村上祥子さん「おせちは買って手作りをプラスが正解」
2021.11.052021年11月10日
村上祥子さんのお手軽正月料理レシピ2
斬新!村上祥子さんの串刺し「博多雑煮」レシピ
料理研究家の村上祥子さんに、鉄板正月料理レシピを教わります。今回は福岡の特徴的なお雑煮、串刺しになった「博多雑煮」の作り方を教わります。商人の町だったからこそ生まれた、忙しい年末年始を乗り切る工夫が詰まったレシピですよ。
村上祥子さんのプロフィール
1942年生まれ、福岡県出身。管理栄養士。公立大学法人福岡女子大学客員教授。27歳のときに料理教室を開き、50年以上たった現在も継続中。現在は福岡県で一人暮らし。電子レンジを活用したレシピ本など著書多数。
博多雑煮とは?
お雑煮といえば、日本全国各地の特色が楽しめる料理です。福岡県生まれの料理研究家・村上祥子さんが作るお雑煮は「博多雑煮」。餅入りのお吸い物のお椀に、串に刺さった具材が添えられているという、一風変わった見た目のお雑煮です。
お餅は、西日本ならではの丸餅。だし汁は、焼きあご(※今回ご紹介するレシピでは、和風だしを使用しています)。串に刺さった具材は、古くから福岡で作られてきた葉野菜の「かつお菜」、縁起がいい「ブリ」を中心に、しいたけ、かまぼこ、にんじん、里いも、大根など。
なぜ「博多雑煮」の具材は串に刺さっているのかというと、博多の歴史に由来があるそう。
「博多は商人の町だから、年末年始のおかみさんたちは大忙し。だから、事前にお雑煮の具材を串に刺して下ごしらえをして、温かいだし汁と丸餅のお椀をお出しできるように準備をしておく風習があったんです。これなら、年始の挨拶で訪れたたくさんのお客様に、すぐお雑煮を振る舞えるでしょう?」
村上祥子さんも、お雑煮を振る舞う準備には思い入れがあるそう。
「夫が製鉄所の副所長をしていたので、年始の挨拶をしに訪れる部下たちが200人近くいたんです。そのときは、串雑煮にとても助けられました。来客がなくてもお正月はゆっくり過ごしたいという人や、いつもと違うお雑煮を食べたいという方におすすめです」
村上祥子流!博多雑煮のレシピ
博多雑煮の材料(4人分)
- 水…700mL
- 干ししいたけ…小4個
- 和風だしパック…1個
【A】 - 薄口しょうゆ…大さじ1/2
- しょうゆ…大さじ1/2
- 酒…大さじ1/2
- 塩…小さじ⅕
- 鶏もも肉…60g(4つに切る)
- 大根(幅5mmの輪切り)4枚
- 里いも…小4個(150g)
- にんじん…100g
- かつお菜…100g
- ぶり…4切れ(20g/切れ)
- 丸餅…4個
- かまぼこ(紅)…8切れ(10g/切れ)
- 柚子の皮…少々
- 木の芽…少々
博多雑煮の作り方
1.鍋に水を注ぎ、だしパックと干ししいたけを入れ、中火にかける。沸騰してきたらしいたけを取り出した後、10分ほど中火で加熱し、濃いだしをとる。だしパックは取り出し、【A】で調味する。鶏肉を加え、さっと火を通す。しいたけは軸を取る。
2.大根は軟らかくゆでる。里いもは皮をむき、軟らかくゆでる(皮付きのままポリ袋に入れ、電子レンジ600Wで3分加熱し、皮をむいてもよい)。にんじんは幅1.5cmの輪切りにし、梅型で抜いてゆでる。かつお菜はゆでて水に取り、4~5cm長さに切る。
3.ぶりは塩少々を振って2時間おき、さっとゆでる。
4.竹串4本にそれぞれ、鶏肉、里いも、しいたけ、ぶり、かまぼこ、にんじんの順に刺す。
5.別の鍋に水1カップ(分量外)を注ぎ、餅を加え、煮立ってきたら弱火で軟らかくなるまでゆでる。
6.1のだしに4の串を入れて温める。
7.椀に大根を敷き、かつお菜を盛り、5の餅をのせ、だし汁を注ぎ柚子の皮と木の芽をのせる。
■もっと知りたい■
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撮影=田中大造 取材・文=小林さやか(ハルメク 健康と暮らし編集部)