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- 季節の変わり目の心の不調に!幸せホルモンの増やし方
閉経前後の女性は、女性ホルモンの減少からメンタル不調が起こりやすくなります。特に季節の変わり目は、寒暖差や日照時間の変化によって心も体も揺れやすい時期。幸せホルモン「セロトニン」を増やす生活習慣で、秋のメンタル不調を明るく乗り越えましょう!
秋は心が揺らぎやすい
10月18日は世界メノポーズデーです。メノポーズとは、閉経のこと。世界メノポーズデーでは、更年期の健康についてさまざまな情報が発信されます。
更年期に入ると女性ホルモンが減少し、女性の体に多くの変化が起こります。ほてりや頭痛、肩こり、倦怠感といった体の不調を感じる人もいれば、イライラや不安感、気分の落ち込みなど、心の不調に悩む人もいます。
季節の変わり目である秋は、特に心の不調に気を付けたいもの。秋は日照時間が短くなり、寒暖差も大きいことから、自律神経が乱れやすくなっています。秋バテによる疲れも感じやすいため、体だけではなく、心の健康にも気を配りましょう。
更年期に減少する幸せホルモン「セロトニン」
更年期に起こりやすいメンタルの不調は、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンを増やすことで改善が期待できます。
セロトニンは脳にある神経伝達物質の一つで、心のバランスを保ったり、自律神経を整えるなどの働きがあります。
ただ、セロトニンの分泌は女性ホルモンと連動しているため、女性ホルモンの分泌が減ると、セロトニンも一緒に減ってしまいます。これが、更年期の心の不調につながります。
とはいえ、セロトニンは生活習慣のちょっとした工夫で増やせます。セロトニンが増えると、朝の目覚めが良くなったり、気持ちが前向きになるなど心身の調子が整いやすくなりますから、不調を感じている人もそうでない人も、元気な毎日を送るためにセロトニンを増やす生活習慣を意識してみましょう。
セロトニンを増やす3つのコツ
セロトニンを増やすポイントは、「太陽の光」「リズム運動」「食事」の大きく3つです。
■ポイント1:太陽の光を浴びる
太陽の光には、セロトニン神経を活性化させる働きがあります。中でも効果が高いのは朝の光。朝起きたらカーテンを開け、太陽の光を浴びる習慣をつけましょう。
日光を浴びる時間は、1日15分~30分が目安。窓の近くで過ごすだけでも太陽光を浴びられますから、朝日が入る部屋でゆったりと朝食を取るのもおすすめです。
なお、太陽の光は照度が高いので、曇りの日でもセロトニンを増やす効果は十分にあります。太陽の光を浴びることはセロトニンを増やす最も簡単な方法なので、ぜひ毎日の習慣に取り入れてみてください。
■ポイント2:リズム運動をする
適度な運動にも、セロトニンを増やす効果が期待できます。運動の中でも特におすすめなのが、自転車こぎ(エアロバイク)やウォーキングのように、一定のリズムで体を動かすリズム運動。深い呼吸もセロトニンを増やすのに役立つので、ヨガのように呼吸を意識しながら行う運動もよいでしょう。
どの運動も、始めて5分後くらいからセロトニンの分泌が高まり、20~30分でピークを迎えます。できれば毎日20~30分を目安に、自分に合ったリズム運動を行いましょう。
朝の光を浴びながらウォーキングやヨガをすれば、日光浴とリズム運動が同時にできて一石二鳥です。
■ポイント3:食事はよく噛んで食べる
食べ物をよく噛んで食べると、セロトニンの分泌が促されます。また、ゆっくりとリズムよく咀嚼すればリズム運動にもなりますから、セロトニンがより分泌されやすくなります。
毎日の食事で根菜や豆類、キノコ類など、適度に歯ごたえのある食べ物を取り入れて、噛むことを意識しながら食べるだけでも効果的。なお、偏食はセロトニンの分泌を妨げてしまうので、主食、主菜、副菜を揃えたバランスの良い献立も意識しましょう。
幸せホルモンの味方「トリプトファン」を取ろう
食事では、セロトニンの材料となる栄養素「トリプトファン」を多く含む食材にも注目です。トリプトファンは体内で合成できない必須アミノ酸の一つなので、外から摂取する必要があります。身近にもトリプトファンを多く含む食材がたくさんありますから、積極的に取り入れてみましょう。
<トリプトファンを多く含む食材>
・大豆製品(豆腐、納豆、味噌など)
・乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)
・レバー
・ごま
・バナナ
・アーモンド
さらに、セロトニンの合成を助ける炭水化物とビタミンB6を一緒に取れば、幸せホルモンの分泌効果がパワーアップ。ビタミンB6は、鶏むね肉やささみ、青魚、ナッツ類、はちみつなどに含まれています。食事が偏りがちな人は、栄養補助食品を活用するのも一つの手。毎日の食事の中で無理なく工夫してみましょう。
太陽の光を浴びたり、食事を少し見直してみるなど、生活習慣のちょっとした工夫で心身をポジティブに導くセロトニンは増やすことができます。幸せホルモンを増やして、心が揺らぎやすい更年期と季節の変わり目を明るく元気に乗り越えましょう!
監修者プロフィール:石原新菜(いしはら・にいな)さん
イシハラクリニック 副院長。ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ理事、ロングライフ・ラボ理事、フェムテック・ジャパン理事。主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっているクリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書は70 冊越え、『「体を温める」と子どもは病気にならない』など多数。
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