50代から始めたい「ひざちゃん体操」入門 #4
実践編:痛みがあっても大丈夫!50代からのひざを守る筋トレ&ストレッチ
実践編:痛みがあっても大丈夫!50代からのひざを守る筋トレ&ストレッチ
公開日:2026年06月04日
ひざ痛と体の動きに詳しい専門家が解説
黒田恵美子(くろだ・えみこ)
健康運動指導士。東海大学体育学部体育学科卒業。一般社団法人ケア・ウォーキング普及会代表理事、ミズノ株式会社ブランドアンバサダーなどを務める。
野本聡(のもと・そう)
足立慶友整形外科院長。慶應義塾大学医学部卒業、慶應義塾大学医学部客員講師、済生会横浜東部病院運動器センター長などを経て、現職。膝関節外科(とくに人工関節置換術)が専門。
※本稿は、野本聡監修・黒田恵美子著『出かける前に1分 ひざちゃん体操』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
ひざにやさしい「ゆるゆる屈伸」から始めよう
生活の中で、何気なくひざをねじって曲げていることが、実はあります。
ひざ痛の人に多いのが、「足先とひざが違う方向を向いている」こと。足先は正面を向いているのにひざが内側に曲がっていたり、外側に曲がっていたりするクセです。
このねじるクセが毎日積み重なって、ひざをゆがませ、痛むひざをつくっていきます。
今回お伝えする軽い「ゆるゆる屈伸」は、ひざと足先が同じ方向へ動くように、少しずつ筋肉を慣らして直していこうというのが目的です。
軟骨には血管が通っていないため血液で栄養が運ばれません。
しかし、ひざを軽く屈伸することで、関節の動きがポンプの役割をしてくれ、届きにくい軟骨に栄養を送りこむことができます。ひざ軟骨は自然に回復しにくい部分ですが、ゆるゆる屈伸で動きを整えていきます。
ゆるーい屈伸で、ひざに正しい動きのクセをつけていきましょう。
「ゆるゆる屈伸」でひざのクセを整える
ひざをゆるゆるリズミカルに曲げ伸ばしすることでO脚やX脚などのクセを直していく体操です。痛みを感じない程度に曲げましょう。外出前にするとよろけることなく真っすぐに歩きやすくなります。(体操の目安2〜3分)
1.足を肩幅に開いて立つ
つま先の向きは正面に向ける。
2.股関節、ひざの順で軽くひざを曲げる
曲げる角度はひざが足先より前に出ないくらいまで。
3.ひざを伸ばす
ピンと伸ばしきらないところまでゆるみを持たせて。ゆるゆる、ゆるく繰り返す。1秒間に2回くらいのペースで2と3をリズミカルに繰り返す。
ダメ!ひざを痛める動かし方
下腹が出てしまうとひざに大きな負担がかかってしまう。
ひざが外側に開いてしまっている。
ひざが内側に入っている。
ひざが痛い日でもできる簡単ストレッチ
軽いひざの屈伸で、曲げ方のクセを確認し、自分のひざの状態を把握したら、硬くなった筋肉をゆるめて動かしやすくするストレッチを行います。
ひざを支えている、ももの前側、後ろ側、内側、外側の筋肉を意識しながらストレッチしましょう。「ストレッチ」は筋肉をゆっくり伸ばす体操です。
ギシギシときしむ関節を、しなやかに動くようにしたいものですね。
朝やれば1日が楽に動けるようになり、寝る前には1日の疲れがとれてよく眠れるようになります。
テレビを見ながら、家事の合間に疲れを感じたとき、痛みを感じたときに行えば、疲労回復になりますよ。
ストレッチをするときのポイント
- 伸ばしているところをしっかり意識しましょう。
- 「イタ気持ちよい」程度まで伸ばします。
- 反動をつけずにゆっくり伸ばします。
- 基本は20秒を左右それぞれ1~2回。
- 息を鼻で吸って、筋肉が伸びていくときに口からふーっと吐くように。
※体操に気をとられて呼吸を忘れがちです。息をこらえて行うと血圧が上がってしまうので、息を止めないことはとっても大事なポイントです。
ひざが痛い人向け「ももの前ストレッチ」
1.右ひざを曲げて椅子に乗せる。左手は背もたれにつかまる。
2.右脚の甲または足首をつかむ。
3.ゆっくりと無理をしないで、イタ気持ちよいところまで、右脚を引き上げていく。20秒キープします。
椅子でできる!安心のひざ筋トレ
ストレッチの後には、筋肉を目覚めさせて支えるカを高める筋トレを行います。
ひざを支える筋肉がアンバランスだとひざ痛を起こしやすくなります。ここで紹介する筋トレは、普段使わなくなっているお尻やももの前側、内側などの筋肉に軽い負担を与え、刺激する目的で行います。
筋トレは毎日ではなく、2日に1度にします。筋トレをしたあとで傷ついた筋肉を休める時間が必要だからです。無理をしてがんばると、逆に筋肉が疲れ切ってしまって力を発揮できなくなるので、お休みは大事なんですよ。
何事も、「あわてず急がず、ゆっくりじっくり長く続けること」が大切なんですね。
今回は、ひざ痛で立位が不安な方も安心な、椅子を使った体操をご紹介しましょう。
筋トレをするときのポイント
- 動かしている筋肉をしっかり意識しましょう。
- 「ややキツイ」と感じるくらいの力を入れます。
- じっくり力を入れて、反動をつけないようにしましょう。
- 基本は10回、1~2セット。
- 息を鼻で吸って、力が入るときに口からふーっと吐きます。
どの動作でも力を入れるときに吐くようにしましょう。どうしても息を吐くのが難しければ、「いち、に、さん、」と口に出して数を数えましょう。
お尻締め&かかと上げ下ろし
両脚をギュッと閉じながら、ももの内側を触ってみてください。もしゆるゆるしていたら、ももの内側が弱っている証拠。内側の筋肉が弱ると、尿もれ、腰痛、股関節痛にもつながるので、とても大事な体操です。(体操の目安:20秒間キープ、1〜2回)
1.椅子の背もたれにつかまって脚を閉じて立つ(つま先も閉じる)
2.お尻を締めながらふくらはぎにグッと力を入れてかかとを上げる
ももを閉じる意識でできるだけ内側のくるぶしを離さないように。
脚が開いてしまう方は、足の親指にしっかり力を入れましょう。
まずは、ひざを痛めにくく筋力を弱らせない生活を心がけること。そのうえで筋トレやストレッチで弱い部分を補い、さらにひざに負担の少ない歩き方を身につけること。そして、自分では対処できない症状は整形外科など専門家に委ねること。
こうした流れが整えば、ひざ痛とも上手に付き合えるはずです。
ぜひ、ひざちゃん体操を日常に取り入れて、100歳まで自分の脚で歩くことのできる健康なひざを手に入れましょう。
※体の状態には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
もっと詳しく知りたい人は書籍をチェック!

『出かける前に1分 ひざちゃん体操』(かんき出版)




