ホルモンを味方につけて老化を予防!#2
「ご機嫌で健康的に長生き」を叶える3要素とは?
「ご機嫌で健康的に長生き」を叶える3要素とは?
更新日:2025年08月15日
公開日:2023年11月21日
教えてくれた人:伊藤 裕(いとう・ひろし)さん

1957(昭和32)年、京都府生まれ。慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科教授を経て、現在予防医療センター特任教授。医学博士。83年、京都大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科博士課程修了。『ココロとカラダを元気にする ホルモンのちから』(高橋書店刊)等、著書多数。
1.生活のリズム:ホルモンのリズムに生活を合わせる

一日の中で決まっているという、ホルモンの“出るべきタイミング”とはどんなものでしょう。慶應義塾大学名誉教授でホルモン研究の権威・伊藤裕さんに聞きました。
「例えば“ストレスホルモン”として知られるコルチゾールは、朝方から分泌が増して体を覚醒させます。同じ頃、セロトニンも活性化。夕方になると、今度は日中に分泌されたセロトニンがメラトニンに変化し、眠気を催す、といったサイクルです。これらを“乱さない”ことが、ホルモンを正しく働かせる上で重要です」(伊藤さん)
「食事抜き」「夜更かし」はホルモンを乱す
食事や睡眠は、特に多くのホルモン分泌に関わるため、できるだけ規則正しく決まった時間にとる方が、ホルモン全体のバランスが整います。食事抜きや夜更かしはNG!
寝るときは部屋を真っ暗にしてメラトニンを助ける
寝るときに少しでも明るいと、 “睡眠ホルモン”のメラトニンの分泌が妨げられ、熟睡しにくくなります。真っ暗だと眠れない方は間接照明を使い、直接光が当たらない工夫を。
極力“おなかが鳴ってから”食事をとるようにする
空腹時に分泌が高まるグレリンは、細胞内でエネルギーを作るミトコンドリアを元気にし、老化を防いでくれます。食事の時間にグーッとおなかが鳴るくらい空腹になるよう、毎食の量は腹七分目がベスト。

たんぱく質をしっかりとると抗肥満ホルモンが活性化する
たんぱく質をとると、肝臓から分泌されるFGF21というホルモンが活性化し、脂肪細胞に働きかけて肥満を抑制することが、最近の研究でわかってきました。
たんぱく質が分解されてできるアミノ酸は、ホルモンの材料にもなります。60代以上は特に積極的にとりましょう。
2.血流:運動で血流を上げてホルモンを強化!
血流を上げてホルモンを全身に行き渡らせるには、「第一に運動が大事」と伊藤さん。
「体を動かす刺激は血流をよくするだけでなく、血栓や動脈硬化を予防する一酸化窒素というホルモンが、血管から分泌されるのを促します。運動は血糖値を下げるインスリンの働きも高めるため、“最も効果的なホルモン強化法”といえます」
手軽に血流アップできる入浴とともに、より効果的な方法を紹介します。
運動は、「軽め」を基本に「ややきつめ」もプラス
血流をスムーズにするために、毎日30分程度、ウォーキングなど軽めの運動を取り入れましょう。途中で少しジョギングを組み込むなど、息が上がる程度の“ややきつめ”の運動も取り入れると、一酸化窒素などの分泌がより増します。

ぬるめのお風呂に全身浸かって血行アップ
入浴も血流アップに効果的です。夏は38℃、冬なら40℃くらいのお湯で、最低10分は全身浴をしましょう。寝る30分から1時間前くらいに入ると、寝入りがスムーズに。
3.適度な刺激:時には安定を乱してもっといきいき!
ホルモンは「生活リズムを守ることで安定する」と解説しました。一方、伊藤さんによると「安定させ過ぎてもダメ」なのだそうです。
「時には旅行で新しい経験をしたり、ほどよい緊張を感じるなど、“適度な刺激”を取り入れると、代謝ややる気を上げるホルモンが活性化し、より活動的に過ごせます。通常は極力ルーティンを守りつつ、メリハリも意識するのが大事です」(伊藤さん)

会話のキャッチボールが“幸せホルモン”を増やす
気の許せる相手との会話は、“愛情ホルモン”オキシトシンを活性化させます。一方「相手の話を受けて返答する」ことが生むほどよい緊張感は、善玉ホルモンの分泌を促します。
スポーツ観戦、宝くじ……勝ち負けの高揚感を味方に
「先が予測できないこと」に触れる高揚感は、ドーパミンや甲状腺ホルモンなど、意欲を上げるホルモンの働きを高めます。宝くじやスポーツ観戦など勝負事に接するのもgood。

最終回では、心と体のお悩み別に、特に大切なホルモンの働きとその活性化のコツを解説します!
取材・文=新井理紗(編集部) イラストレーション=あらいのりこ
※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年11月号を再編集しています




