「種種雑多な世界」水木うららさん
2024.11.302023年09月25日
通信制 青木奈緖さんのエッセー講座第6期第5回
「義姉(あね)と義妹(いもうと)」西山聖子さん
「家族」をテーマにしたエッセーの書き方を、エッセイストの青木奈緖さんに教わるハルメクの通信制エッセー講座。参加者の作品から青木さんが選んだエッセーをご紹介します。西山聖子さんの作品「義姉(あね)と義妹(いもうと)」と青木さんの講評です。
義姉(あね)と義妹(いもうと)
兄と弟の兄弟に挟まれて育った私は、姉妹のいる友達が羨ましい時期もあった。
だが、結婚によって兄の妻である義姉と、夫の妹の義妹の2人の姉妹ができた。
あれから40年が過ぎたが、今でも2人には、何彼につけて助けてもらっている。
そして不思議なことに、血縁ではないのに彼女達には幾つかの共通点があるのだ。
1つ目は高身長であること。
150センチしかない私に対して170センチある2人の横に立つと、まるで親子のようになってしまう。
背が高いので、長い丈のお洒落な服も似合うし、実際の年齢よりもかなり若いと思う。
2つ目は料理上手であること。
何より手際が良くて、短時間で何品もチャチャっと作ることができるので皆に喜ばれている。
3つ目は行動力とリーダーシップがあるところ。
8年前、私が入院した時もお世話になったが、家事も仕事も子育ても頑張ってきたうえに、家族以外の人にも優しくて面倒見がよいところも共通して尊敬する点である。
1つ年下の義姉は、実家に帰るといつもお酒に合う美味しい料理を作ってくれる飲み仲間でもあり、同い年の義妹はお酒が飲めないので、互いの誕生日にランチをおごりあう友達のような存在でもある。
年に数回しかゆっくりと会える機会がない為、その時に色々なお喋りをしてはお互いに日頃のストレスを発散している。
私にはない素敵な共通点のある2人と出会えたことは人生で感謝するべきことの1つであり、これからもこの繋がりを大切にしていきたい。
そして、今でも颯爽とハンドルを握り長距離の運転でも軽々とこなす彼女達 のパワーに少しでもあやかりたいと思う。
青木奈緖さんからひとこと
結婚は相手のことをよく見て、選び、選ばれ、一緒になるのですが、その先の縁というものは受け入れるしかない部分があります。子ども時代に姉妹に憧れていた著者が、大人になって本当の姉妹のような関係に恵まれた様子がさらっと、落ち着いた筆致で描かれています。こういうお話を伺うと、つくづく「家族っていいな」と思います。
ハルメクの通信制エッセー講座とは?
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回家族の思い出をエッセーに書き、講師で随筆家の青木奈緖さんから添削やアドバイスを受けます。講座の受講期間は半年間。
ハルメク365では、青木先生が選んだ作品と解説動画をどなたでもご覧になってお楽しみいただけます(毎月25日更新予定)。
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