コップ・花瓶で花を生けるときに、位置が安定するワザ
2022.08.162023年10月31日
プロに聞く!花を最後まで楽しむテクニック
ぜいたくに「胡蝶蘭」を切り花でも楽しむ飾り方
切り花で「胡蝶蘭」をお部屋に取り入れませんか?「花を知り、楽しむ」がコンセプトの第一園芸のWEBサイト・花毎(はなごと)の連載で「二十四節気の花あしらい」を担当する谷中直子さんに、胡蝶蘭の飾り方・楽しみ方を伺います。
花持ちのよさが魅力「胡蝶蘭」
胡蝶蘭はお祝い事や冠婚葬祭などフォーマルな場面でよく見られるため、きちんとした印象をお持ちの方が多い花です。
たくさんの蝶が舞うように見えることから「胡蝶蘭」と付けられた名前はとても優雅ですが、もともとは東南アジア原産の着生植物で、土に根を下ろさず樹木に着生して生きているたくましい植物。根が付いている鉢植えの胡蝶蘭はもちろん、切り花にしてもとても日持ちが良い優秀な花です。
色も白だけではなく、ピンクや黄色、オレンジ、紫、複色などさまざまな色合いがあり、花のサイズも手のひらサイズの大きな花や、コインサイズの小さな花などバリエーションが豊富です。
胡蝶蘭の飾り方1:気品ある姿をシンプルに楽しむ
さまざまな胡蝶蘭の中から今回は純白で小輪タイプの品種「アマビリス」を選んで、まずはこの1本だけの姿を楽しみたいと思います。
生けるときには、1本で何輪もの花が付いた長い形状の花を生かして、花が一番きれいに見える角度を見つけましょう。
花瓶は白い胡蝶蘭を引き立てる透明なガラスを選びました。胡蝶蘭を1本飾るだけで、その場が気品ある空間に変化する花あしらいです。
胡蝶蘭の飾り方2: カジュアルに楽しむ
フォーマルな印象のある胡蝶蘭ですが、合わせる花によって素敵にカジュアルダウンすることもできます。
こちらではカスミソウと合わせて、雲の上に胡蝶蘭が乗っているようなイメージに仕上げました。
カスミソウはまんべんなく散らすよりも固めてひとまとめにする方が、今っぽく、しかも簡単で素敵に仕上がると思います。
胡蝶蘭の飾り方3: 年末年始の花あしらいにも
存在感のある胡蝶蘭は年末年始に人気のコニファー類などボリュームのあるグリーンと合わせるのもおすすめです。
胡蝶蘭もコニファーも長持ちしますので、年末から年始などの長期間飾るのにぴったりです。ちょっとしたコツでクリスマスからお正月に表情を変えながら楽しんでいただける方法をご紹介します。
最初にご紹介した1本の胡蝶蘭にシルバーグリーンの葉が美しい「ブルーアイス」というコニファーを添えてみました。こんなふうにシンプルな花あしらいこそ、一緒に飾るもので雰囲気がガラリと変わります。
キラキラしたゴールドやシルバーのオブジェと合わせれば、クリスマスの特別感を感じる花あしらいに。瞬く間にホリデー気分を感じるスペシャルな空間が出来上がりますよ。
同じ花材を使って器をスリムな花器に変えてみました。
花瓶のシルエットに合わせて「ブルーアイス」のボリュームをアップ。生けるときのコツですが、胡蝶蘭は下に垂れるような咲き方をしているものが多いので、ブルーアイスは上に少しだけ伸ばして生けてメリハリをつけます。横を広げ過ぎるとせっかくの縦のラインを崩してしまうので注意しましょう。
こちらで使用したような、高さのあるスリムな花器を使うと、フォーマルな雰囲気が簡単に演出できます。しかも、こうした花器は少ない本数でも豪華な印象になってお得です。
全く同じ花あしらいにくるりと丸めた水引を添えました。
赤い水引を添えただけで、一気にお正月の雰囲気に変身! 胡蝶蘭のフォーマルな印象が生きる花あしらいです。
こちらでは赤い水引を使用しましたが、金色などもゴージャスな雰囲気になって素敵です。お好みの水引で楽しんでみてくださいね。
胡蝶蘭の飾り方4: 一輪の美しさを楽しむ
胡蝶蘭は下の方から順に咲き進むため、下から順に枯れていきます。上に残った数輪でこのような花あしらいはいかがですか?
花器はこのような形でなくても大丈夫!ガラスの小さな器に少し水を入れて、一輪の花を入れます。そのままお好きな場所に置くのもOKですが、ちょっと特別感を出したいときにはお皿をトレイ替わりに使ってみると雰囲気が変わります。
一輪で眺める胡蝶蘭からは、透き通るような美しさを感じることができますよ。
「胡蝶蘭」の基本情報
- 出回り時期:通年
- 香り:なし
- 学名:Phalaenopsis
- 分類:ラン科コチョウラン属(ファレノプシス属)
- 和名:胡蝶蘭
- 英名:Phalaenopsis
- 原産地:台湾、フィリピン、インドネシア、マレーシアなど
- 花言葉:幸福が飛んでくる、など
構成・写真=石川恵子(第一園芸・花毎)
花屋の第一園芸が運営する花にまつわるコトを楽しむWEBサイト「花毎」。二十四節気とともに感じる季節の花を軸に、買うだけではない花の楽しみ方をさまざまな角度からご紹介。花毎の書籍に『 花月暦』(株式会社パイ インターナショナル刊)
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※この記事は、花毎での連載「二十四節気の花あしらい」を基に制作しています。