来年も咲く!鉢植えの紫陽花(アジサイ)の育て方
2022.06.022022年06月11日
プロに聞く!花を最後まで楽しむテクニック
「アジサイ」は切り花でも!華やかな飾り方楽しみ方4
旬の花「アジサイ」を部屋に飾りませんか?「花を知り、楽しむ」がコンセプトの第一園芸のWEBサイト・花毎(はなごと)の連載で、「二十四節気の花あしらい」を担当する谷中直子さんが、アジサイを長く楽しむための飾り方・楽しみ方を紹介します。
花屋でよく見る「アジサイ」は3種類
露地のアジサイは梅雨の時季に見頃を迎える、日本原産の花木です。原種がヨーロッパへと渡り、品種改良が行われて、現在では世界各地で多様な姿のアジサイが親しまれています。
現在では母の日の贈り物としても人気で、毎年4月頃から鉢植えのアジサイが花屋の店先に並び始めます。
ここでは入手しやすい代表的なアジサイの種類を3つ、ご紹介します。
種類1:てまり咲きのアジサイ
西洋アジサイやハイドランジアとも呼ばれる、主にヨーロッパで品種改良されたタイプで、てまりのように丸く咲きます。
八重咲や縁取りのある複色、フリルや星型の花弁など、見ごたえのある花が揃います。
種類2:ガク咲きのアジサイ
粒状に集まった中心部分は「両性花」という実を結ぶ花で、その周辺に装飾花と呼ばれる、ガクが変化した花が取り囲みます。
ちなみにアジサイ本来の花は、装飾花の中心にある小さな粒状のものです。
種類3:ヤマアジサイ
元は日本各地の山や沢に自生していた種類です。西洋アジサイなどに比べると小ぶりで、華奢な姿をしています。
写真はガク咲きのヤマアジサイですが、てまり咲きの花もあり、園芸品種としても人気です。
こちらの写真は、さまざまなアジサイが楽しめる、6月の「横浜イングリッシュガーデン」の様子です。バラの名所として名高いガーデンですが、6月にはおよそ300品種のアジサイが園内を彩ります。
- 出回り時期:通年(最盛期は 6 月~9 月上旬)
- 香り:なし
- 学名:Hydrangea macrophylla
- 分類:アジサイ科アジサイ属
- 和名:紫陽花
- 英名:Hydrangea
- 原産地:日本 他
アジサイの飾り方1:鉢植えで楽しむ
鉢植えのアジサイはブーケのようにボリュームがあり、育て方も簡単です。そのため、花瓶に飾る花の代わりとして、鉢植えのアジサイをお部屋のインテリアに取り入れてみるのもおすすめ。
鉢植えのアジサイは日陰に置くイメージがありますが、春から夏の間は屋内外の明るく、風通しのいい場所に置きます。花がだんだんと大きくなったり、日がたつにつれて色が変化したりと、成長の様子を楽しみましょう。
部屋に置く際は土の部分が隠れるバスケットなどに入れると、スタイリッシュで清潔感のある姿で楽しむことができます。
鉢植えで楽しんだ後は、まだきれいなうちに花を収穫して、切り花として生けてみるのもおすすめです。収穫した後の鉢植えは、室内ではなく室外で育てます。
来年も花を楽しみたい方は、なるべく多くの葉を残してカットしてみてください。葉を残すことで光合成が行われるので、翌年も花芽が付きやすくなります。
育てる自信がない方は、根元ギリギリでカットして大丈夫です。
※アジサイの詳しい育て方は「鉢植えの紫陽花(アジサイ)の育て方」をご覧ください。
アジサイの飾り方2:庭の花や草をプラス
アジサイは小さな花がぎゅっと束ねれられたブーケのようなフォルムですので、生けるのも簡単。花がきれいに見える角度を見極めて深めの花瓶に生けましょう。
このとき、鉢からカットした花も、花屋で購入した切り花も同じですが、アジサイは特に水の蒸散が早く、ぐったりしやすい花です。水を吸い上げやすいようになるべく切り口は斜めに広くカットして、余分な葉は落としておきましょう。
シンプルにアジサイだけを飾っても素敵ですが、もしお庭やベランダで植物を育てている方であれば、夏場の蒸れ防止を兼ねて収穫したハーブなどを添えてみるのはいかがでしょう?
アジサイ以外にも買ってきた花に少しでも収穫した草花を添えると、ボリュームが出ますし、花が生き生きと見えます。
写真ではつぼ型のクレマチスとバジル、コリアンダーなどのハーブを使って、香りも楽しめる花あしらいにしてみました。
アジサイの飾り方3:最後の数輪は水に浮かべて
多くの花が枯れてしまっても、数輪はきれいな花が残っている場合があります。そんな場合にはお皿に張った水に花を浮かべて最後の数輪もしっかり楽しみましょう。
水面にアジサイを浮かべると、水の揺らぎの中で花が息を吹き返したかのように生き生きとして、とっても癒やされます。
アジサイの飾り方4:花守りの作り方
願い事を書いた紙でアジサイを包んで、軒先などに吊るす「花守り」という風習があります。地域によって厄除けや商売繁盛など、言い伝えはさまざまで、いつ、どこに吊るすのかは所説ありますので、ここは自由にとらえて、アジサイがきれいな時季に好きな場所に吊るしてみてはいかがでしょうか?
作り方はとても簡単。好みの紙(柔らかいものが包みやすいです)でアジサイを包んで、紐に結ぶだけです。アジサイ、紙、紐の色などお好みの組み合わせを見つけて、楽しんでみてください。
このままドライフラワーになりそうに思いますが、水分を多く含んだアジサイは乾燥が進まず、シワシワになってしまいがちです。
ドライフラワーにしたい場合は、少なめの水に生けたアジサイを直射日光のあたらない、風通しのいい場所に置いて、徐々に乾かしていくと成功しやすいです。
憂うつな梅雨の季節も、旬のアジサイを眺めて、余すことなく楽しみながら快適にお過ごしください。
構成・写真=石川恵子(第一園芸・花毎)
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この記事を制作している第一園芸の店頭でも「 アジサイフェア」を開催中です。ぜひ足を運んでみてくださいね。
この記事は、花毎での連載「二十四節気の花あしらい」を基に制作しています。
>>花毎で「二十四節気の花あしらい」を読む