「銀の鈴」よりも見つけやすい

東京駅で待ち合わせするなら「丸の内南口改札」

公開日:2018.08.01

東京の表玄関は1日の発着本数が3000を越える、日本一の巨大な駅です。駅構内の広さも日本最大級で、1日中人の流れが絶えることがありません。この巨大空間で、駅構内(改札を出ない)で確実に会うことができる場所はどこなのでしょう。

なかなか見つからない「銀の鈴」

 

東京駅で待ち合わせ場所として推奨されている「銀の鈴」広場。1968年、待ち合わせ場所の目印として設置されたのが最初で、現在の鈴は4代目になります。当時は駅1階、東海道新幹線南乗換改札の前の広場の天井に取り付けられていました。1994年に現在の場所である八重洲地下中央口のそばに移されました。

この「銀の鈴」、以前から場所が分かりにくいとの声がたくさんあります。終日多くの人が行き交う場所にあることも理由のひとつですが、実は「銀の鈴」が地下にあることが多くの人が迷う理由になっています。

東京駅の基本構造

 

東京駅を上から見ると、一部地下の路線を除き、すべての線路は南北に走っています。線路の東側(山手線の外側)が八重洲で、西側(山手線の内側)が丸の内。駅構内には、八重洲側と丸の内側をつなぐ通路が、線路と直角に交差して3つあります。北通路、中央通路、南通路です。

今度は横から東京駅を見てみましょう。多くの駅ではホームは地上階にあり、通路が地下にあるのが普通です。
電車を降りたホームがあるのが地上階で、そこから階段やエスカレータでひとつ下ればそこは地下階。ところが東京駅は1階ずれていて、通路が地上階にあり、ホーム階は2階、そして地上階からひとつ下がった地下階に「グランスタ」というショッピングアーケードがあり、「銀の鈴」があるのもこの地下階です。

多くの人が「銀の鈴」が地下にあることを聞いてくるのですが、在来線でも、新幹線でも、電車を降りた人はホームから1階分下に下りた時点で地下にいる気になっています。「銀の鈴」は、さらにもう1階分下らないといけないのですが、多くの人が(地下階だと思っている)地上階でウロウロしてしまうのです。

もちろん駅構内には何か所も表示があって、そこには「銀の鈴」がさらに下の階にあることが案内されています。
地下に下りる人の流れがたくさんあれば、さらに下の階があることに気が付きますが、地上階の通路を歩く人の数と比べると、地上階と地下階を行き交う人の数は圧倒的に少ないので、地下階への階段やエレベータ、エスカレータが目立たず、見過ごされてしまうのです。

 

 

「丸の内南口改札」を待ち合わせ場所に

ここまでお話ししたことが理解できたら「銀の鈴」で待ち合わせするものいいでしょう。冷房・暖房も効いているし、すぐ近くにある「グランスタ」でショッピングも楽しめます。でもやはり「銀の鈴」に行くのにはちょっと不安がある、という人には「丸の内南口改札」を待ち合わせ場所としておすすめします。理由は以下の3つ。

 

①場所が特定できる
東京駅には、地上階と地下階にあわせて10ヵ所改札口があります(離れた場所にある京葉線の改札口を除く)。「八重洲北口」とか「丸の内地下中央口」とか、それぞれ名前がついています。どの場所で電車を降りても、黄色の目立つ看板に改札口の場所が示されています。それに従って進めば迷う可能性は低いでしょう。

 


②比較的混雑が少ない駅構内には上記の10ヵ所に加え、新幹線乗り換え用の改札が構内に4ヵ所あります。改札口周辺で待ち合わせる場合、できるだけ人通りが少ない場所がいいでしょう。朝夕のラッシュ時を除けば、八重洲側より丸の内側のほうが混雑は少ないようです。終日人通りが多いのが八重洲中央口。もっとも少ないのが丸の内中央口です。ただし丸の内中央口は最も小さな改札で、居場所もあまりありません。その点「丸の内南口改札」は、改札の手前にコインロッカーが設置されているので、それなりに広いスペースが確保されています。

 

③雨風がしのげる
駅で一番分かりやすい待ち合わせの場所はホーム上でしょう。「〇番線ホームの有楽町寄りの端っこ」としておけば間違うことはないでしょう。ただし「山手線のホーム」では、上り、下りでホームがふたつあるので間違う可能性があります(京浜東北線も同様)。そしてホームは屋外です。夏は暑く、冬は寒い。その点屋内である「丸の内南口改札」は、外気には触れますが、雨風はしのげる場所です。またトイレがすぐ近くにあるので、寒い季節でも多少は安心できます。

 

まとめ

ここではあくまでも「待ち合わせ」することを目的とした場所を紹介しています。その後の行動を考えると、丸の内側より八重洲側で会ったほうが便利かもしれませんし、ホームで待ち合わせしたほうが時間の節約になるかもしれません。しかし人込みの中で待ち人に会えなかったり、すれ違って時間を無駄にしてしまったりする可能性を考えたら、確実に落ち合える場所を決めたほうがいいのではないでしょうか。

永岡 邦彦

ながおか・くにひこ 旅行専門編集プロダクション「ポストイット」代表。旅行ガイドブックや旅行雑誌などを中心に執筆・制作活動を続けている。国内外に関わらず、知らない街を歩くことが無上の楽しみ。人込みは好きではないが、駅や空港、港など、旅が始まる場所のなんとも言えない雰囲気には惹かれる。

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