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マンガ家・里中満智子さん語る日本の食文化とおせち

公開日:2021.10.12

里中家のお正月の楽しみは“食”!

里中満智子さんのお正月の楽しみは“食”!

里中満智子さんの食のこだわりについて伺った前回。その背景には父親の影響がありました。

「我が家は、亡くなった父が料亭の跡取り息子だったので食事にはこだわる方なんです。昔からお正月は、おいしいものをたくさん用意して。最近は、父の味を知っている妹が一品一品手作りしてくれて、母と3人でおせちを囲んでいます。

元日の3日前くらいから準備して、おかしら付きの鯛の塩焼き、こうなご入りの紅白なます、関西風のお雑煮。私の好物の数の子はガラスの器に山盛りにして、食べてきましたね」と話す里中さん。

おせちは、残していきたい大切な日本の行事

里中満智子さんが特別に読者のみなさんに向けてイラストを描き下ろしてくださいました。右が鸕野讚良皇女(持統天皇)、左が額田王です
里中満智子さんが特別に読者のみなさんに向けてイラストを描き下ろしてくださいました。右が鸕野讚良皇女(持統天皇)、左が額田王です

里中さんの代表作といえば、持統天皇の生涯を描いた「天上の虹」(講談社刊)や、二度天皇に即位した孝謙・称徳天皇が主人公の「女帝の手記」(読売新聞社刊)があります。長年にわたり、日本の皇室がたどった歴史を描いてきました。

「彼女たちが生きた時代では、全国から干物や塩漬けにした食材が「税」として納められていました。全国から食材が京都に集まってきたので、結構バラエティに飛んだ料理があったようです。その頃の名残がおせちにみられます。

おせちって『お節』と書くように節目ですよね。良いことや悪いことがあっても一年を締めくくり、次の年を新しい気持ちでお祝いして前に進むもの。残していきたい大切な日本の文化だと思います」

新年から作ることに疲れてしまってはダメ

新年から作ることに疲れてしまってはダメ

「現代に生きる私たちも、新しい年をお迎えするお祝いの気持ちを大切にしたいものです。でも、そのために、作ることに疲れてしまった状態で新しい年を迎えては本末転倒なのでは。伝統を残しながら、時代に合わせておせちも変わっていいと思います」

毎年手作り派だった里中家も「最近は、作ることに疲れてしまうこともあった」そうで、「今年は作るのをやめて、ラクをしよう!」と里中さんが家族に宣言しました。

「今は素晴らしい冷凍技術があって便利でおいしいおせちが食べられるのだから、手作りでなくてもいいと思います」

すっきりと元気な気持ちで元日を迎える、里中家の新しいおせちスタイルが始まったようです。

■もっと知りたい■
マンガ家生活57年!里中満智子さんの活力は食事から


手作り派から冷凍おせち派に!ハルメクのおせちの感想は?

手作りおせち派だった里中家が、「作るのをやめて、ラクをしよう!」と選んだのが「ハルメクオリジナルおせち」でした。

「最初、ハルメクのおせちが冷凍で届いたのを見たとき「色がキレイでおいしそう!見ているだけでワクワクしてきました。でも、期待しすぎて実際にいただいたときに違ったら残念だから、と冷静になって説明書通りに解凍して元旦をじっと待ちました」と里中さん。

そして、実際に食べていただいた感想は?

「初めての冷凍おせちでしたが、ひと口食べた瞬間に『なんて薄味でおいしくできているの!』と母と妹と思わず顔を見合わせて。家族3人で感動しました。一般的なおせちって保存食だから、しっかり味付けしてあって、茶色く煮込んであって、というのが普通だと思いますが、こちらは違いました。上品なおだしをきかせて薄味に作っているのですね。色も赤や黄色、緑と鮮やかな食材を使っているから、『わー、キレイ!』と家族で喜び合って。

食卓が華やいで、お祝いの気持ちを盛り上げてくれました」

伝統の和の“味”、初めて出合う“洋”の味

伝統の和の“味”、初めて出合う“洋”の味

さらに、2022年の「福寿」もひと足早く味見していただきました。

「おせちは縁起物でもありますから、黒豆や田作りなどのいわれのある伝統的な品目はきちんと入っている。さらに、初めて見るような洋風の品目が入っているのもうれしいです。それも、食べ慣れない食材と味つけではなく、普段から食べている食材をやさしい洋風の味付けになっている。

どちらもいただいても、最後まで食べ進められるように、職人さんが味付けのバランスを調整していい仕事をしてくださっていますね。妹と『これで決まりね』と話しているんですよ」

里中さんのおすすめポイントと品目

「日本でもおいしい外国の料理が食べられる時代。和も洋も入っていて、舌の肥えた現代人を満足させるように考えられているのがうれしいですね」

かにと柚子のテリーヌ(福寿)
かにと柚子のテリーヌ(福寿)

家庭ではここまで作れない、手のこんだ品目

「自分ではなかなか思いつかないような、素材の切り方や食材の色の配置。プロでなければできない技と味が詰まっていました」

彩りきぬた巻(福寿)
彩りきぬた巻(福寿)

どれも薄味で、冷凍とは思えないおいしさ

「魚も鮮度のいいお刺身のように、風味がしっかり感じられる。『今の冷凍技術はすごい!』と家族と感心しきりでした」

メロ西京焼(福寿)
メロ西京焼(福寿)

甘いものが苦手な里中さんがお気に入り

「カシューナッツがほんのり甘くて、箸が止まらなくなるほどおいしい!これだけ売り出されたら、買いたいと思いました(笑)」

カシューナッツ飴炊き(福寿)
カシューナッツ飴炊き(福寿)

「ハルメクのおせちは、定番の品目はもちろん、現代風の品目もたくさん入っていて、まさに伝統と新しいものを味わうことができました。ほんとうにおいしいものに出合えて、大満足です」(里中さん)


里中満智子
1948年大阪生まれ。マンガ家、(公社)日本漫画家協会理事長。高校2年生で「ピアの肖像」第1回講談社新人漫画賞受賞。代表作「アリエスの乙女たち」「あすなろ坂」「狩人の星座」、連載が2015年まで32年にわたった「天上の虹」他多数。

撮影=中西裕人 スタイリング=綾部恵美子 ヘアメイク=後田睦子 取材・文=小林さやか(ハルメク 健康と暮らし編集部)

 ※2022年のハルメクおせちは販売終了しました(※2021年12月5日時点)

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