50代からの似合う服は、3色ファッションが決め手!
2022.06.062023年04月02日
お財布にやさしく取り入れる50代ファッション
ユニクロ&GUの春色服でほうれい線やくすみもカバー
雑誌「ハルメク」編集部の児玉が、撮影の合間に見つけたちょっと素敵で役に立つ情報をピックアップ! 今回は「春色を使ったおしゃれ」。この春は元気をもらえるキレイ色で(しかもお財布にやさしく)、加齢による肌の変化や体型を上手にカバーしましょう。
きれいな春色の力を借りて元気に。シミ・しわ、加齢のサインも隠す!
コロナによっていろいろなことが変わりました。私の話で言えば、仕事はリモートワークが増えて一日中誰にも会わずにPCに向かう日も珍しくなくなり、友達と会う約束は何度も延期し、行きたい催しは軒並み中止に。こうした憂うつな気持ちによって大きく変わったこと。それは「自分に構う」機会が激減したことです。
コロナ禍以前の「かつてお気に入りだった服が似合わなくなった」というおしゃれ迷子問題に加えて、人と会う機会が減ったことで、おしゃれに対するモチベーションが音を立てて崩れていったのでした。「マスクだし」とメイクはおざなり、洋服はパジャマ兼用のスウェットを着まわす日々……。
そんなある日のこと。用事のついでに寄った百貨店で、偶然目にした某化粧品メーカーの広告に釘付けになりました。そこには、目の覚めるような鮮やかなピンクのリップに赤茶のアイブロウ、とびきりの笑顔でこちらを見つめる女性の姿があり、彼女の生き生きとした表情から私は目が離せませんでした。
あまりに広告ビジュアルを凝視していたからでしょうか。美容部員さんに声をかけられ、コロナ対策を万全にとった上でメイクのリタッチをしてもらいました。そこからは夢のような時間でした。ボサボサの眉は整えられ赤茶色をまとった眉に頬はツヤのあるピンクをのせることで顔色はグンと明るく。美容部員さんから渡された手鏡には、久しぶりに血色のいい顔をした自分が映っていました(自分比です)。しばらく忘れていた、明るい色が持つ絶大な力を再確認しました。
そのときのことがきっかけとなり、化粧品から始まり洋服も明るい色を身に着けるようになりました。やはり面積が大きいものの方が全体の印象はガラリと変わるので、鏡で自分の姿を見たときに気持ちが上がります(着古したスウェットだったときとは雲泥の差です)。
ハルメク世代のスタイリスト、杉山律子さんは言います。
「色の力は絶大です。明るい気分になりたいときこそ、きれいな春色の力を借りましょう。50代からの大人世代は濁りのない明るいトーンの春色がイチオシ!顔映りがいいので、加齢による肌のくすみやシワなど気になる部分を上手に隠してくれます。
さらに、春色は実はどんな色とも合わせやすく、上半身、下半身どちらで取り入れてもOKなんです。難しく考えず手持ちの服に春色の服を1枚足してみましょう。一気に素敵な着こなしになりますよ。
黄色などの暖色はくすんだ顔色をパッと明るく、若々しい印象に見せてくれます。淡い寒色は体型カバー効果があり、全身スッキリ見せてくれますよ」
失敗しない春色の取り入れ方は「1色、1か所だけ」
春色をうまく着こなすコツは「1色、全身で1か所だけ」が鉄則です。欲張って複数色を使うとチグハグな印象になります。さらに白を加えると色の彩度が際立ち、着こなしに華やかさが増します。
「普段はベーシックな色の服が多く、春色を取り入れるには少し勇気がいるという方は、挑戦しやすいユニクロやGUがおすすめです。ユニクロのボトムはウエストがゴム製の商品が多く、ゆったりしたシルエットでお腹をカバーしてくれます。それに、どんな服にも合わせやすい汎用性の高いデザインがあるのでおすすめです。シンプルなものを選び、色の力を借りておしゃれを楽しみましょう」と杉山さん。
春色服を上手に取り入れるコツ!
◆コツ1:加齢によって変化する肌と体型をキレイに見せる春色は暖色と淡い寒色
◆コツ2:明るいトーンを選べば、ほうれい線やシワ、くすみが目立たない
◆コツ3:着こなしの中で1色だけ
◆コツ4:何か足すなら「白」をプラス
ここからは、コツ1にある、大人世代におすすめの「暖色」(黄色、ピンク、オレンジ)と、「淡い寒色」(ミントグリーン、水色、ラベンダー)の、それぞれの取り入れ方を紹介します。
※本記事でご紹介しているユニクロ・GUの洋服は2021年3月取材時の商品です。現在は販売されていないものもありますのでご了承ください。
「暖色」はくすんだ顔色を明るく、元気にしてくれます
この春、まず取り入れたい春色は「黄色」。どんな色の服とも相性がよく、肌の色を問わずに誰にでも似合う優秀色です。さらに白のシャツを合わせることで黄色が引きたち、一気に春らしくなります。
また、オレンジは顔まわりを明るく見せてくれるので、身に着けるだけで元気がもらえる効果も。紺やグレー、茶色とも好相性ですがより春らしく仕上げたいときは、オレンジ×白の組み合わせがおすすめです。
ピンクもハルメク世代におすすめです。ピンクを着るときのポイントは「色み」です。薄いペールトーンのピンクか、発色の鮮やかなピンクを選ぶと、甘すぎず大人にふさわしいコーディネイトにまとまりますよ。
どんな色とも相性のいい「黄色」は大人世代の万能色!
いつものグレーパンツは黄色で明るく、華やかな装いに。
写真/スムースボクシーカーディガン(GU)、ストレッチテーパードパンツ円(GU)、その他スタイリスト私物
パンツの色を黄色に替えるだけで春らしく、全身が軽やかに見えます。
写真/センタープレスワイドパンツ(GU)、マシュマロローヒールパンプス、ニット(ともにGU)、その他スタイリスト私物
甘すぎない「ピンク」なら着ぶくれせず、品よく着られます
鮮やかなピンクで一気にあか抜ける!ピンク1色だと甘すぎて浮いてしまうこともあるので、グレーや紺などで適度に甘さを抑えることもポイントです。
写真/ニット(ピンクアドベ)、ストレッチテーパードパンツ(GU)、その他スタイリスト私物
疲れた顔を元気に見せてくれる「オレンジ」!
顔まわりにオレンジを取り入れて透明感と明るさがアップ!暖色は「膨張色だから」とぴったりサイズを選びがちですが、かえって体のラインが強調されてもたつくことも。あえて「ちょっとゆるめのサイズ」を選んで全身スッキリ見せましょう。
写真/バンドカラーロングシャツ(GU)、その他スタイリスト私物
「淡い寒色」は品よく、全身をスラリと見せてくれます
次におすすめの寒色を3つ、コーディネートとともにご紹介します。
「ラベンダー」は品よく凛とした印象を与えます
淡い寒色を取り入れるなら、中でもイチオシは「パンツ」です。いつもは無難な黒や紺、グレーのパンツをはているという方こそ、この春は少し挑戦してみませんか? 淡い寒色のパンツは、おしゃれと、全身をスッキリ見せてくれる効果が両立したアイテムなのです。
清潔感のあるラベンダー色のパンツは、手持ちのベーシックカラーとも好相性です。さらに顔映りをよく見せたいときは、白のトップスと掛け合わせると、気になる顔のくすみなどがパッと明るくなりますよ。
写真/ストレッチテーパードパンツ(GU)、セーター(GU)、その他スタイリスト私物
「ミントグリーン」は淡い色合わせで柔らかい雰囲気に
ミントグリーンは中間色であるベージュと掛け合わせることで、春らしく素敵な装いになります。
写真/ストレッチテーパードパンツ(GU)、マシュマロローヒールパンツ(GU)、その他スタイリスト私物
透明感のある「水色」は軽やかで、全身スッキリして見えます
水色のワンピースは品よく若々しい印象に。透明感のある水色を選べば、軽やかで全身がスッキリ見えます。ですが、淡い寒色のトップスはそのまま着ると顔色がくすんで見えることも。だからと言って諦める必要はありません!襟や袖などに白を少し足せば、顔まわりは一気に明るく、元気に見えます。
写真/ロングシャツ(GU)、プリーツスカーフ(GU)、パンプス(GU)、その他スタイリスト私物
ピンクがかった「ラベンダー」で若々しい印象に!
ピンクがかったラベンダーなら顔を明るく見せるので、アクセサリーなしでも華やかに。淡い寒色の中でもピンクがかったラベンダーは顔を明るく見せるので、トップスにおすすめです。バッグや靴は濃い色を選んで着こなしを引き締めましょう。
写真/ヒートテックコットンクルーネックT(ユニクロ)、シューズ(GU)、その他スタイリスト私物
コロナ以前、私にとっておしゃれをする目的は「他人に素敵と思われたい」という対外的なことでした。でも今は「自分が気持ちよく、元気になりたい」から服を選ぶようになり、自然と発色のいいキレイな色を手に取るようになりました。長引くコロナ禍で心も体も疲れがたまっているからこそ、明るい色の持つ力に癒やされ、元気をもらいましょう。
今回は春色の洋服を紹介しましたが、必ずしも洋服じゃなくてもいいと思います。例えばピンクのリップをさっと塗るだけで印象はガラリと変わるし、「今日の私、そんなに悪くないかも」と思えるはず。たとえマスクで隠れても、自分がご機嫌でいるために、もっと自由に、キレイを楽しんじゃいましょう。
※記事中で紹介しているユニクロ・GUの洋服は2021年3月取材時の商品です。現在は販売されていないものもありますのでご了承ください。
監修はスタイリストの杉山律子さん
すぎやま・りつこ スタイリスト。一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表理事。著者に『ファッションの主役は1つ』(KADOKAWA刊)など。
取材・文=児玉志穂(ハルメク編集部) 撮影=須藤敬一 スタイリスト=杉山律子 ヘアメイク=重見幸江 モデル=石井たまよ
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