各人各様なプログラムで後遺症からの回復を伴走

もしものために知っておきたい、保険外リハビリとは?

公開日:2022/04/27

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脳卒中などの後遺症が残っても、公的保険ではリハビリの日数や内容に制限があるため、自己負担でリハビリを受ける「保険外リハビリ」の施設やサービスで回復を目指す人が増えています。

首都圏を中心に展開すえう保険外リハビリ施設「AViC THE PHYSIO STUDIO(エービック・ザ・フィジオ・スタジオ)」
自分の体に合わせたリハビリプログラムで回復を目指す

一人ひとりの症例に合わせたオーダーメイド型の保険外リハビリサービス

脳卒中などの後遺症が残っても、自分が納得できるまで改善に向けて努力したい……。公的保険ではリハビリの日数や内容に制限があるため、100%自己負担でリハビリを受ける「保険外リハビリ」の施設やサービスで回復を目指す人が増えています。

どのくらいの費用でどんなサービスが受けられるのか、首都圏を中心に展開する保険外リハビリ施設「AViC THE PHYSIO STUDIO(エービック・ザ・フィジオ・スタジオ、以下エービック)」を取材しました。

トヨタグループで介護用品販売・レンタル事業を手掛ける株式会社豊通オールライフが新しい取り組みとして展開を進めているのがこの「エービック」。科学的根拠に基づくリハビリ理論と最先端の機器を用いて、一人一人の症例に合わせたオーダーメイド型のリハビリサービスを提供しています。

現在、首都圏に3店舗(日本橋・長津田・尾山台)と中部圏に1店舗(名古屋栄)を出店。2018年のサービス開始以来、すでに約2万件を超えるリハビリ実績があります。今回は日本橋店の店長で理学療法士の守屋耕平さんにお話を伺いました。

なぜ公的保険のリハビリでは物足りない⁉

家族や自分の“もしも”のためにまず気になるのは、なぜ保険適用のリハビリでは完結しない人が増えているのか、ということ。その社会的背景について守屋さんは次のように説明します。

「現在、日本では脳卒中などの脳血管疾患や整形疾患、パーキンソン病などの神経難病といった後遺症に対するリハビリの需要が急拡大しています。超高齢化社会が進んだことと、医療技術の進歩が脳卒中などの死亡率を下げてくれた結果です。ですが、医療費の抑制、介護保険への移行推進も相まって、医療保険制度で利用できるリハビリの日数や質が制限されるようになってきました」(守屋さん)。

公的な医療保険で受けられるリハビリには病気ごとに日数の上限があり、介護保険では集団で同じリハビリメニューを受けることが多く、必ずしも一人一人の症例に即したリハビリが行われていないなど、量も質も不十分だと感じる人が多いのだそうです。

“なりたい自分”への回復をサポート

「エービック」でリハビリを受けているのは、40代から80代までの幅広い層ですが、その中でも比較的大きいボリュームを占めているのは50-60代の女性で、脳卒中だけでなく、膝・腰痛などの整形疾患もいらっしゃるとのこと。

患者の抱えるお体の悩みは一人一人異なるし、リハビリによって目指す、なりたい自分もさまざま。「エービック」では“職場復帰したい”、“以前のように趣味のスポーツや旅行を楽しみたい”など、利用者の希望や症状に合わせて個別のリハビリプログラムを組んでくれます。

守屋さんによると「病院のリハビリは早期退院を目指すため、日常生活動作の回復に留まってしまうことも多く、患者個々のニーズに応じた応用的な生活動作の向上まで目指すのが難しいのが実情です」とのこと。下図のように豊かな生活を取り戻すために、保険外リハビリを利用する人が増えているのだそうです。

最新機器&各人各様なプログラム

膝に負担をかけない歩行訓練器やゲーム感覚で訓練ができるバイクといった、さまざまなリハビリ機器が揃う「エービック」。セラピストは医療機関などで5年以上の臨床経験がある理学療法士や作業療法士です。

初回の体験リハビリ時に身体評価だけでなく、本人の価値観や希望などをしっかりとヒアリングし、最新の論文等を活用しながらリハビリプログラムを設計してくれます。

「例えば手足の麻痺を改善したいというご希望も、どのような動作ができるようになりたいのか、どんな生活を送りたいのかで提案するリハビリは違ってきます」と守屋さん。ただ後遺症を改善しようというのではなく、利用者が希望する生活を送れるように支援したいから、悩みや困ったことの聴取には十分な時間を設けているそうです。

また、リハビリプログラムは複数案を設計してそれぞれの効果を説明し、利用者の意見も取り入れながら一緒に選ぶことで納得感を高め、前向きに取り組めるような工夫もしているといいます。

1対1でみっちり75分のリハビリを週2回以上

「エービック」のリハビリはセラピストとの完全マンツーマン。料金は1回75分で1万4300円(税込)、オーダーメイド式なので頻度は希望によりますが、週2回・期間は3か月程度での利用が一般的とのこと。この利用形態だと合計24回となり、金額にすると34万3200円(税込)になります。

全額自己負担ですから、決して安価ではありません。とはいえ、個々人に最適化された学術分野でも認められたリハビリのプログラムが設計・提供されて、「なりたい自分」により近づくための出費と考えれば、納得できる価格なのではないでしょうか。

オンラインも交えたリハビリメニューの提供

また少し回復してきたら、税抜月2980円から(税込み3278円から)のオンラインリハビリ相談と組み合わせて利用することもできます(※)。自宅でできるリハビリメニューをセラピストが作成、テレビ電話で正しく運動できているかの確認や助言がもらえるサービスです。

※月額2980円(税抜)コースは店舗ご利用者のみ、その他オンラインリハビリコースがあります

また店舗へ通うのが難しい場合は、セラピストがリハビリ機器を持参してくれる訪問サービスを受けることも可能。訪問サービスは3.5km圏内であれば1回60分で1万4300円(税込)、3.5km圏外は別途移動費が加算されます。

どんな病気の後遺症が多い?挫折はしない?

利用者の疾患で多いのは半数が脳卒中、次いで整形疾患。最近ではコロナ禍の外出自粛で筋力が衰え、歩くのが難しくなってしまった70代の女性もいたそう。最初はタクシーで来店していましたが、3か月後には電車で通えるまでに回復したとのこと。また脳卒中を患った50代の男性は、手足の麻痺が残って自宅内を一人で歩くのも難しかったところ、熱心なリハビリを2年ほど続け、最終的には犬の散歩や車の運転ができるまでになったといいます。

「エービック」では定期的に身体評価を実施し、前回との改善の幅をグラフで示すなどもしています。守屋さんによると「利用者ががんばった成果を見える化することは、リハビリへのモチベーションを高めることにつながります。身体評価の結果から一緒にプログラムの見直しも行い、目標達成に向かってリハビリを進めていきます。達成後は難易度のより高い次の目標を設定してリハビリを継続される方も多くいらっしゃいますよ」。

やる気を維持する二人三脚のプログラム

いくら専門家の意見であっても一方的に指示されたプログラムでは、痛みや疲れに打ち勝てず、リハビリを続ける気持ちが萎えてしまうことも多いでしょう。「エービック」には開店以来リハビリを続けている方も少なくないということから、やる気を維持できる仕組みも整っていることも魅力なようです。

脳卒中や心筋梗塞は普段の生活習慣から予防を心掛けるべきですが、どんなに気を付けていても可能性をゼロにできるものではありません。万が一、自分や身近な人が倒れてしまった場合に、「なりたい自分になれる」ことを手助けしてくれる「エービック」のような施設の存在は心強いものですね。

取材協力=AViC THE PHYSIO STUDIO(エービック・ザ・フィジオ・スタジオ

■もっと知りたい■

時津木春

1971年生まれ。編集プロダクション、出版社勤務を経てフリーランス。ファッション誌の執筆からビジネス書の編集まで、旺盛な好奇心を糧に幅広く活動。男女2児の母で思春期の子育て真っ盛り。東京西部の山育ち、植物好き。

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