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- 山本ふみこさんエッセー通信講座第5期参加者の3作品
随筆家の山本ふみこさんが講師を務めるハルメクのエッセー通信講座。エッセーの書き方を半年間で学んでいきます。今回参加者は「空っぽ」をテーマにエッセーに取り組みました。第5期6回目の動画では、「表現の加減」について山本さんにお聞きしました。
山本ふみこさんが選んだ3つのエッセー
クリックすると、作品と山本ふみこさんの講評をお読みいただけます。第6回で取り組んだエッセーのテーマは「空っぽ」です。
「迂闊」板谷越りんさん
気がつくと、テレビの前で涙していた。退職後、日課となった朝の……
「プール教室」栞子さん
歳をかさねても、苦手なことはあまり変わらない。人に話しかける……
「曲げわっぱ」増田万紀子さん
正月につかう重箱を出そうと、戸棚の奥をのぞきこむと、ふと……
人気随筆家の山本ふみこさんから半年間でエッセーの書き方を学ぶ通信制エッセー講座には、日本各地から応募した33名が参加しています。毎月1本書きあげたエッセーに、山本さんのアドバイスや添削を受けて、実践的に学んでいます。
参加者一人ひとりが直面する悩みや疑問は、実は、エッセーを書く人にとって共通する学びの宝庫です。ハルメクでは、月1回山本さんが参加者の質問に回答する動画を制作。現在の参加者が生き生きと学べるように、また、どなたでもご覧になって学びを生かせるように公開しています。
今回の動画では、「書くうえで必要な表現の加減」について解説しています。
読み手との対話を意識して書く
山本ふみこさん:今回は「表現するうえでの『加減』」というものについてお話します。
考え方や影響を受けたことなど、どの程度作品に書いていいものなのか迷いを感じることもあるかと思います。
「書く」ということは、思想活動です。
思想活動と聞くと重たく感じるかもしれませんが、平たく言えば、考え方、見方、感じ方など自分の思ったことを表現することにあたります。 そして、書き手のスタンスというものは、隠そうとしても文章に表れてしまうものです。
そこで大事になってくるのは「表現の仕方」です。
エッセーを書くうえで決して忘れてはいけないことは、自分が書いたものが自分以外の誰かに、それも比較的大勢の方に読まれることへの自覚です。 「いやいや、読むといっても私の家族くらいよ」とたとえ思ったとしても、読者という存在には気を配ってほしい。それは、未来の読者でもある自分のためにも。
「影響を受けた書籍から引用をする」「実在の人名や学校名など固有名詞を書く」といった場合、書きたい内容を振り返り、対象となるものに対して傷つける表現をしていないか、また本当に書く必要があるのかを考えてみましょう。
今はSNSなど自由に意見をやりとりできる場が増えていますが、思想と思想がぶつかり合ってしまうこともしばしばあります。でも、「これは間違い」「これが正解」なんていうものはありません。
執筆活動とは、書き手の思想活動であると同時に読み手との対話でもあります。
読み手との会話の通い路を作ることが大事です。
「こうなのだ」と決めつけるのではなく、「私はこう思う。あなたはどう思う?」と、寄り添う気持ちを忘れずに書いていきましょう。
随筆家・山本ふみこさんのプロフィール
1958(昭和33)年生まれ。出版社勤務を経て随筆家に。ハルメクでは連載「だから、好きな先輩」やエッセー講座(会場開催と通信制)の講師でおなじみ。著書に『朝ごはんからはじまる』『まないた手帖』(ともに毎日新聞社刊)『おとな時間の、つくりかた』(PHP文庫刊)『暮らしと台所の歳時記 旬の野菜で感じる七十二候』(PHP研究所)『こぎれい、こざっぱり』『台所から子どもたちへ』(ともにオレンジページ刊)『家のしごと』(ミシマ社刊)ほか多数。公式ブログは http://fumimushi.cocolog-nifty.com/
ハルメクの通信制エッセー講座とは?
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回出されるテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けられます。講座の受講期間は半年間。
募集については、今後 雑誌「ハルメク」誌上とハルメク365イベント予約サイトのページでご案内予定です。
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