老後も安心な一人暮らしを叶える#3
50代から考える!老後の快適一人暮らしのための「お金の悩み解消術」
50代から考える!老後の快適一人暮らしのための「お金の悩み解消術」
公開日:2025年11月19日
教えてくれたのは、2人の専門家
山田静江(やまだ・しずえ)さん
ファイナンシャル・プランナー、終活アドバイザー、NPO法人ら・し・さ副理事長。医療・介護、相続やエンディングノートなど人生後半期の課題を得意とする。
中澤(なかざわ)まゆみさん
ノンフィクション作家。自らの介護体験から医療・介護・福祉・高齢者問題に取り組む。著書は『人生100年時代の医療・介護サバイバル』(築地書館刊)など多数。
ケース1:将来一人になったとき、お金のことが心配です。頼れる制度は何がある?

さまざまな助成制度があります。地域の窓口やネットで確認を
「まずは、お住まいの地域の役所を訪ねてみてください。窓口で相談できますし、さまざまな補助金やサービスの資料が置いてあります。インターネットやスマホが使える人は『シニア 一人暮らし 補助金』などと入れて検索すれば役立つ情報がたくさん出てきます」と中澤さん。
「注意してほしいのは、すべて申請制ということ。制度を知らずに申請しなければ、せっかくのサービスも利用できません。情報を集めることから始めましょう」
申請すればもらえるお金、借りられるお金
以下に代表的な例を紹介していきます。将来、自分に合うものを検討しましょう。
65歳以上で住民税非課税世帯なら「老齢年金生活者支援給付金」
公的年金やその他の所得が一定基準額以下の場合に 支給。昭和31年4月1日以前生まれの場合、年間の年金やその他の所得の合計額が88万7700円以下なら月額5450円を基準に計算されます。
要介護で住宅を改修するなら「高齢者住宅改修費用助成制度」
要介護者などが自宅に手すりを取りつけるなど、自宅をバリアフリー改修するときに、介護保険を活用して国から補助金を受け取れる制度です。18万円が上限。
家の防犯を強化したければ「住まいの防犯対策助成事業」
自治体により名称や条件は異なります。防犯カメラ、カギ、防犯フィルム、センサー付きライト取り付けなどで東京都港区の場合、費用の3/4で上限4万円まで。
補聴器が必要になったら「補聴器購入の補助制度」
自治体により名称や条件は異なります。神奈川県逗子市の場合、65歳以上で市町村民税非課税で、聴覚の身体障害者手帳の交付対象外の人で、上限3万円まで。
スマホをもっと活用したければ「スマホ購入費補助金」
自治体により名称や条件は異なります。埼玉県秩父市では、60歳以上で条件に合うスマホを購入する場合、スマホ本体の購入経費を上限3万円まで補助します。
日常生活の維持が困難になったら「月15万円まで生活福祉資金貸付制度」
都道府県の社会福祉協議会に資金の貸し付けを相談できる制度。他から借りることが困難な低所得者、障害者手帳を持つ人、65歳以上の高齢者が申請できます。
ケース2:これから先、医療費や介護費がかさみそうで心配……
高額医療・高額介護合算療養費制度で負担額は抑えられます

「医療費控除、高額療養費制度、介護保険はご存じの方も多いと思います。実は、それぞれの負担額が限度額を超えていなくても合算すれば戻ってくる場合があります」と中澤さん。
さらに「医療費と介護費の合計が高額になったとき、申請すれば負担額の一部が払い戻しされます」と言います。所得や年齢などの条件によって自己負担額の上限は異なりますが、例えば、年収156万~370万円で70歳以上の場合、自己負担限度額は年56万円に抑えられます。
ケース3:将来もしお金の管理が難しくなったら?
日常生活自立支援事業などでサポートしてもらえます

「社会福祉協議会では、高齢などにより判断や外出が難しくなったときに、さまざまな代行をしてもらえます」と山田さん。希望すれば、通帳や印鑑証明書などを預かり、年金や手当の受け取り、預金の出し入れ、公共料金の支払い、医療費の支払いなどの手続きもしてもらえます。相談は無料、費用は1回あたり1000~2500円程度です。
「財産管理委任契約によって代理人を選んでおく方法もあります。金融機関によっては、代理人登録ができるところもあるので相談してみるといいでしょう」(山田さん)
※記事中の情報・金額は2025年10月時点のものです。
取材・文=原田浩二、塚本由香(ともにハルメク編集部)、イラストレーション=いなばゆみ
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年3月号を再編集しています。




