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医師が解説!動画で学ぶ腰痛体操・4
椅子を使った腰痛体操!膝の痛みを治すストレッチにも
東京大学医学部附属病院22世紀医療センター
松平浩
公開日:2020.05.26
更新日:2020.10.01
この連載では、東京大学医学部附属病院22世紀医療センター・松平浩先生が、腰痛の予防に役立つ体操・ストレッチを動画で紹介します。今回のテーマは、座るときに腰に負担をかけない姿勢「美長寿座り」と、椅子(いす)を使った腰痛体操です。
腰痛借金を貯めない!椅子の座り方「美長寿座り」
「慢性腰痛の予防と改善には、姿勢が大きく影響します。特に椅子に座った状態で猫背の姿勢を長時間続けることは、骨盤の後傾や背中の筋肉の過剰な収縮を招き、腰の負担『腰痛借金』を増やしてしまいます」と松平先生。
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猫背や前かがみの悪い姿勢はNG!「腰痛借金」に注意
猫背の他に、浅く腰をかけて背もたれに体重をかけてダランとした姿勢も、腰に負担をかけてしまうそう。
「骨盤が横に寝てしまう姿勢はダメ。あごを軽く引き、背すじが自然と伸びて骨盤が立っている姿勢が、座っているときの基本姿勢です。ときどきでいいので、おへそから5cmほど下にある『丹田(たんでん)』を意識して、肩回りはリラックスしつつ頭頂部を糸でつられているイメージを持ちましょう」
よい姿勢で座ることを、松平先生は「美長寿(びちょうじゅ)座り」と呼んでいるそう。
「猫背などラクな座り方は、内臓を圧迫したり、腰に大きな負担をかけたりと、体の老化を早めてしまう可能性があります。一方、美長寿座りをすると、背中や腰の血流が増え、脳が活性化してやる気も気分もアップします。また、深い呼吸がしやすくなって自律神経のバランスも整うため、健康寿命を延ばすことにもつながると考えています」
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「美ポジ」ストレッチ&ウォーキングで腰痛を予防
自然と「美長寿座り」に!長時間椅子に座るときの工夫
とはいえ、長時間よい姿勢を保つのは難しいもの。
「長時間椅子に座るときは、背もたれやお尻の下にクッションやタオルなどを入れてサポートするのがおすすめです。足の裏とお尻の下(座骨)に体重をあずけます」
「1日5分だけでも美長寿座りをすることで、まずは自分の姿勢を見直すことが大切です。猫背が続いたら、ときどき背すじをしっかり伸ばす。これだけでも、腰痛予防に役立ちます」
また、長時間椅子に座って疲れたときは、肩甲骨周りのストレッチで姿勢を正すのがおすすめとのこと。松平先生に、肩こり予防にもなる、簡単なストレッチ「肩甲骨リトラクション」を教えてもらいました。
小さく「前ならえ」で姿勢を正す!簡単ストレッチ
- 椅子に座った姿勢で両ひじを脇につけて、小さく「前ならえ」をする。
- 両手の手の平を上に向ける。
- 脇を締めたまま、両手を真横にゆっくり開き、肩甲骨を寄せる。
そのまま3~5秒間キープしてから、腕をゆっくり下ろす。
下半身のストレッチで腰痛と膝の痛みをダブルで解決!
腰痛予防には、腰に負担のかからない姿勢を心掛けるとともに、軽い運動をすることも大切です。適度に体を動かすと、背中や腰の血行が改善するためです。
「特に、椅子に座った状態でハムストリング(太ももの裏側の筋肉)をストレッチすると、骨盤が適正な位置に収まりやすくなるため、腰痛予防に役立ちます」と松平先生。
ハムストリングとは、太ももの裏側にある筋肉群の総称で、腰への負担が少ない姿勢を維持する上で大事な役割を担っているそう。
「ハムストリングは、膝関節の曲げ伸ばしや股関節を動かすときにも働く筋肉です。今回紹介する2つのエクササイズをすると、腰痛借金が減るのはもちろん、膝の痛みの予防にもなって一石二鳥です」
【動画】腰痛&膝の痛みに効果的!椅子を使った腰痛体操
今回ご紹介する2つのストレッチは、基本姿勢は一緒で、かかとを床につけるか上げるかで効果が変わります。どちらも椅子に浅めに座った状態からスタートします。両足の太ももの付け根に、人差し指と中指の2本を添えましょう。
椅子を使った腰痛体操1:ハムストリングのストレッチ
1.息を吐きながら、片方の足を伸ばして、10秒キープ。このとき、かかとは床につけたまま、太ももの裏が伸びているのを感じる。
2.息を吐きながら「ハリ胸(※)」を保って前傾し、そのまま10秒キープ。慣れてきたら20~30秒に伸ばしていく。
※ハリ胸→グッと胸を張った姿勢。背中が丸まらないように
3.足を入れ替えて、反対側も同じように繰り返す。ただし、ハリが強いほうを優先する。
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正しい姿勢&筋トレで腰痛を予防!ハリ胸エクササイズ
椅子を使った腰痛体操2:太もも前の筋トレ
1.片方の足を伸ばして、かかとを床から少し(1cmくらい)浮かせる。
2.そのまま5秒キープしたら、力をゆるめて、かかとからストンと床に落とす。これを10回繰り返す。
3.足を入れ替えて、反対側も同じように繰り返す。
「どちらのエクササイズも、左右セットでできれば毎日やってほしいですが、左右を比べてきつく感じる側を重点的に行ってください。1日1回3秒でできるこれだけ体操もお忘れなく!」
監修者プロフィール:松平浩さん
まつだいら・こう 東京大学附属病院22世紀医療センター「運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座」特任教授。NHK番組出演を含め、腰痛の正しい知識や対策に関する啓蒙啓発活動を精力的に行っている。主な著書は『腰痛は「動かして」治しなさい』(講談社+α新書)など。「美ポジラボ」やYoutubeチャンネルにて「Stay Home」の今、家でできる体操動画コンテンツを配信中。
取材・文=竹下沙弥香(ハルメクWEB)
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