少子化問題

公開日:2021年06月24日

中国は一人っ子政策が廃止されても少子化

日中とも進む少子化!親の思想や社会が原因?

日中とも進む少子化!親の思想や社会が原因?

「一人っ子政策」が廃止されて5年が経過した中国。2人目の子どもを持つことが認められるようになったにもかかわらず、新たに生まれる子どもの数が激減しています。受験・就職競争が激しさを増し、育児中の親もプレッシャーにさらされているようです。

「一人っ子政策」が終了しても中国の少子化が止まらない背景

「一人っ子政策」が終了しても中国の少子化が止まらない背景

2021年5月中旬に発表された中国の国勢調査の結果は、中国の国内・国外に衝撃を与えました。統計の信ぴょう性に疑問の声はあるものの、2020年に生まれた赤ちゃんの数は2016年から30%以上減少していたからです。

中国政府は2016年に40年近く続いた「一人っ子政策」を廃止。この5年間は、すべての夫婦が2人目の子どもを持つことを認められていました。

育児の負担感に拍車をかける「受験・就職競争の激化」

そのような状況にもかかわらず少子化が加速していることから、英米の主要メディアは、中国の出生率の低下を招いた社会背景を以下のように報じています。

  • 一人っ子として育った子育て世代は、一人っ子が普通だと考えている
  • 結納金を含めた結婚費用が高い
  • 教育費が高騰している
  • 2人以上子どもがいると、女性が仕事を続けるのが難しくなる
  • 女性の権利意識が向上している

結婚にお金もかかり、育児にもお金がかかる。キャリアプラン、ライフプランを設計するにあたり「夫婦1組に子ども1人」という生活様式が多くのカップルにとって自然な形になっていると考えられます。

育児の負担感に拍車をかける「受験・就職競争の激化」

育児の負担感に拍車をかける「受験・就職競争の激化」

さて、少子化につながる問題の中でも、国民の高学歴化による教育コストの高騰と競争の激化は、子育て中の親にとって重大なトピックとなっているようです。子どもが安定的な雇用につくためには学歴が必要で、学歴を得るためには幼い頃から勉学に励む必要があるからです。

中国には「望子成龍(子ども学問や仕事で大成することを親が願うこと)」「孟母三遷(教育のために良い環境を選ぶことが大切)」という故事があり、「子どもの成功は親次第」というプレッシャーを親自身が抱えています。

過去に行われた比較調査によれば、中国系の母親は、ヨーロッパ系、アフリカ系の母親と比べて子どもの成績と親の自尊心がより強く結びつく傾向が見られたといいます。子どものためだけでなく、自分たちの体面のためにも子どものやるべきことを親が厳しく選択・管理・強制しているケースもあるようです。

子どもを管理する親

こうした管理型の教育の成功例も多くあるのでしょうが、しばしば欧米メディアでは、スパルタ教育を徹底する「タイガーマザー」、支配的で過保護な「ヘリコプターペアレント」といった言葉とともに中国式の育児を批判する記事も見受けられます。「中国式の支配型育児と欧米式の個性尊重型育児は、どちらが正しいのか?」という議論が巻き起こることもありました。

いずれにせよ、「子どもを育て上げるには、子どもの教育を細かく管理し、多額の教育費を投じることが必要」というプレッシャーによって、「1人の子どもを育てあげること」の負担感が増大しているのかもしれません。

迎えた若年層には「寝そべり族」も出現

寝そべり族も

一方で、最近まで「育てられる側」だった若年層の間には、競争や周囲のプレッシャーからの逃避現象がみられるようです。2021年5月に中国のSNSで拡散された、消費しない・恋愛しない・働かない「寝そべり族」の存在は、日本でも大きな注目を集めまています。

幼い頃から常に管理され続けた子どもたちの中には「親の前でだけがんばって勉強をする子がいる」と警鐘を鳴らすコラムもあり、若年層にとっては「がんばった先に得られるもの」が見えにくくなっているというインターネット上の投稿も見られます。

日本・韓国・中国が共通で抱える「少子化問題」

少子化問題

ここまで中国の事情について述べてきましたが、安定した職に就くために大学の学位や専門スキルが必要になり、若年層が安定雇用に就くのが難しくなっている現象は、日本を含めたアジア諸国でも起こっています。

「ロストジェネレーション」「氷河期世代」いう言葉が広く使われるようになっている日本、恋愛・結婚・出産を手放す「三放世代」という言葉が生まれた韓国は、「出生率の低迷」という類似の課題を抱えています。

格差拡大、競争激化、親の過保護化、教育費の高騰、若者の諦観、少子化……。文化的な背景は異なっても、こうしたキーワードは、根底でつながっているようにも思えてきます。

■もっと知りたい■

北川和子
北川和子

家族・家に関心を持つライター。会社員時代には海外営業・カタログ翻訳を担当。筋トレ記事や美容記事も多く手掛けおり、様々なフィットネス法を試している。東京外国語大学卒。

みんなの コメント
ハルメクが厳選した選りすぐりの商品

驚きの軽さ&使いやすさ!

1本で7つの効果
薬用美肌ヴェール
1本で7つの効果
薬用美肌ヴェール

【PR】飽き症でも、ゼロから英語が話せるようになったワケ

ゼロから英語が話せる!

飽き症さんでもOK!たった60日で英語が苦手な人でも英会話ができるようになると話題の「インド式英会話」をご存知ですか?無料体験セミナー実施中です!

2025.02.05
認知症のご本人の財産や権利をどう守るか?

お金に困りたくない!

認知症になると、不動産の手続きや預貯金の引き出しが自由にできなくなります!事前に知らないと苦労する「法律」とは…

2025.04.08
ご家族の認知症介護の進め方、向き合い方

もし親が認知症になったら…

家族が認知症になった時、介護や通院など一体何を準備すればいいのでしょうか?「もしも」の場合のスムーズな対応を解説!

2025.04.04
【PR】「英語の学び直し」は私にぴったりの新習慣!

50代から「英語の学び直し」♪

「英会話ができるようになりたい」と、50代から英語を学び直す方が増えています!スキマ時間で簡単に英語学習ができるおすすめの方法は?

2025.03.14
【PR】鼻への重量感・違和感のストレスから解放!

「ふわっ」と軽いメガネ♥

メガネがずり落ちる・鼻の頭が重いなど、メガネのプチストレスにサヨナラ!あっと驚く程つけ心地抜群のメガネをぜひお試しください

2024.12.17
【PR】部分入れ歯のウソホント!?正しいケアって?

部分入れ歯のウソ・ホント!?

部分入れ歯が不安定・外れそうで怖い…そんなお悩みは「ケアの仕方」に原因が!?間違えている人が意外に多い、部分入れ歯の「正しい使い方」を専門家が紹介します!

2025.03.12
【PR】50代の尿トラブル大調査! なんと8割の方が……

50代で8割以上!?尿モレの悩み

ヒトに話しにくい尿トラブルの話…「私だけ?」とお悩みの方も多いのでは?50代ハルトモさん達にアンケートを実施し、実態を調査しました!

2025.04.10
これだけ覚えておけばOK!海外旅行先で使う英会話10選&英会話学習法

海外旅行で「英会話」を楽しむ♥

海外旅行先で使う英会話10選&手軽に英会話力を伸ばす方法をご紹介!50代からの新しい趣味・学び直しにいかが?

2025.04.10
おひとりさま女性のソロライフに備えよう!「おひとりさま老後」の資産運用

老後資金、こんなに要るの?

未婚に限らず、離婚・死別などで誰しも「おひとり様」になる可能性が。一人で生きていくための「お金の準備」は出来ていますか?

2025.03.18
【PR】タイプで分かる!ライフスタイル別レンズ診断

タイプ別!ぴったりの眼鏡

「近くのものが見えづらくなった」と感じる人は眼鏡の変え時かも!ライフスタイル別におすすめの眼鏡レンズを無料で診断♪

2025.03.10
【PR】始めるなら相談できる「対面証券」がおすすめ

お金のこと、なんでも無料相談

資産運用、相続、ローンまで!お金の「よくわからない」をプロに気軽に相談できる♪

2024.12.17
【PR】ぽっこりおなかもラクにきれいなパンツとは?

ラクなのにきれいシルエット♥

ワコールが開発したぽっこりお腹もスッキリ隠れるストレッチ抜群の「パンツ」!ただいま、返品送料が無料になる「ご試着キャンペーン」実施中♪

2025.03.13

ハルメクが厳選した選りすぐりの商品

【限定コラボ】職人技が光る!ハルメク×マエノリのセーター誕生秘話