出来上がりが気に入ったようで「私もきものドレスが着たい」と言いだしました。それで絵羽織から作りました。身頃はカシュクールです。

孫娘のドレスは、踊りをされていた人からいただいた透けたきもの(素材はオーガンジー)からのリフォームです。透けているのでピンクの長襦袢でアンダードレスを作りました
 

写真:留袖&絵羽織からリフォームしたドレスで結婚式に参列(右の3人)
写真:留袖&絵羽織からリフォームしたドレスで結婚式に参列(右の3人)

 

これらのドレスはギャザーたっぷり、ウエストはリボンでカバーするという単純なデザインでしたが、きものリフォームということで好評でした。

新品同様の留袖に鋏を入れたことで、きものを切るというためらいがすっかり消えました。

『着ないものは切って着よう』をモットーにどんどん洋服にリフォームしました。留袖などは黒地が残るので、レースと組み合わせて長女の式服を作りました。

レースと組み合わせた式服
レースと組み合わせた式服

 

コート3種

白大島、真綿紬、羽織からコート
白大島、真綿紬、羽織からコート

『切る』ためらいがなくなったので、立て続けに三着のコートを作りました。色、素材、デザインを変えて作ったので初秋から春過ぎまで、天候に合わせて着用しています。

春は白大島のコートです(写真左)。裏は肩だけ付けました。ボタンは、既成のニットの前開きベストについていたものです。

秋は小紋柄の真綿紬のコートです(写真中)。洋裁の月刊誌に載っていた脇に飾り布が付いたデザインです。

冬は羽織から作ったマフラー付きのコートです(写真右)。裏を付けました。マフラー部分はわざと別布を用いました。今後好みの布に出会ったら取り換えてもいいなと思っています。
 

次回はこども(孫)服を予定しています。

やまきひろの

3世代6人家族で暮らし、家事を担当する主婦です。孫の世話もしており、旅行も孫連れが多いです。趣味はきものリフォームで、完成に至るまでのいきさつを交えながら作品を紹介していきます。

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