50代からの女性のための人生相談・103
人生相談:叔父の家がゴミ屋敷…どうにか片付けたい
人生相談:叔父の家がゴミ屋敷…どうにか片付けたい
更新日:2023年06月02日
公開日:2022年11月23日
68歳女性の「叔父の家がゴミ屋敷に…」というお悩み
一人暮らしの叔父(93歳)の家が、ゴミ屋敷です。以前、業者を入れて清掃しようとしましたが、叔父に拒否され断念しました。
しかし、年齢的にも衛生的できれいな環境で生活してほしいので、片付け(掃除)をしたいのですが、どのように納得してもらえばいいかわかりません。もしくは、強行突破で片付け(掃除)をしてしまうべきなのでしょうか?
片付け(掃除)を拒否する叔父の家をきれいにするには、どうしたらいいか教えてください。
(68歳女性・ヨンさん)
阿部さんの回答:高齢の人の家の片付けは人生の後始末

90歳以上という高齢の方の家の片付けは、至難の業です。
最大の理由は、その方が生きてきた道のりである人生、それは、とても長いということです。この90年という人生に出合ったすべてが、その方の生き方・暮らし方であり、人生そのものなのです。
その生き方であるすべてを、本人の意志に関係なく、ある意味では無視をして、物理的な作業だけの“整理”をする。言い換えると、その方の長い人生のすべてに始末をつけていく、ということなのです。
当然のことですが、これは本人の了解を得ないことには、始まらないのではないかと、私は考えます。
私も高齢に近付くにつれ、片付けが「単に動きやすく、安全に暮らせるための場所確保」だけではなく、「人生の後始末を付ける」ためのことでもあると、わかるようになってきました。
高齢の方が家を一時的に離れる、完全に“居”を変えるといった移動の無い限り、この現状を大きく変化させるのは、本人にとっては想像もしてない、というのが現実でしょう。
片付ける場合は本人の許可を必ず取って

私の知り合いは、夫を亡くした後、90歳を過ぎた頃から、家の片付けを何とかしたい、と考えるようになりました。しかし、それまでの夫婦二人分の、膨大な人生の足跡(そこには、知られたくない内容の物も多かったのでは?と私は思います)がたくさんあります。
それらを、どこから手を付ければうまく片付くのか、それを考えることすら面倒になった様子で、「手伝います」と、親族がいくら言っても、「暑い」「蚊がいる」「涼しくなったら」、「寒い」「風が冷たい」などと、先延ばしにし、家を離れてもなお、親族は手を付けられず、結局、亡くなられた後、1年ほどかかり、ようやく仕舞い終えたというのが実状でした。
また、私の友人は、舅(しゅうと)の家がヨンさんの叔父様と同様に、新聞の切り抜きをはじめとして、長年溜め込んだモノが家中にあふれ、それゆえに、姑の葬儀もできなかったほど。姑が亡くなったのを機に始末をしようとしましたが、舅は頑として受け入れず、結果、現在もそのままになっています。
まれに、居を移している間に、片付けができる場合もあります。しかし、その場合にも、本人に許可を取ることが必要ですから、その説得には時間と労力がかかります。
また、了解したとしても、片付けると言い出した者が、実際に実行する際には、その出費をも背負うこととなりかねません。ヨンさんには、その覚悟がおありでしょうか?
もし、ヨンさんが覚悟の上で片付けるというのであれば、決裂を踏まえた上で、再度叔父様と話してみる必要がありそうです。
本人の気持ちに寄り添う話し合いを

これらの例で、おわかりのように、私が経験した90歳以上という高齢の方たちは、なぜかわかりませんが、“これまでの人生が詰まったモノ”であふれた家に住むことが、生きてきた証と捉えているようです。
反対に、きれいにする、整理する、片付けることは、モノを勝手に触られ、手を付けられ、動かされ、自身の生き方・暮らし方、いや人生そのものまでもが、片付けられてしまうような気がするのではないのでしょうか?
それゆえに、「片付け」と聞いただけで、拒否反応を起こす傾向があると、私は考えています。
でも、これは仕方ないこと。ヨンさんは、その叔父様の気持ちをしっかりと聞き出し、「嫌」というのであれば、片付けを諦めることも大切ではないでしょうか。
回答者プロフィール:阿部絢子さん
あべ・あやこ 1945年、新潟県生まれ。生活研究家(消費生活アドバイザー)・薬剤師。家事全般や食品の安全性の専門家として活躍。薬剤師の資格を持ち、今も現役で働いている。
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