肝臓寿命を延ばす新習慣#3

なぜ太る?どう防ぐ?お酒を楽しみながら「肝臓寿命」を延ばす新習慣

なぜ太る?どう防ぐ?お酒を楽しみながら「肝臓寿命」を延ばす新習慣

更新日:2026年04月13日

公開日:2026年03月14日

なぜ太る?どう防ぐ?お酒を楽しみながら「肝臓寿命」を延ばす新習慣

お酒を飲んでいると、なんだか太りやすい気がする——。一生健康でお酒を楽しむカギは、肝臓を病気にさせないことです。特に注意したいのは脂肪肝。お酒をやめずに肝臓を守り、「飲酒寿命」を延ばすための小さな習慣や心がけを肝臓専門医が解説します。

お話を聞いたのはこの2人

教えてくれたのは、浅部伸一(あさべ・しんいち)先生

肝臓専門医。東京大学医学部卒業。自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科講師・准教授。その後、製薬会社に転じ、新薬開発等に携わる。現在は、アシュラスメディカル株式会社所属。著書に『長生きしたけりゃ肝機能を高めなさい』(アスコム)など。

教えてもらうのは、葉石かおり(はいし・かおり)さん

酒ジャーナリスト。ラジオレポーター、女性週刊誌の記者を経て、エッセイストに。「酒と心身の健康」「酒と料理のペアリング」をテーマに幅広く活動。著書に『酒好き医師が教える最高の飲み方』『名医が教える飲酒の科学』(日経BP、浅部先生監修)など。

太りづらいお酒はない!重要なのは「太らない飲み方」

太りづらいお酒はない!重要なのは「太らない飲み方」
boule / PIXTA

葉石 先生、「お酒はエンプティカロリーだから太らない」という説がありますが、ホントのところどうなんでしょう(期待を込めて質問)

浅部 いえいえ、太らないお酒はありません。アルコール自体、1gあたり約7kcalありますし、代謝の過程で脂肪の合成を促します。つまり、糖質の有無関係なしにアルコール由来のカロリーは確実に体に加算されます。

浅部 太らないお酒を探すのではなく、「太らない飲み方」を考えましょう。ビールをはじめ喉越しのいいお酒は結果として、総摂取カロリーと酒量が多くなります。

葉石 たしかに。アルコール度数は高いけど、熱燗、焼酎のお湯割り、赤ワインはゆっくり飲むからか、量を抑えやすいですよね。

浅部 あと「ゼロ次会」と称して、早い時間から飲むのも酒量が増える元凶です。

葉石 猛省します。結局はお酒の種類よりも 「量・スピード・時間」をコントロールすることが太らない飲み方の鉄則ってことですね。

浅部 その通りです。お酒はうまく付き合えば、長くいい関係を築けます。

「飲酒寿命」は延ばせる?肝臓を病気にしない考え方

「飲酒寿命」は延ばせる?肝臓を病気にしない考え方
koti / PIXTA

葉石 先生のお話を伺って、お酒を楽しむためには、改めて肝臓って大事だなぁと実感しました。究極の質問ですが、肝臓の寿命を延ばす方法ってあるんでしょうか?

浅部 ありますよ。答えはとてもシンプルで、「肝臓を病気にしないこと」。これに尽きます。特に注意したいのは脂肪肝です。脂肪肝というと軽く見られがちですが、放置すると重篤な肝機能障害につながる可能性があります。脂肪肝を早めに改善することが、肝臓を長く健康に保つ第一歩、すなわち「飲酒寿命」を延ばすことになります。

葉石 ということは、やはり定期的な健康診断は欠かさないほうがいいんですね。

浅部 そうです。肝臓は我慢強い臓器なので、かなり進行するまで悲鳴を上げません。だからこそ、健康診断の結果をスルーせず、肝臓にとってダメージとなる原因を早めに叩き潰すことが大事なんです。

生活習慣が左右する、肝臓寿命と全身の老化

生活習慣が左右する、肝臓寿命と全身の老化
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浅部 肝機能に関わる数値はもちろんですが、中性脂肪、血圧、血糖値などの数値チェックは必須です。

葉石 中性脂肪、血圧、血糖値は「脂肪肝チェックの三大要素」ということですか。これらは生活習慣とも深く関わっているので、酒量と食事の管理、継続的に運動を行って、肥満を予防するのも、肝臓の健康維持につながりそうですね。

浅部 その通りです。生活習慣を整え、将来的に大きなダメージを肝臓に与えるリスクがある「脂肪肝の芽」が出ないようにしましょう。

浅部 肝臓は代謝や解毒、ホルモンの調整、栄養素の貯蔵など、さまざまな臓器と連携して働く「司令塔」のような存在です。肝臓が不調になると、心臓や腎臓、脳、腸内環境にまで影響が広がり、全身の老化を加速させてしまうということを覚えておいてください。

葉石 つまり、「肝臓寿命を延ばす」ということは、全身の寿命を延ばすことにもつながるんですね。

脂肪肝から引き返せるか。小さな習慣がカギ

脂肪肝から引き返せるか。小さな習慣がカギ
siro46 / PIXTA

浅部 脂肪肝になっても、すぐに命に関わるわけではありません。でも放置すると、肝臓は段階的に悪化していきます。徐々に疲れやすくなったり、気力が落ちたりして、QOL(日々の暮らしの満足度)は確実に下がります。

葉石 何だか、「静かに進む坂道」って感じで怖いですね……。

浅部 逆を言えば、「坂を下りきる前に立ち止まれば、まだ戻れる」ということです。脂肪肝の段階なら、自助努力で生活習慣の改善で元に戻せる可能性は十分ありますからね。

葉石 でも生活習慣を整えるって、言うはやすしですが、継続となると結構難しいですよね。何かいい方法はありますか?

浅部 「一気にすべてを変えようとしないこと」です。酒量の見直し、食事、運動のどれか一つから始めて、できたら次へと広げていく。小さな成功体験を積み重ねることで、自然と続けやすくなります。

浅部 例えば休肝日を週1日とる、夜の炭水化物を少し減らす、通勤でひと駅歩くなど、ほんの小さな工夫で構いません。無理なく続けることが、肝臓寿命を延ばす一番の近道なんです。

「100年肝臓」シリーズ[7.1]では、50代からのお酒との付き合い方を、基礎→数値→実践の3回で整理しています。前後の記事もあわせて読むことで、自分に合った“賢い飲み方”が見えてきます。

※本記事は、書籍『お酒がいつまでも飲める「100年肝臓」になる秘訣を教えてください!』より一部抜粋して構成しています。

もっと詳しく知りたい人は

もっと詳しく知りたい人は
『お酒がいつまでも飲める「100年肝臓」になる秘訣を教えてください!』葉石かおり・浅部伸一著(主婦と生活社)

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HALMEK up編集部
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