私自身の足跡を残していきたいと思うようになるまで

どん底から気持ちを立て直すために行動してみる

公開日:2018.10.06

50代で遭遇した6人との死別。大切な人を交通事故や、乳がんや胆管がんといった病で亡くし、大きな悲しみから立ち直っていく経験談。どん底まで落ちた気持ちを、徐々に立て直していくためにとった行動とはー。

悲しいことが続きました

前回まで私の大切な人たちとの別れについてお話してきました。

50代では他にも叔父や叔母、昔お世話になった方も旅立ちました。慣れることのない寂しさが続きました。

 

自助グループに参加する

当時自分でも何とか気持ちを立て直さなくてはいけないと思っていました。そんな時知り合いから紹介され、ある自助グループに参加しました。交通事故で身内を亡くした人たちが毎月1回集まる活動です。

12名くらいの方がいらっしゃいました。同じ境遇の人達だからこそ共感できることがあります。その場では何を話してもいいのです。各自今の思いや感じていることを話します。人の話に対して意見やアドバイスは禁止でした。

メンバーは家族を失い大きな悲しみを抱えていました。私だけが辛いのではないと実感しました。ただお互いに意見交換できないことが私には不自然に感じました。3回参加しましたが、ここは私の居場所ではないと思い退会しました。

出さない手紙を書く

実際に集まる自助グループではないけれど、インターネットで故人に向けてメッセージを送るというサイトを見つけました。いろいろな死別を経験した人たちがそれぞれの思いを書き込んでいました。

そうだ、手紙を書こう。

私は何度も「出さない手紙」を書きました。妹へ、加害者へ、加害者の両親へと悶々としていた思いを書きました。そこで私も初めて妹にたくさんのことを話すことができました。

この「出さない手紙」は大切な人と別れるたびに続きました。書いているうちにこんなふうに思っていたのだと自分で気づくこともありました。配達されることのない手紙だけれど故人に届いているような気持ちでした。

ベルが会わせてくれたお地蔵さま

みなさんの中にペットを飼っていらっしゃる方もいると思います。我が家にもシェットランドシープドッグのベルがいました。犬友達の富美子さんと知り合えたのも、いまだにお付き合いのある犬友達もベルが会わせてくれました。

ベルは間もなく16歳という日に静かに旅立ちました。ベルの葬儀の日、お寺の待合室で7体の小さなお地蔵様に会いました。いろいろな生地で作られどのお顔もとても優しそうです。私も作ってみたくなりました。

調べてみると鈴木キクエさんという方のお地蔵さまで、キットとして販売していることがわかり取り寄せました。型紙があるのでいくつでも作れます。高さは11センチほどです。

こんなに集中したのは久しぶりでした。最後にビーズのお数珠を持たせると、このお地蔵さまが亡き人の魂を、そして今生きている人たちを守ってくれるような気がしました。病気がわかった人たちへ、結婚する娘たちへと12体ほど作りました。

 

これらのことから今できる新しいことを始めてみようと思ったのです。次回は私が始めた小さなことをお話します。

 

朝川 千春

主婦。夫の転勤のため秋田、千葉、鹿児島で暮らしたことがいい思い出です。単身赴任中は大阪や島根にも通いました。現在は1人暮らしをしています。ジムでラテン音楽に合わせて踊ることが好き。最近明るい色の洋服に挑戦中です。孫たちが泊りに来た時は、寝る前の絵本タイムが好評です。

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