SAMの「ダレデモダンス」を踊ってみた

2020年04月10日

【新型コロナ】SAMの「ダレデモダンス」踊ってみた

ステイホームでSAMさんとダンス、打倒トラボルタ!

新型コロナウイルスで外出自粛期間が続く中、どう過ごしていますか? 50代コラムニストの矢部万紀子さんが、鬱々とした気分の中で手に取ったのは、ダンス&ボーカルグループTRFのSAMさんがレクチャーしてくれるダンス本でした。

新型コロナウイルスだからステイホーム

ステイホーム。世界中のキーワードだと、小池百合子東京都知事が言っていました。私も家にいます。そして、踊っています。安室奈美恵ちゃんの元夫であるSAMさんに導かれて、TRFの「Overnight Sensation〜時代はあなたに委ねてる〜」を踊っています。そして、闘ってます。我が内なるジョン・トラボルタと。これほどまでに私の体に、トラボルタが染み込んでいたとは。

というダンス修行の話です。4日目にして超ギクシャクですが、最後まで踊りきりました。やればできるものです。久々に明るい話題です(自分調べ)。
 

SAMさんのダレデモダンスとは?

SAMさんのダレデモダンス

まずSAMさんの話をすると、2016年に「一般社団法人ダレデモダンス」を設立、高齢者へのダンス普及活動もしています。「一生元気に動ける体」「認知症予防」がモットーです。

3月の終わり、テレビでSAMさんがダレデモダンスを披露していて、挑戦したくなりました。ステイホームな日々に、鬱々(うつうつ)としていたのです。新型コロナウイルス情報に心が乱され、悲観的なことばかり考えがちでした。

ダンスをしようと思っただけで、明るくなりました。19年10月に出たSAMさんの『DVDつき一生元気に動ける体を! ダレデモダンス』(主婦の友社刊)という本を見つけ、買いました。収録曲は、先ほど挙げたTRFの「Overnight Sensation~時代はあなたに委ねてる~」1曲のみです。
 

DVDを流して、本の解説を読みながらレッツダンス

DVDを流して、本の解説を読みながらレッツダンス

というわけで、ここからが我がダンス修行です。

まずはウォーミングアップのストレッチから。SAMさんが丁寧に解説、ワントゥスリーフォーとカウントまでしてくれます。本番のダンスも手取り足取り教えてくれるはず。と思ったら、違いました。SAMさんの踊りをDVDで見つつ、細かくは本の解説で。そういう仕組みでした。

画面の下に小さく、「鏡を見ているのと同様に、左右同じ側を動かそう!」と出ます。ところがこれさえ、スムーズにできません。えーっと、とSAMさんの動いている手を見て、自分の手を恐る恐る動かす。そこからでした。

前奏、サビA、Aメロ、サビB〜ポーズ、サビB〜Finishと5つのパートごとに練習を進めます。本を見ては踊り、「一時停止」ボタンを押してはまた本に。リモコン片手にダンスです。初日にわかりました。足だけならまだ何とかなる。手を合わせると、もうお手上げ。シャレではありません。

幼稚園の運動会で「よーい」のとき、右手と右足を前に出してしまう子っていますよね。かわいいけど、アウト。ところがSAMさんのダンスの場合、それもありです。例えばサビAの「片足のステップ」。右足を前→クロス→前と動かします。最初の「右足前」に合わせ、前に出すのは右手。かわいいけど、アウトな子どもの「よーい」から入るわけです。

ところがこの続きの「ひざのツイスト」は違います。右足を内→外→内とひねりますが、最初に出す手は左。ちゃんとした「よーい」から入るのです。

これが全くできません。ステップで右足を前に出すと、自然と左手が出てしまいます。「右足、右手」と頭で確認しながら動きますが、少しでも気を緩めると「右足と左手」になります。ステップでわちゃわちゃすると、ツイストはもうわけがわからなくなります。

とにかく集中力が必要です。新型コロナウイルスのことなど、考えるすきはありません。これはよいことでした。そして、ダンスはすごく脳トレになると実感しました。
 

右手を上げると、ジョン・トラボルタ……

右手を上げると、ジョン・トラボルタ……
左がトラボルタ、右がSAMバージョン

2日目から始まったのが、最初に書いたジョン・トラボルタとの闘いです。1970年代の大ヒット映画「サタデー・ナイト・フィーバー」におけるトラボルタの決めポーズ、50代以上の方なら目に浮かぶと思います。トラボルタは右手を高々と上げ、右足を曲げています。SAMさんは違います。右手を上げるとき、左足が曲がります。その動きがAメロに出てくるのです。

確かにトラボルタのポーズ、古くさいです。SAMさんの方がカッコいいけど、できません。何度やっても、トラボルタ。自分の姿は見えませんが、ダサイに違いありません。それがわかっていても、踊ればやっぱりトラボルタ。涙。

と、踊れないながらも、4日目。曲に合わせ、最後まで踊りきりました。間違いだらけの超下手くそでも、とにかく最後のポーズを決められました。ブラボー。

もちろん、一歩前進、二歩後退。そこから再びの一歩前進。そんな調子です。少しだけ脱トラボルタできても、翌日にはまたトラボルタ。その繰り返しです。少しずつ、汗をかく量が増えました。踊れてきた証しかもと、うれしくなりました。

よーし、明日も踊るぞー。打倒、トラボルタ! 打倒、新型コロナウイルス!

■もっと知りたい■


 

 

DVDつき一生元気に動ける体を! ダレデモダンス

矢部 万紀子
矢部 万紀子

1961年生まれ。83年朝日新聞社に入社。「アエラ」、経済部、「週刊朝日」などで記者をし書籍編集部長。2011年から「いきいき(現ハルメク)」編集長をつとめ、17年からフリーランスに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』(幻冬舎新書)

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