新時代を幸せに生き抜く「やめ方・始め方」#5
コロナで夫婦関係はどう変化?円満・離婚のコツも解説
コロナで夫婦関係はどう変化?円満・離婚のコツも解説
更新日:2021年06月01日
公開日:2021年05月31日
新時代を幸せに!プロが教える「やめ方・始め方」
新型コロナウイルスによって生活様式が大きく変わった1年間。ハルメクWEBでは読者のみなさんの「やめたこと・始めたこと」に注目! 断捨離・貯金や保険の見直し・人付き合い・家族など、新しい時代を生きるための情報を手に入れられる全5回の特集です。
- 新しい時代を幸せに生き抜くための「やめ方・始め方」
- コロナ禍で大流行の「断捨離」どうしたら成功する?
- 「お金のこと」 見直すポイントを人気FPが指南!
- 会えないからこそ見直したい「人間関係」の整理術
- コロナで夫婦関係はどう変化?円満・離婚のコツも解説←今ココ!
コロナで離婚が増加! 結論を出す時間も早まっている

お話を伺ったのは、ハルメクWEBの人生相談でもおなじみ、離婚カウンセラーの岡野あつこさん。これまでに、累計3万件を超える相談を受け、さまざまなカップルの関係修復や離婚のお手伝いをしてきました。
岡野あつこさん(以下、岡野さん)
「離婚にまつわる相談件数は増えています。30代、40代の若い世代が特に多いですが、世代に関係なく言えることは、決断・決着に要する時間が短くなっているということ。これまでは我慢したり、問題を先送りにする人が多かったのですが、決断してから行動するまで、どんどんスピーディーになっている実感があります」
50代、60代以降の離婚事情とは、どんなものなのでしょうか。
「シニア層の人は、別れよう、と思ったら、私のようなカウンセラーよりも弁護士のところへ行っちゃいます(笑)。それでも相談に来る方は、何とか修復しよう、あるいは別れるにせよ、なんとか円満に別れたい、という前向きな人が多いですね」
コロナで夫の定年退職を前倒しでシミュレーション?

ハルメクWEBで2021年4月に実施した「コロナ禍でやめた・見直したこと」アンケートでは、この1年で家の中を見渡して断捨離をしたり、模様替えをした人も多数見られました。中には「夫婦の寝室を分けました」という人も!
「リモートワークをする人が増えて、日頃家に居ない人が昼間も自宅に居るようになりました。長年、昼間は別々だったのに、突然四六時中一緒に過ごすようになったんですから、摩擦も起きて当然。以前は、夜は大切な会話やコミュニケーションの時間だったのに、今じゃ『夜くらい、一人にさせて』です(笑)」
――ずっと夫が家にいる状態に「夫が定年退職したら、毎日こうなんだ……」と感じた人もいるようです。
「コロナはいつか終わりが来る。いずれまた通勤も始まるでしょう。でも定年退職はそうはいかない。こんな日がずっと続くのか……と離婚が脳裏にちらついた人もいるでしょうね」
リモートワークで不仲が始まったカップルは、ほとんどが同じ不満を抱えるといいます。
《妻の言い分》
- ずっと夫が居ると監視されているようでストレスがたまる。
- 自分だけの空間だったリビングを占領される。
- かつては適当に済ませていた昼食も、夫の分まで作らなきゃならない。
《夫の言い分》
- 昼間の妻をみていると、なんだかヒマそうである。
- 自分があくせく働いていた間、遊んでいたのかと思うと腹立たしい。
- その割には、家事が行き届いていない(片付け・掃除など)。
……なんだか身につまされます。
すべては夫婦お互いの無理解から

例えば、次のようなお互いの気持ちは、実は真実を見ていないからかもしれません。
夫 「妻はテレビを見ながらおやつを食べているばかり。家事ってこんなに楽なものなのか?」
→妻は実は、テレビから情報収集しているかもしれないし、もしかしたらご近所付き合いなどで大きなストレスを抱えているかもしれない。
妻「夫はリモートワーク中も、パソコンの前に座ったきり。ほんとに仕事してるの?」
→夫は実は、企画書を書いているかもしれないし、ネットサーフィンで情報収集をしているかもしれない。
「お互いが何をしているか、それがどんなに大変か、理解できないんです。単なるボタンの掛け違い。ですが、そんなことで離婚するなんて、ナンセンスだと思いませんか?」
では、そんなボタンの掛け違いを避けるにはどうしたらいいでしょう?
「相手に興味を持つことですよ。相手がしていることを、自分もやってみる。理解しようと努める。夫にパソコンを教えてもらう。妻が掃除しているなら、少し手伝ってみる。そんなときに『うるさいなあ』『どうせ教えたってわからないよ』は禁句。『邪魔だからあっち行って!』も我慢しましょう。せっかく二人でいるんですから、この機会に、お互いを知る努力をしてみることです」
岡野さんオススメ! 理解と連帯感を深めるアイデア

共通の敵を作る(ただしテレビの中に!)
政治家でも、ワイドショーのコメンテーターでもいいから、テレビや世間に「共通の敵」を作る。『何を言っているのかしら!』『今どきの政治家は駄目ね!』と会話が盛り上がるはず。ただし親族や友人など、身近な人を話題にするのはタブー。批評する目線で盛り上がりましょう。
出会った頃の流行を思い出す
初めて一緒に見た映画。若い頃に流行した音楽。今は古い映画も昔の歌番組も、Amazonprimeなどの動画配信サービスやYouTube、BS、CS放送で見られる時代です。楽しかった頃の思い出を共有して、歌ったり語り合ったり。同じものを見て楽しむのはいい経験です。
「私、なんでこの人と一緒にいるんだっけ?」と基本に立ち返ろう

「お互いが家にいてストレスだ、っていうけれど、お互いが変わったわけじゃありません。ただ、今まで見ないできたものが見えるようになっただけ。相手にがっかりした、って言うけど、元からそういう人ですよ、っていう話です(笑)」
そんなときは基本に立ち返って考えてみることが大切です。
「私、なんでこの人と一緒にいるんだっけ?」
目の前にいる伴侶は、尊敬できますか? 理解できますか? 相手を好きだと思えますか? それを自問自答するときのポイントは「減点方式で見ないこと」。
「相手のダメなところばかり探さないこと。頼りない夫でも、月々の給料をちゃんと稼いでくれてるんなら『(そうは見えないけど)仕事はできる人なんだろうなあ』と思えばいい。妻がテレビでくだらない番組ばかり見ている、と思うなら『だから偏った意見を持つようになるのか』と合点も行くでしょう」
相手と一緒にいる理由、いくつ浮かびますか? それは、少々嫌なことがあっても、大切にしたい理由でしょうか。
夫婦の間の愛情を見つめ直すことも大切です。
「最近相談を受けていて違和感を感じるのは、好きとか愛している、という感情よりも、正しいか・間違ってるか、という価値観に囚われている人が多いな、ということです。浮気やモラハラなど、理不尽な相手に悩んでいる。それでいて、やり直したい、と言う。
『だったら、多少のことは我慢しなくちゃ』ってアドバイスをすると『どうしてですか?私は悪くないのに!』って反発されるんです。今問題になっているのは、どっちが正しいかっていうことじゃなくて、愛情の問題。浮気をする、家庭を顧みない。そんな、あなたのことをないがしろにする人のことを、本当に愛してますか? そんな理不尽が許せるほど、大切な人ですか? 『そんな相手でも愛している』とは、そういうことです。 それほど強い愛情があれば、つらくても一緒に乗り越えられると思うんですよね」
熟年離婚をしてもいい人・駄目な人

先日、ある女性週刊誌が実施した『離婚した有名人カップルの人気投票』の結果が発表されました。読者が憧れる離婚カップルは、圧倒的多数で明石家さんまさんと、大竹しのぶさんのお二人でした。離婚しても互いを尊敬し合い、いい関係を続けている。そんな姿が支持されているのだといいます。
「その大前提は、夫婦がそれぞれ、経済的にも精神的にも自立できていることです。その上で、距離を置くことでいい関係が築けるなら、むしろ離婚した方がいいケースもあります」
・お金や世間体のために理不尽な相手との不毛な結婚生活を続けるのがいいのか。
・ある程度の財産分与を受けて、経済的に自立をはかり、一日も早く自分の人生を取り戻すのがいいのか。
そんな、熟年離婚を考える読者の声も、ハルメクWEBには届いています。熟年離婚を考える上で、切り離せないのは経済的安心感。いい関係を維持するにせよ、絶縁するにせよ、経済的に身を守るために離婚という手段をとることもある、と岡野さんは言います。
熟年離婚を考えている方は、以下の2つのポイントを確認しておいた方がいいでしょう。
熟年離婚派:夫婦の資産を明確に分けるには離婚しかない! 場合
お金を稼ぐのはもっぱら夫。それを支え続けてきたのが妻。そんなカップルの場合、お金の使い方の主導権は、どうしても夫が握ることになりがちです。妻が経済的に自立するためには、夫がこれまでの妻の貢献度をどこまで理解してくれるかにかかっています。
預貯金が夫の名義になっている例も珍しくありませんが、妻が勝手に引き出すことはできません。土地や家屋が共有名義だったとしても、相手がまだ住んでいる間は、折半は難しくなります。そんな場合、唯一、妻の財産を確保する方法が離婚なのです。
「夫名義の預貯金であっても夫婦共有財産と認められる部分については、離婚によって原則として半分請求することができるそうです。夫が将来受け取る予定の退職金も、一定の部分について、妻のものとして請求できる可能性がある、と聞いたことがあります。もし離婚時に請求し忘れた財産があった場合も、離婚後2年間は元妻にも財産分与請求権があるそうなので、諦めないこと。経済的自立を勝ち取るための離婚は、早めの準備が肝心です」
婚姻関係維持派:遺産を狙うなら我慢して!
「夫の退職金じゃ足りない! 夫が持っている資産を遺産として受け取りたい!」という方もよくいらっしゃいます、と岡野さん。 そういう場合は、結婚生活が破綻していても、相手が亡くなるのを待つしかありません。夫の死後、遺産が受け取れるのは、亡くなった時点の配偶者と、血縁関係にある子どもや親兄弟だけ。別れた妻には遺産を受け取る権利はありません。
コロナ禍で、夫婦関係、家族関係について思いを馳せた人も多かった、この1年。どんな場合でも、一番に考えるべきは「自分の幸せ」です。時間をとるか、お金をとるか。判断する必要はあるでしょう。
「元々は好き同士が縁あって結ばれ、長いこと苦楽を共にしてきた絆。離婚はしないに越したことはありません。夫婦関係を修復するには、互いを理解して歩み寄る努力が大切です。コロナで家に足止めされている時間を、その努力にあてるのか。それとも、関係に終止符を打つべく動くのか。考える時間ができた今、冷静に、あらゆる面から問題を見据えるチャンスかもしれません」
岡野あつこさんのプロフィール

おかの・あつこ 夫婦問題研究家。離婚診断士(R)。NPO日本家族問題相談連盟理事長。自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。30年間で3万5000件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。
近著に『離婚カウンセラーになる方法 「幸せ」のゴールを一緒に探すやりがいのあるお仕事』(ごきげんビジネス出版)がある。
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