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- 61歳が跳ぶ!太って始めた縄跳びでメンタルケアも
コラムニストの矢部万紀子さん(61歳)による、月2回のカルチャー連載。コロナ禍で太った!という矢部さん、縄跳びを始めました。縄跳び購入のきっかけになった書籍『優雅な肉体が最高の復讐である。』、そこで設定された目標は超えられたのでしょうか。
縄跳びトレーニングがブームの予感?
縄跳びを始めました。2月15日から本日26日までに9日跳びました。前跳びと後ろ跳びに挑戦していて、後ろ跳びは大苦戦中です。「おじょうさん、お入んなさい」のリズムで跳んでいます。この昔の縄跳び遊びの跳び方を、今は「1回旋2跳躍」というそうです。このほど知りました。
始めたのは、太ったからです。コロナ禍で「家にばかりいる」が通常モードになり、久々に体重を測ったら、3キロ増えていたのです。がーん。
そんな折、『人生が変わる! 最高の後ろ跳び』(徳間書店刊)という本の広告を見ました。著者はプロなわとびプレーヤーの生山ヒジキさん。「時短ダイエット、体幹強化、部位別引き締め、姿勢改善」と効果がうたわれ、「1日3分ですべてOK!」とありました。これだ! そう思いました。なぜって、縄跳びを持っているのです。本を買わずに即開始、生山さん、ごめんなさい。
武田真治さんの書籍の影響で縄跳びは購入済
縄跳びを買ったのは3年前、武田真治さんの著書『優雅な肉体が最高の復讐である。』(幻冬舎刊)がきっかけでした。筋肉体操で有名な彼が、テレビで熱く運動ポリシーを語るのを見て買ったところ、「特に僕と同世代で久しぶりに身体を動かすというかたに」ということで縄跳びをすすめていたのです。彼より11歳上ですが、ネット通販で買いました。すると、身長2メートルの人が跳ぶような長いものが届きました。驚いて、放置しました。
それから1年ほど経ち、やっとの思いで短くしました。近所の公園で跳んでみたら、40数回で引っかかりました。武田本には「まずは100回、1回もミスしないで跳ぶことを目指してください」とありました。半分以下。意欲を失い、再び放置しました。
というわけで今回、3度目の正直です。初回、前飛び45回でした。やはり武田さん的目標の半分以下。でも今回は諦めず、何度かトライしたら85回。これは、数日で100回までいけると思いました。もともと運動は苦手な方ではないですし、小学生の頃は二重跳びもできていたからです。
が、問題は後ろ跳びです。なんと初回、ゼロ! 何度やってもずっとゼロ、一度も跳べませんでした。両足を揃えずゆっくり回せば違うかもと思い、やってみたのが「おじょうさん、お入んなさい」。ところが、これでも跳べません。
いろいろ工夫して、なんとか跳べたのが片足ずつで跳ぶ方法です。左足で「ト」と上がって、右足を「トン」と置く。トトン、トトンのリズムで、何とか16回。そこに至るまでに縄が顔に当たってすっごく痛かったりもしましたが、がんばりました。
息が上がってきついが、年齢関係なく跳べる数字は伸びる!
3日目からはシューズも変えました。タウン用のスニーカーを履いていましたが、それだとおしゃれ優先で先が長いのです。これでは引っかかりやすいだろうと、ジョギングシューズにしました。靴下も5本指のジョギング用に変え、ウエアもスポーツ用に。
効果てきめんでした。3日目にして前跳びは104回と武田さんの目標を突破、今日は126回跳びました。ただし後ろ跳びは、相変わらず「トトン」です。これで60回までいきましたが、両足揃えての1旋回1跳躍は3回が最高です。
3回ってと我ながら思い、三度目の正直、順調とはいえません。とにかくすぐに息が上がるのも問題です。100回越えの前跳びを2セットもすると、とんでもなくハーハーします。ですが、これ、ウォーキングがせいぜいの昨今の私にとっては貴重な体験です。武田本には、運動に慣れてくると汗をかくようになり、そうすると息も上がらなくなるとありました。目指したいです。
雑念だらけの日々だから頭を空っぽにする時間も大事
それとコツがすこーしわかってきました。「あ、100回超えた、順調順調、130回いけるかも」と思うと途端に引っかかるのです。つまり「集中力」が大切ということなのでしょうが、「頭を空っぽにする力」と呼びたい気がしています。雑念なく跳ぶ。それができれば、もっと跳べる気がするのです。
生きていると、雑念だらけになります。ましてやコロナ禍だし、ロシアはウクライナを侵攻するし、楽しくない方向の雑念になりがちです。でも150回、200回と跳べるようになったら、その間は頭が空っぽになり、かなり気持ちが良いのではないかしらと思うのです。
雑念を取り払い、スイスイ跳べるようになったら、きっと爽快なはずです。だから、まだまだ続ける所存です。ダイエットの方は行ったり来たりしながらですが、500グラムくらいは減りました。毎日、体重を測るようになっただけでもえらい!と自分で自分をほめてます。これからもがんばるぞ、おー。
矢部 万紀子
1961年生まれ。83年朝日新聞社に入社。「アエラ」、経済部、「週刊朝日」などで記者をし書籍編集部長。2011年から「いきいき(現ハルメク)」編集長をつとめ、17年からフリーランスに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』(幻冬舎新書)
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