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「死ぬまでにやっておきたい事にチャレンジしたい」と話すとし古さん。これまで旅行体験などを語ってきました。今回は意外なグルメ体験を語ります。
広島ではワニを食べる風習がある!?
広島に住むようになってまもなく、夫がおもしろい話を仕入れてきました。「広島の県北ではワニを食べるらしい」……とのこと。
話を詳しく聞いてみると、「ワニと言っても、実はサメのこと。アンモニア臭がして強烈にくさいそうだ」と。山陰地方の方言ではサメのことをワニと呼ぶそうで、それは広島の山間部でも同様。ワニ料理が郷土料理なのだとか。
話を聞いた当時は、子育てや日々の忙しさのなかであえて挑戦しようとは思わなかったのですが、人生の終盤を迎えて、やはり一度は「ワニ」を食べてみたくなりました。
初体験!本場の三次でワニ料理に舌鼓
ある日、ランチを誘ってくれた友人に、「実は食べたいものがある」と言ってみたところ、OKということで、三次(みよし)まで行ってみることになりました。
いつかは食べたいと思って事前にいろいろ調べていたので、どうせ食べるならワニの本場の三次で、と思った次第です。
「三次の郷土料理」と言われるワニを刺身でいただきました。鮮度が落ちたワニはアンモニア臭がするらしいのですが、冷蔵技術が発達している現代では、アンモニア臭は全くなく、豚トロを刺身で食べているような脂の乗り方でした。三次の小学校の給食では、今でも炊き込みご飯などで、サメ料理は提供されているそうです。
その食事処には屋内の渡り廊下付近に小さな生け簀があって、小さなサメが泳いでいました。これが「ワニ」か! このサメは体長1メートルぐらい、大きくならない種類で、食用にはならい「ネコザメ」だとか。「先ほどいただいたサメは何の種類ですか?」「ネズミザメです」。わぁ、聞くんじゃなかった……。
帰宅して調べたところ、「ネズメザメ」は体長3メートルにもなるそう。サメは世界中に9目34科105属509種も存在するそうです。
七度洗えば鯛の味がする「小イワシ」
広島で私を驚かせた食べ物がもう一つ。小イワシの刺身。昭和の終わり頃までは自転車に乗ったおじいさんが「コイワシー、コイワシー」と売り歩いていましたし、尾道へ行けば路端でリヤカーの台の上で小イワシをおろしているおばあさんがいて、ある種の風物詩になっていました。
現在は、スーパーで「刺身用小イワシ」を買って、指先で三枚おろします。段ボールの梱包に使うPPバンドやスプーンでおろす方もいるようですが、私は指先でおろします。成魚で10㎝程度ですから簡単です。
「七度洗えば鯛の味がする」と言われていますが、鯛よりも美味しく、広島に住むようになってからの私の好物になりました。
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