自宅でできる脊柱管狭窄症ケア#1
その腰痛、脊柱管狭窄症かも?セルフチェックと症状・原因の基礎知識
その腰痛、脊柱管狭窄症かも?セルフチェックと症状・原因の基礎知識
公開日:2026年04月27日
教えてくれた人:武田淳也(たけだ・じゅんや)さん
整形外科医。スポーツ・栄養クリニック(福岡・代官山)理事長。1993年福岡大学医学部卒業。スポーツドクターとしてオリンピック、ワールドカップ等に携わる。正しい姿勢と体の使い方の修得を一般の人々に広げるために開発した「カラダ取説」プログラムの普及がライフワーク。
50代から増える脊柱管狭窄症。どんな病気?

日本人が訴える自覚症状で最も多いのが、腰痛(2022年国民生活基礎調査)国民病ともいえる、この腰痛を引き起こす代表的な病気の一つが「脊柱管狭窄症」です。
脊柱管は、背骨の中にある神経の通り道。この空間が狭くなって、中を通る神経が圧迫され、腰痛や脚のしびれなどが起こります。
典型的な症状は、しばらく歩くと脚に痛みやしびれが出ますが、少し休むと楽になってまた歩けるという「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」。他にも腰を反らすと痛みやしびれが強くなり、前かがみになると楽になるのも、よく見られる症状です。
反り腰と猫背は要注意!脊柱管狭窄症の原因

では、なぜ脊柱管狭窄症が起こるのでしょうか。整形外科医の武田淳也さんは次のように話します。
「最大の原因は、長年の間違った腰の使い方。反り腰や猫背などで、腰の骨(腰椎)に過度な負担がかかり続けると、骨や靭帯が厚くなったり、ずれたり、骨棘(こっきょく)と呼ばれる骨のトゲができたりして、脊柱管が徐々に狭くなっていくのです」
反り腰とは文字通り、腰が反った状態。「立ったとき、骨盤の前の両側にある腰骨の出っ張ったグリグリと恥骨の3点を結ぶ面が垂直よりも前に傾いていたら反り腰の可能性があります」(武田さん)
<脊柱管狭窄症になりやすい人の特徴>
- 腰痛に悩んでいる
- ギックリ腰が時々起こる
- 腰が反り気味
- 猫背が気になる
【セルフ診断】あなたのしびれ・痛みは脊柱管狭窄症?

下記の症状はありませんか? 思い当たる症状が多いほど、脊柱管狭窄症の可能性が高くなります。
- 太ももからふくらはぎ、すねにかけて、しびれや痛みがある
- しばらく歩くとしびれや痛みが強くなり、休むと楽になる
- しばらく立っていると、太ももからふくらはぎ、すねにかけて、しびれや痛みが出る
- しびれや痛みは、前かがみになると楽になる
- 両足の裏側やお尻のまわりにしびれがある
一定の距離を歩くと脚のしびれや痛みで立ち止まるが、座ったり腰をかがめたりして休むと神経の圧迫が緩められて、また歩けるようになる、また休み休みでないと歩けなくなるのが、脊柱管狭窄症の特徴的な症状です。
病院は行くべき?脊柱管狭窄症の受診目安
脚に力が入らない、尿漏れの症状が出てきた……。脊髄の一番下にある「馬尾」という神経の束が圧迫されてダメージを受けると、脚の強いしびれや麻痺、脱力、さらに排尿や排便障害が出てきます。
神経が損傷されると元には戻らないので、整形外科や脊椎外科で早く診てもらいましょう。狭くなった脊柱管を広げる手術を検討します。
脊柱管狭窄症は改善できる?予防のポイントと対策
脊柱管狭窄症の原因となる腰への負担を減らすには、よくない姿勢や間違った体の使い方を正す必要があります。そこでキーワードとなるのが「モーターコントロール(運動制御)」、略して「モタコン」です。
「これは体を正しく動かすためのコントロール技術のこと。立つ、座る、歩くといった基本的な動作を腰に過度な負担をかけずに行えるよう、正しい体の使い方を身につけていきます。整形外科領域をはじめ医学界でも、注目されている技術です」と武田さん。

次回の記事では、脊柱管狭窄症の症状を自分で改善する「モタコン体操」の具体的な効果とやり方をわかりやすく解説します。
取材・文=佐田節子、イラストレーション=山村真代、構成=五十嵐香奈(ハルメク編集部)
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年9月号を再編集しています。




