山本ふみこさんのエッセー講座 第9期#1
2024.10.312023年03月08日
青木奈緖さんが選んだエッセー作品の紹介とQ&A動画
青木奈緖さんのエッセー講座5期第4回参加者の作品
「家族」をテーマにしたエッセーの書き方を、エッセイストの青木奈緖さんに教わるハルメクの通信制エッセー講座。大切な思い出を形に残すべく取り組む参加者たちの作品から、青木さんが選んだ3つのエッセーをご紹介します。
青木奈緖さんが選んだ3つのエッセー
「青木奈緖さんのエッセー講座」参加者による家族のエッセーです。クリックすると、作品と青木さんの講評をお読みいただけます。
「満月のメール」西羅幸子さん
仕事帰りの空に満月が上り始めていた。まだ夜に……
「出航」西山聖子さん
ここに1冊の絵画の本がある。元の持ち主は……
「こうきの言霊」ふじいみつこさん
「昨日も頑張ってやってたよー」こうきの他人事のような言い方に……
エッセーに関する質問・お悩みに動画で回答
エッセイストの青木奈緒さんを講師に、半年間でエッセーの書き方を学ぶ通信制エッセー講座。
このエッセー講座のテーマは「家族」。日本各地からご参加いただいた30名の皆さんが毎月1本、家族との大切な思い出をエッセーの形に残すべく取り組んでいます。
参加者ひとり一人がエッセーを書くうちに直面する悩みや疑問は、実は、書く人にとって共通する学びの宝庫です。ハルメクでは、月1回青木さんが参加者の質問に回答する動画を制作。現在の参加者が生き生きと学べるように、また、どなたでもご覧になって学びを生かせるように公開していきます。
第5期4回目となる今回の動画では、「エッセーを書くうえで気をつけること」についてお話を伺いました。
「エッセーとは不特定多数の読者に読まれるもの」
青木さん:今回はエッセーを書くうえで気をつけることについてお話します。
まず、「書く」と言ってもエッセーだけでなく日記や手紙もありますね。日記と手紙の違いを分けるとしたら、
<日記の場合>
●公開することを想定していない自分だけのもの
●内容、感情面、省略法など伝えることが前提ではないので、自分さえ分かればいい
<手紙の場合>
●読者はいるが、特定の顔が見える相手に限定されている
●関係性によって、説明を省いても内容がある程度伝わる
●仮に、書いた内容によって相手と何か起きたとしても、釈明することができる
エッセーの場合は「不特定多数の読者がいて、その相手の顔が書き手には見えていない」ということが、日記と手紙とは大きく違う点です。
エッセーを書くということは、「世に出す」ということです。
そのことを念頭に、次の2つを大切にしてほしいと思います。
<エッセーで目指すところ>
●読者が多少なりとも楽しいと思ったり共感したり、または何かを共有できたりするように書く
<最も注意すべきこと>
●書いた文章によって人を傷つけないようにする
もちろん、意図して人を傷つける文章を書く人はいないと思います。
けれど、意図はしていなくても、書いた文章を曲解されて読まれてしまう可能性が潜んでいることもあります。
書いた文章によって読者を傷つけてしまったり、意図したものとは違う伝わり方をしてしまったりした場合、先に述べたように不特定多数の読者がいるエッセーは手紙のように釈明ができません。
曲解されない文章を書くということは、書き手が自分自身を守るという意味でもとても大切なことです。
例えば、私の血液型はO型で、母はA型です。
「O型に生まれて、本当によかったと思う。母のようにあんな真面目なA型に生まれなくてよかった」
と書いたとしたら、どうでしょう。
仮に私がそう思っていたとして、身内の話として書いたつもりでも、A型の人は母以外にもいます。
これをもし読んだら、A型の人は嫌な気持ちになるでしょう。
読者にはいろんなタイプがいて、世の中はいろんな人で成り立っています。
99%の読者は問題なく読み取ってくれるであろう文章でも、もしかすると1%の人は違う受け取り方をするかもしれない…。このことを頭の片隅に置いて書いていきましょう。
青木奈緒さんの今月の朗読作品
動画では、さらに詳しいお話や、青木さんの朗読もお楽しみいただけます。朗読するのは、父と娘の関係に静かに思いをめぐらせた作品「満月のメール」(西羅幸子さん作)です。
エッセイスト・青木奈緖さんのプロフィール
1963(昭和38)年、東京生まれ。文豪・幸田露伴を曽祖父に、作家・幸田文を祖母に、随筆家・青木玉を母に持ち、自身もエッセイストとして活躍。著書に『幸田家のきもの』(講談社刊)、『幸田家のことば』(小学館刊)他。
ハルメクの通信制エッセー講座とは?
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回家族の思い出をエッセーに書き、講師で随筆家の青木奈緖さんから添削やアドバイスを受けます。講座の受講期間は半年間。
2023年3月からは、第6期がスタートします(受講募集期間は終了しています)。5月からは、青木先生が選んだ作品と解説動画をハルメク365でお楽しみいただけます(毎月25日更新予定)。
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