50代から始める「おてつたび」体験記
50代パート主婦がハマった稼げる趣味!「おてつたび」がくれた新しい居場所
50代パート主婦がハマった稼げる趣味!「おてつたび」がくれた新しい居場所
更新日:2025年11月15日
公開日:2025年11月12日
50代からの冒険!“おてつたび”との出会い
東京在住の主婦・マヤさん(仮名)は現在52歳。一人娘も社会人になり「もう子離れしなければ。これから自分の時間をどう過ごそうか」と考えていたときに、「おてつたび」という新しい旅のスタイルに出合いました。
きっかけはテレビ番組『ガイアの夜明け』でした。昔からワーキングホリデーに憧れていたものの実現できず、ずっと心残りがあったそう。「言葉の壁が高くて、もう海外は無理かなと、あきらめていました」とマヤさん。
でも国内なら言葉も通じるし、旅をしながら働ける。それに、ただのボランティアじゃなくて、お給料もいただけるという点に、主婦としては「足代くらい稼げるのはありがたい」と思ったそうです。
「それに、自分も家族も元気で、自由に動ける期間がいつまで続くかわからないという、ある種の焦りのような思いがありました」
応募の不安を乗り越えて…富士山のふもとで初挑戦!
さっそく公式サイトで、パート勤務の合間で行けそうなものを探し始めたマヤさん。
「最初は、ちゃんと受け入れてもらえるのか、仕事内容についていけるのか、年齢的に大丈夫なのか……不安でいっぱいでした。でもサイトで募集内容や参加者のレビューを見て、評価が高くて短期間のお仕事だったので、『まずは応募みよう』と決意しました」
初めてのおてつたびが決まったのは、山梨県・河口湖のホテル。3泊4日のサポート業務でした。自宅から高速バス一本で行ける距離にあり、「これはもう、行け!ってことだ」と感じたといいます。
「旅館の裏方の仕事で、接客がなかったのも安心ポイントでした。応募から数日後に『ぜひ来てください』という連絡をもらったときは、本当にうれしくて、ドキドキしながら準備を始めました」
未経験でも大丈夫!仕事も生活も工夫しながら
生活の工夫と自由時間の使い方
滞在期間中は旅館の客室をひとりで使え、大浴場も仕事以外の時間に自由に使えました。
「午前中は自由時間だったので、富士山周辺を2、3時間歩いて観光もできました。午後からの勤務だったので、のんびり朝を過ごして、観光してからお仕事というのが、初めての私でも精神的にも体力的にも無理なく合っていました」
一方で食事は工夫が必要。このときはまかないなし&キッチン利用不可だったため、
- 持参したインスタント食品
- コンビニ/スーパーのお惣菜
で対応しました。「3泊4日だからこそ頑張れたけど、期間が長いときは自炊できる方が健康的に安心かもしれません」
ときどきは外食も。以前、旅行したときに食べたほうとうに添える「辛味噌」が美味しすぎて、初おてつたびのときにもほうとう屋さんを再訪。「ここで辛味噌を再購入するのもおてつたびに参加した理由の1つでした。目標達成です(笑)」
洗濯も工夫が光ります。「100均のピンチハンガーがひとつあると、下着や靴下を室内で干せて本当に便利。乾きやすい素材の服を選ぶのも大事です」
仕事は“主婦力”が活かせる内容
仕事は旅館の裏方業務。夕食前に客室や宴会場でのテーブルセッティングをしたり、夕食中は“バッシング”と呼ばれる片付け作業がメインだったそう。
「主婦なら経験している動きが多いので、素人の私でもなんとかなるかなと思いました」
夕食前後に作業が集中するため、勤務時間は短く大忙しですが、集中してあっという間に終わるので体力的に厳しいなどはなかったと言います。
人間関係は、年齢を超えるチャンス
仕事を教えてくれるのは大抵、自分より年下の若いスタッフさん。「年上だからって構えすぎない。プライドを持たず、柔らかく接することが職場でのコツですね」とにっこり。
「忙しい時間帯は無言で黙々と作業しますが、休憩時間には“東京から来たんですか?”と声をかけてもらったり、地元のおいしいお店を教えてもらったり。短い期間でもちゃんと“職場の人間関係”ができるんです」
時にはピリッとした空気のときも……。「何か失敗したかな?と落ち込みましたが、そのときは自分のせいではなくて。変に気を負わず冷静に受け止めることも学びました」
さらに、宿泊先ではおてつたびに参加している仲間との交流も。「年下の方たちと過ごすことが多いと、考え方、生き方に刺激をもらえます。普段のママ友や家族とは違う、フラットな関係で会話できるのが楽しいですね」
月1ペースで全国へ!新しい出会いと続けられる理由
当時は耳鼻科で医療補助のパートをしていましたが、合間合間で「おてつ旅」の経験を重ねるうちに次第にその魅力に引き込まれていったというマヤさん。やがてパート勤務を辞め、月に1回のペースで全国を「おてつたび」で巡るライフスタイルへと変わっていきました。
「行く先々で人との縁ができて、“また行きたい”と思う場所が増えました」と笑います。
とはいえ、農業系や工場系の仕事は体力勝負。日々、筋トレとヨガ、キックボクシングを欠かさないそうです。
そんなマヤさんを支えてくれるのは、家族の存在。
「主人は『機嫌よく帰ってくるなら、それが一番』と応援してくれています。娘も『いい顔してるね』と言ってくれるので、ありがたいです」
おてつたびで得た収入は次の旅の資金へ回しているのだそう。
「2週間のお手伝いで8万円前後の収入になることが多いです。交通費が抑えられる場所を選べば、トントンかちょっとプラス。でもそれ以上に、経験が得られるのが魅力です」と話します。
雇い主さんへ感謝の想いを込めて何か送る時には、過去におてつたびでお世話になった農家さんや漁師さんの商品を注文するようにして「ご縁」を大切にしているのだそう。
次の予定は、10月に九州の漬物工場で2週間、11月には山形県で3週間の地域貢献のおてつたびの予定です。
「漬物工場では大根の処理が多いみたいで、重そうなので、今から筋トレして備えています」
自分の体と心に正直に、軽やかに“お手伝い”という名の旅を続けていきたいと、マヤさんは笑います。
おてつたびビギナーに贈る準備チェックリスト
- 最初は3泊4日や4泊5日など、短期間の募集がおすすめ
- 事業者ページで想いや仕事内容のレビュー評価は必ずチェック
- 募集条件は交通の便がある程度いい場所から選ぶと不安が少ない
- 洗濯用品(ピンチハンガー、洗濯ネット)、延長コードや常備薬などを持参
- 体力はある程度必要。無理なく働ける内容を選ぶ




